僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

映画大好きポンポさん


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POMPO:THE CINEPHILE
監督・脚本:平尾隆之
原作:杉谷庄吾人間プラモ
日本映画 2021年
☆☆☆

 

<ストーリー>
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

 


ポンポさんが来~ったぞ!

 

という事で「映画大好きポンポさん」見て来ました。
原作は全然知りません、映画好きの間で大絶賛されてたので、これは見ておかないと、という感じだったのですが・・・

 

う~ん、面白いのは面白かったけど、正直、心の中ではあんまり乗れず。これ言うと、いやそんな映画じゃないから!そこに対してのエクスキューズはちゃんと出してたじゃんっていうのは尤もな話なんですけど、リアリティの無さが気持ち的には乗れなかったなぁ。

 

ポンポさん、おじいちゃんはヴォルフガング・ペーターゼンって事なのかな?見た目は可愛いし、声も小原好美で、プリオタとしては全肯定したくなるし、なんならここちゃんの声が聞きたくてこの映画観に行ったまである。いわゆる彼女はアニメ的な、現実では無い記号の象徴で、作中で言えば映画の象徴というか概念的な存在。

 

主人公のジーン君と、ヒロインのナタリーは新人俳優?なのかな?本業声優で無い人を使って、漫画っぽいご都合主義はポンポさんに背負わせて、こっちの二人で映画らしいリアルなドラマ部分を描きますよ、という使い分けなのはわかる。が!最後までそこが私の中では処理しきれなかった。

 

多分、こういう作品と割り切って2回目3回目を見る時は楽しめると思うのですが、初見で原作とかも知らないと、リアリティラインがどの辺にあって、話がどんな方向に進むのかわからないので、手探りで見てるとすごくわかりにくい。

 

ああ、こういうとこだって一番思ったのが、追加撮影シーンで、主演の往年の名俳優とナタリーが泥まみれになるシーンがあったんですけど、泥の中に落ちても、顔とか服が一部だけしか泥まみれにならないんですよ。え?いくらアニメだからって全然リアルじゃないなぁと思ったし、アニメだったらアニメでで全身茶色になるとかそういうのでも良かったはず。このどっちつかず感が映画全体のトーンに感じられて、悪く言えば中途半端な作品に思えてしまったのが、一番乗れなかった要因でした。

 

多分、狙いとしてはその両面を上手く融合させるっていう所だと思うんですよ。そしてそこが他の作品には無い面白味としての個性にしようとしたんだと思う。

 

ジーン君の成長のドラマはリアルに描くけど、映画の現場ってこんな程度じゃ無いでしょう?みたいなのは、そこはほらポンポさんだから。ポンポさんって存在自体がリアリティなんて1ミリも無いでしょう?これはハリウッドじゃなくてニャリウッドですよ、っていうエクスキューズ。

 

私がやるんだから何とかなるよ、難しい事考えなくていいよっていうポンポさんなのに、追加撮影は予算がかかるとかそこだけリアリティがある事を突然言い出して、しかもその問題は銀行の同級生が、またリアリティの無い集団で解決させる。んんん?何だこれって思っちゃった。

 

学生時代とかに鬱屈した青春を送ってきた奴だからこそ自分の世界を持てて、それが表現になる!とか、映画にはその人の魂とかアイデンティティが映し出されないと名作にはならない、とかわかる話ではあるんですけど、ちょっと言葉だけというか、原作の人もアニメーター上がりとかで、やりながら趣味でピクシブで書いてたとか、その原作にほれ込んでこうやって映画にまで実現させた監督とか、共に映画好きなシネフィルであるんだけれども、アニメの緩さみたいなのも抗えない魅力を感じていて、その融合が新しい面白さを生みだすんじゃないか?っていうのが原動力になってるんだとしたら、多分これで正解だと思うし、やっぱりそこは素晴らしいし面白い作品なんだとは言えるのですが、単純に見てる方としてはモヤモヤしてしまった。

 

映画は名作とか大作ばかりじゃないし、90分尺の映画も同じくらいに特別なものなんだって形で、この映画も90分にしてあるのは面白い部分だし、なんだったら映画は女優の素敵な1シーンがあるだけでも十分な価値なんだよっていう話はわかる。

 

私も別に映画は全てが完璧であらねばならないとは思って無くて、例えクソ映画みたいなものでも、この1シーンだけは見る価値がある!みたいなものがあればそれって結構な事だとは思う方ですけど、いわゆる映画秘宝的なジャンル映画こそが本当に俺達が楽しいものなんだよ、的なセンスも私はどこか違和感を覚えていて、アカデミー賞候補になるような映画も私は好きだし、ああいうのに、ケッ気取りやがってとかは全く思わない方。どっちもそれぞれの方向性があって面白いじゃん、っていう。

 

映画好きらしい、「映画あるある」部分は面白く見れたし、なんだったらあの銀行の役員の女性が足を組みかえる場面は「氷の微笑」ですよね?なんかそういう細かいネタも面白かった。

 

編集をアクションシーンみたいに見せてるとことかも、面白いセンスと画だったなと思ったし、決してつまんなかったとかの印象ではないし、むしろ面白かった方なのですが、なんか手放しに大絶賛とかはしにくい、妙なモヤモヤが残ってしまったというのが第一印象でした。

 

でも割り切って2回目見ると面白いと思います。

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スーパーマン

スーパーマン ディレクターズカット版 [Blu-ray]

SUPERMAN THE MOVIE

原題:SUPERMAN
監督:リチャード・ドナー
原作:DC COMICS
アメリカ映画 1978年
☆☆☆☆☆☆


何年ぶりに見ただろうか?
リチャード・ドナー監督の追悼として数年ぶりに見る。
私が持ってるのは2001年頃に出たメイキングと2とのセットのボックス版DVD。子供の頃にTV放送とかで見たかもしれませんが、ちゃんと記憶に残ってるのはアメコミにハマった後だと思われます。映画とかも色々と見てる中で、私はティム・バートン版「バットマン」とかより、スーパーマンの方に惹かれたなぁ。やっぱり、クリストファー・リーブがほれぼれするカッコよさで、タイムリープ物の名作「ある日どこかで」なんかもありつつ、その後の落馬事故で半身不随になった後もね、彼はそこからもヒーローであり続けた。

 

TVドラマの「ヤングスーパーマン(SMALLVILL)」に出たエピソードも観ましたし、私が最初に見た時にはまだリーブが亡くなる前だったと思う。

リーブの自伝「あなたは生きているだけで意味がある」も読みました。

あなたは生きているだけで意味がある

こっちの方も確か読んでるはず

車椅子のヒーロー―あの名俳優クリストファー・リーブが綴る「障害」との闘い


どんな状況にあってもユーモアを忘れないでほしいっていう彼のメッセージは実はとても影響を受けてます。ブログ書いてて、毎回では無いですが、たまに変なオチとかをつけたがるのは、多分彼の影響もあると思います。

 

半身不随、顔とかも麻痺が出て、見た目的にも、あのスーパーヒーローを演じた役者がこうなってしまったのかっていうショッキングな感じになってしまった。でもそこで彼は車椅子ギャグとかを言うんですよ。車椅子で来たからここに辿りつくまで何年もかかっちゃったよ、的な。そうするとね、場の重い空気が変わると。ああ、そう言うの触れていいんだ、みたいにね、見てる方がどういうスタンスで接すればいいんだ?みたいな迷いを払拭する為に、あえてそう言う事をする。ただの自虐とかじゃなく、意図としては相手の事を思ってやるわけです。素晴らしいなと思う。

 

このブログも今は累計2万PVとかぐらいですけど、誰も声をかけてくれないの。そんなに近付きにくいですか?私。いいのよもっとフラットに声かけてくれて。


で、お亡くなりになった後に、奥様が出された「スーパーマンへの手紙」っていう書籍もまた凄く良くてね。クリストファー・リーブへ送られたファンレター集みたいな感じなのですが、彼がいかに世の中の色々な人達に影響を与えたか、映画スーパーマンがいかに特別な作品であったかが見えてくる、こちらも名著。

スーパーマンへの手紙 (講談社シネマブックス)

とまあこの映画を語るときにはクリストファー・リーブ語りになってしまうのですが、今回はリチャード・ドナー追悼という事で、まずはこの作品が後世に与えた影響などを。

 

まずはアメコミヒーロー大作映画はこの作品がやはり元祖なので、その影響はとてつもなく大きい。DCのジャスティスリーグだけではありません。MCUだってこの映画がなければ今の隆盛は無いでしょう。

 

スーパーマンもそうですし、アメコミヒーローの映像化はこれ以前にもあった、けどもそれはあくまで子供番組でしかない。一つの映画として、大人の鑑賞にも堪え得るちゃんとした作品を作る。その嚆矢がこの作品。

 

何でもそうだけど、今は当たり前にあるものも、最初っていうのが必ずあるわけで、歴史の転換点っていうのは、実際に体験していなくても想像すると面白いものがありますね。今までこんなの見た事無い!ってものを見るわけですから。

 

勿論、そういうのは緩やかな系譜と言うか流れみたいなものもあって、「スターウォーズ」なんかもその前に似たような物が無かったわけではないけれど、SF映画というもの自体もその前くらいまでは、一部の嗜好家がいるマニアックなジャンルだったものを、一般層にまでその面白さを知らしめた、という感じでしょうし。

 

ついでに言えばスーパーマンもSWの翌年くらいなので、丁度SF映画に注目が集まって来始めた時期でもある。映画序盤の惑星クリプトンの描写なんかも、あそこに結構尺を割いてるのはそういう要素が当時としては新しくて売りにもなったからだろうと思う。

 

と、同時に、この映画2時間半弱と割と長尺です。この手のジャンルは90分でサクッと見れるくらいにしろとか後に散々言われるようになるけど、それはジャンルが定着してからの話であって、いやそうじゃない、これは超大作映画なんだって作ったわけですよね。

 

脚本を「ゴッドファーザー」のマリオ・プーゾ、ジョー=エル役にマーロン・ブランドを配置、音楽はジョン・ウィリアムズだ!とか大作らしい要素を大きく売り出しつつ、主役のスーパーマンには無名の新人俳優を起用という流れも、後のヒーロー映画に引き継がれていく要素。

 

脇を有名俳優で固めて、B級映画じゃないですよ、という体を作って、逆に主役は、あまりカラーが固まっていない人を使う事によって、スターの名前頼みでなく、そのヒーローをヒーローとして信じさせるという試みですよね。変な話、この構造にすると場合によってはヒーローよりも脇が目立ってしまって作品としては上手く行かないケースもありえますよね。そんな役をきちんとスーパーマンと言えばこの人って言うくらいのものを作り上げたクリストファー・リーブはやっぱり素晴らしいし、作る方も堂々とこれがスーパーマンなんだって信じ切って作り上げたのは、リチャード・ドナー監督の手腕という事なのでしょう。

 

ファン目線なので私は全然そうは感じませんでしたが、今見ると長くてテンポが悪いと感じる人も居るかもしれませんが、そこは逆に言えばポップコーンムービー的なものではなく、丁寧に一つ一つ積み上げていく作風とも言えますし、やっぱり面白いなと思うのは、超人VS超人とかにしなかった所です。

 

スーパーマンの宿敵と言えばレックス・ルーサー。これは原作ありきのものですが、超人に対して人間が頭脳で対抗するっていう構図がやはり面白い。原作だと後々はレックスもパワードスーツとか着こんでスーパーマンと殴り合いしたりもするけれど、それは本当に後からの話。レックス側、コメディー仕立てになってて、原作的にはそこどうなの?と思わなくもないけれど、この映画単体で見た時はとても良いと思う。

 

レックスが様々なトラブルを巻き起こす中で、そこと直接戦うのではなく、災害とか危険をスーパーマンが解決していくっていう構図になるのが最高に面白い。ジャンルで言えばディザースター要素とかパニック物とかの要素が映画に入ってる。勿論ロイスとのロマンス要素もありだ。

 

今見るとね、意外と単純じゃ無い複雑な映画だなと思うし、それをね、前例が無い中で、いかにスーパーマンという存在を魅力的に見せて行くかに注力して作ったんだなと思えて、メチャメチャに味わい深くて面白いです。まさに奇跡のような映画なんだなぁと、改めて感慨深く見れました。

 

私の中のイメージとか、その後に読んでいったスーパーマンの原作コミックなんかも含めて、スーパーマンの本質はカンザスシティの田舎町、スモールビルでケント夫妻に優しい少年として育てられたからこそスーパーマンは善人なんだっていう感じですが、この映画だとお父さんのジョナサンが割と早く亡くなってしまって、クリプトンの遺産として残してある記録の中のジョー=エルの方こそがスーパーマンの倫理観を作ったんだなぁと、意外な発見もありましたし、スーパーマンも決して完璧超人じゃなく、まだ若い部分もあれば、お茶目な部分もあるのが素晴らしい。

 

スーパーマンの初登場シークエンスもほんっっとうに素晴らしいし、個人的にはクラーク・ケントの部分の芝居が私はメチャメチャ好きだ。

 

本当に丁寧に考えて作られてあって、だからこそ最後の荒唐無稽な地球の自転を逆回転させて逆戻しする、というツッコミ所120%な部分も、理屈では無く感情で許せる、ああ大切な人を取り戻せて良かったねって思わせてくれて、心からワクワクさせてくれる本当に面白い作品だなぁと、改めて感じさせてくれました。

 

勿論、ノスタルジックな感情が入ってるのは否定しません。ファン目線で見てるのも否定はしません。映画のもっているワクワク感、見ている間はその世界に没頭できる幸福感、そして今も続くスーパーヒーロー物の系譜としての祖、そして何より、私が何でヒーローが好きなのかって言ったら、厳しい現実を生きる勇気を与えてくれるからですよ。現実はこんなに甘くは無い、辛い事悲しい事だらけですよ、真面目に生きてる人が損をするようなものこそが現実です。でも、それでも出来る限り真面目に、そしてなるべくなら誠実にとなんとか生きて行こうと思うのは、心の中に住むヒーローがちょっとだけの勇気をくれるからに他なりません。

 

映画「スーパーマン」最高じゃないですか。


クリストファー・リーブに、マーゴ・キダーに、そしてリチャード・ドナー
心からありがとう。


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映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン! 挿入歌シングル +α

映画「魔法つかいプリキュア! 」挿入歌シングル「キラメク誓い」

発売レーベル: Marvelous
2016年
☆☆☆☆

 

重なりあうメロディは、奇跡へみちびくハーモニー

 

映画まほプリついでに、こちらの映画用シングルと、ついでと言っては何ですが、このCDには入って無い映画用の他の2曲もちょこっと触れておこう。

 

ぐらいに思ってたら!
ちょっとビックリした。なんと5年目にして新しい発見をしたのでそこは後ほど。

 

01■ キラメク誓い
 歌:キュアミラクル(CV:高橋李依)、キュアマジカル(CV:堀江由衣)、キュアフェリーチェ(CV:早見沙織)、キュアモフルン(CV:齋藤彩夏
 作詞:青木久美子、作曲・編曲:高木洋

02■ ふたつのねがい (4:48)
 歌:朝日奈みらい(CV:高橋李依)、モフルン(CV:齋藤彩夏
 作詞・作曲:藤本記子(Nostalgic Orchestra)、編曲:福富雅之(Nostalgic Orchestra)

CDにはこの2曲と、それぞれのインストバージョンを収録。

 

「キラメク誓い」はクライマックスのアクションシーンで流れる、いわゆる燃える挿入歌系。私はプリキュアのヒーロー要素が一番好きな部分なので、ハピチャ映画の「勇気が生まれる場所」とかこれとかとても好き。映画用なので、当然メイン3人+キュアモフルンの4人ってのが強調されてる曲。

 

ジャケットのキュアモフルンが「ちょこっとおじゃましま~す」な感じでちょっと可愛い。

 

よく聴いてる曲ですが、いっつも「不覚にも瞳が潤む」のとこがすげー気になる。プリキュアが「不覚をとった」とか言わなくないですか?いや別にプリキュアらしくなくてダメな歌詞だとか言う程のもんでもないのですが、なんか「不覚」って達人が「くっ!不覚っ!」とかいう感じで使いそうなイメージなので、そうかまほプリは変身するとマスタークラスの達人になるのか、とかいっつも変な想像してます。

 

2曲目の「ふたつのねがい」はモフルンとの思い出がリフレインするしっとり系で、映画の後に、TVシリーズでも最終話前に挿入歌として使用されました。
多分、そこは最初から織り込み済みとかじゃなくて、映画を見たTVシリーズのディレクターなり演出の人が、映画で使ったあの曲こっちでも使いたいよね、ってなったんだろうなと思えて、映画はあくまで番外編とかじゃなく、まほプリの繋がった一つのお話ですよ、感が出て凄く良いです。

 


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そしてここからこのCDには入って無いですが、映画で使われた残りの2曲。

■ 鮮烈!キュアモフルン
 歌:五條真由美
 作詞:東堂いづみ 英訳詞:スワベック・コバレフスキ 作曲・編曲:高木洋

映画の感想の方でも触れましたが、最初はコーラス入りの変身曲だったものが、いつのまにやらラップになってたという(しかも全編英語歌詞とは)、作り手の遊び心が表れた1曲。歌詞は映画の監督の田中裕太氏だそうな。

 

こちらは映画サントラ

「映画魔法つかいプリキュア! 」オリジナルサウンドトラック

「映画 魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン! サウンドトラック」

に収録。私はサントラの方は全部買ってるわけではないのですが、この1曲の為に買ってしまった。

 


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そしてもう1曲

■ 正しい魔法の使い方
 歌:渡辺麻友
 作詞:秋元康 作曲:Akira Sunset 編曲:重永亮介

 

こちらが扱いとしては映画テーマ曲という事になっていて、本編中ではクマ軍団?の可愛いシーンの挿入歌として、そして最初に付くCG短編「キュアミラクルとモフルンの魔法レッスン!」の方ではED曲として流れる。

TVシリーズでも映画連動回ではゲスト出演の渡辺麻友と共にEDでも流れました。

 

いやこれね、渡辺麻友も映画のプロモーションで「私プリキュア大好きなんです」とか仕事で言わされてるんだか本音だかは知りませんけど、頑張ってくれてました。

 


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でもこの曲、1分半しかないんです。まあ秋元康だしな。オファー来たから仕事で受けたけど、ガキ向けのくだらないアニメなんてAKBの商売に還元されるとも思えないし、適当にやっつけ仕事でプリキュアのキーワードみたいなの並べとくか、みたいな感覚なんだろうなとずっと私は思ってました。なんかまゆゆも可哀相だなとか思いながら。

 

が!ゴメンなさい。映画公開された2016年から5年経った今初めて知りました!


この記事書こうと思って少し調べ物してたんです。

 

 


え?この曲フルサイズあったの!?

 「いま、正しい魔法の使い方のフルサイズって言いましたぁ!?」

 

今の今まで知らなかったよ。


映画の当時探したんですよ。サントラとか配信では1番しかないけど、これフルって無いのか?って散々探した。でも無いっぽいから、上記のような、どうせ秋元だし、宣伝の為のアイドルコラボだしな、って失礼な事を勝手に思ってました。

 

渡辺麻友さん、秋元康さん、変な偏見の眼差しで本当にゴメンなさい。


その後の2017年末に発売された渡辺麻友のソロアルバム『Best Regards!』にフルサイズが収録されてた様子です。

Best Regards!

 

 


iTunesですぐにポチらせてもらいました。

 

まあ正直、2番の歌詞はちょっと恋愛物っぽい歌詞に感じて、なんかプリキュアっぽくは無いかも、とは思ってしまいましたが、まあそれでもプリキュアの曲である事には間違いない。

つーか1年以上も先になったらプリキュアはもう次のシリーズだし、そんなの知らないよ!なんでそんなに引っ張ったんだ?とは思いますが、それを5年後に知る私でした。

 

いやこうやってブログ記事書かないでいたら気付かぬままもっと時間経ってたと思います。もしかして私と同じで知らない人も居るのでは?

 

とまあそんな感じで、次はドラマ&ボーカルアルバム「ドリーム☆アーチ」を取り上げようかと思います。

 

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プリキュア映画シングル

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ロキ (MCUその26)


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原題:LOKI
監督:ケイト・ヘロン
原作:MARVEL COMICS
アメリカ 配信ドラマ 2021年 全6話
☆☆☆

 

ディズニープラス配信MCUドラマ3作目。
今回はソーの弟、ロキのミニシリーズ(?)

 

普通にネタバレアリで書くので、その点はご注意を。
ドラマ前2作と比べると、正直微妙でしたが、色々な方向性があるのがMCUの面白さで、私個人としては「ファルコン&ウィンターソルジャー」がメチャメチャ良かったけど、じゃあそれと同じ事をやれとか言ったって仕方ない。毎回手を変え品を変えやってくるのがMCUの強みだし、例え今回のはそんなに面白くなかったなぁと思ったとしても、すぐに次が来るのもMCUの強み。

 

つーかディズニープラス配信の次が初のMCUアニメ作「ホワット・イフ」という事ですが、正直何でそんなものを?アニメはアニメで別にマーベルアニメ色々やってるしなぁとか思ってましたが、繋がってんのかよおい!っていう辺りがケヴィン・ファイギの抜け目の無さというか、凄い事考えてくるなと今回の「ロキ」のラストまで観終わって、ちょっとビックリしてしまいました。

 

そもそもの今回のロキ、ドラマ前2作と違って、ヒーローかと言えば微妙な所。勿論、かっこたるヴィランとして最初は登場、アベンジャーズ集結の切っ掛けにもなったわけですが、演じるトム・ヒドルストンのイケメンぶりや、悪役ながら情けない部分もあったりしつつ、ソーとの兄弟という単純な悪役とも違う部分で一躍人気キャラに。

 

しかもそのMCU人気も受けてか、原作の方でも「ロキ:エージェントオブアスガルド」とか、先日感想を書いた「マーベル:レガシー」でも、単純にライバル悪役とは一言では言い表せない特殊な立ち位置のキャラクターに。そんな複雑な背景もあれば、今回のドラマのストーリー的にも、「エンドゲーム」で起きた事象からの流れでありつつ、過去の「ソー」3作や「インフィニティウォー」を踏まえて立ち位置が変化してきたロキではなく、「アベンジャーズ」1作目の状態のロキがドラマでは描かれるという、複雑怪奇な状況です。

 

そんな、見てる方が混乱してしまうキャラクター背景の流れで描かれるのは、歴史改変のタイムサスペンス?「ワンダビジョン」や「ファルコン&ウィンターソルジャー」と違って、単純にエンドゲームのその後の物語とは言い切れない複雑さ。ある意味、トリックスターらしいロキにふさわしい物語とも言えますが、逆にそういう複雑さがあるからこそ、ドラマとしての軸は「ロキとは何か?」を改めて考えるようなドラマになってました。

 

女版ロキとしてロキと共にメインキャラになるシルヴィですが、見た目はレディ・ロキというより、原作に居るエンチャントレスっぽいなと最初は思ってました。シルヴィという名前も、私はそのエピソード読んで無いので詳しい事は知りませんが、エンチャントレス絡みの名前だそうです。

 

でも最後まで見ると、やっぱり彼女はエンチャントレスでは無かった。あくまでロキの変異体、ロキのバリエーションの一つ。彼女に愛が芽生えるという展開でしたが、彼女を別の人間、別のキャラクターと捉えるよりも、結局ロキは、自分自身しか愛せない。見た目は男女のカップルのように見えても、その本質はただの自己愛でしかなかった、と言うのは面白い部分でした。

 

個人的に一番の盛り上がりはロキバリエーションで、キッド・ロキとかクラシック・ロキ、ワニロキとかその辺が描かれた5話が最高に面白かったのですが、特にクラシック・ロキはその見せ場もそうですし、原作ファンとしてはおお~これこそロキの実写版、90年代とかにもしソーの映画作られてたら、多分こんなロキだったんだろうなと思えてそこはとても好きです。

 

そんな盛り上がりに対して、ちょっと醒めてしまった最終話。時間軸の話ですし、最終話の像以前に、タイムキーパー3人の像の時点で、確定ではないけど、ちょっと征服者カーンっぽいぞ、とは思ってたんです。「アントマン3」でカーンが出るという情報はもう出てましたので、このドラマから繋げるとかだったら嫌だな、今回はそれっぽいと思わせるだけで、直接のヴィランは違う奴ですよ、という感じでほしかった。

 

ツイッターでもつぶやいたのですが、「ブラックウィドウ」の消費のされ方がちょっと嫌だな、と思ったんです。MCUはシリーズ物ですし、だからこその面白さがあるというのは十分に承知してます。そこを楽しんでも居ます。でも作品をただ見て消費して、次の作品にこのキャラが出るぞ!みたいな情報だけを話題にしちゃうのって、凄く嫌なのです。

 

いや、次も楽しみだねって言うのは全然良い事だし、そこも面白味の一つですよ。巷でよく言われる「マーベル映画はエンドクレジット後も映像があるのが定番なので、それを見ないで席を立つ奴が信じられない」って意見、凄く多いじゃないですか。あれ、私は全く同意しないんですね。

 

私も必ず観ますよ(とゆーか映像があろうがなかろうかエンドクレジット終わって照明がつくまで私は席を立ちません)。そこも物凄く楽しみにはしてますよ。でもあれ、私はただのおまけだと思ってます。本当にその作品に絶対に必要な要素なら、その映像も本編に入れないはずがありません。見れば次の作品の期待値も膨らませてくれるけど、作品単体としては本編部分だけで完結してるから、余裕があったら見てね、ぐらいのものだと思ってます。

 

ニュースサイトとか、情報系のチャンネルは、当然新しい情報みたいな所に価値があるので、そう言う所をどんどん紹介するっていうのはわかるんですけど、なんかただ作品を消費してるだけな気がしてきて、凄く嫌。本編の事を9割、予告部分を1割くらいのバランスならまだいいですよ。

 

私は当ブログを見ていただければわかる通り、語る事に面白味を感じる人です。作品の掘り下げも十分にしないで、ただ作品を消費して、新しい情報を得る事だけに面白味を感じるってどうなの?勿論、そこは人それぞれなので、そんなのは間違ってる!とまでは言いませんが、私はそういうの嫌だなと思う。

 

ある意味、私もこうやって年間何百もの作品を消費して、それを晒してるとも言えますが、「ただ見るだけ」になるのが嫌で、こうして記録に残すなりその時に感じた事をアウトプットするなりしておこうかと思ってやってます。

 

で、そういう人なので、一つの作品には例え続き物であっても、一区切りとかちゃんとつけてほしいと思ってる人なので、投げっぱなしが凄く嫌。巷に溢れる海外ドラマの、シーズン最終話までクリフハンガーで終わるっての、私は物凄~~~~~く嫌です。私は映画好きなのって、2時間とかできっぱり終わるからっていう部分は多少なりともある。いくら話題になってても、あまり海外ドラマには手が伸びないのはそういう理由もあります。が、今回、

 

征服者カーンの話はアントマン3で!ロキの続きはシーズン2で!

 

は?

 

おいおいおいおい、私の嫌いな奴じゃんかこれ。
う~ん、後々続きが何作か作られて一区切りした後になら、シーズン1はこういう役割だったね、とか語れるかもしれませんが、露骨に投げっぱなしエンドにした今の時点では、あんまり評価したくないです。

 

おいおい、マルチバース生まれちゃったぞ、これが「ホワットイフ」に続くのか!凄い事やるなぁとは思うし、あまりモチベーションが持てなかった作品に俄然期待はわかせてくれましたが、ちょっと納得行かないモヤモヤの方が大きく印象としては残ってしまいました。

 

この作品単体で言えばね、神聖時間軸とか決められたものが、エンドゲームまでが全てはタイムキーパーの掌の上の出来事だったのか?と驚嘆(と同時に落胆も少しあるけど)もしはしますし、じゃあ一見「自由意思」ってやっぱりそれがあるべき姿だと思いつつも、じゃあそれがユニバース間のより大きな争いをおこさないための必要悪なのかという、一概にどちらが正しいとも言いきれない選択は面白いし、ヒーローではなかったロキが大局の為に動こうとし、心を通わせたもう一人の自分=シルヴィは、それでは自分の存在が否定してしまうからと、ロキとは違う選択を選び、その結果は・・・というのは大いに面白い部分ではありました。

 

ロキの変化、成長を描いた所は面白いし評価する。TVAのクラシックなビジュアルとかも好きです。


けど、結末を描かなかったのは評価しません。

シーズン1は新生ロキを描いた第1部でしかないからね、と将来言えるようになっていればきっと評価は変わると思うけども。

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マーベル:レガシー

マーベル:レガシー

MARVEL LEGACY / AVENGERS: FINAL HOST
著:ジェイソン・アーロン(ライター)
 イサド・リビック、スティーブ・マクニーブン、サラ・ビチェッリ
 エド・マクギネス、パコ・メディナ(アーティスト)
訳:ャスダ・シゲル
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2021年
収録:MARVEL LEGACY #1(2017)
 FREE COMIC BOOK DAY 2018 AVENGERS(2018)
 AVENGERS v8 #1-6(2018)
☆☆☆★


オーディン、アガモット、フェニックス…
アベンジャーズ
100万年前にも実在した!?
今、明かされるスーパーヒューマン誕生の謎!

 

という事で、ヴィレッジブックスの新刊。マーベルメインストーリーラインは一応ここまでって事になるのかな?つっても「シークレットエンパイア」の時はこれの告知はまだ出て無かったので、まだ契約済みの隠し玉はあるんでしょうか?告知ではグェンプールの次の奴が出てますし、「スーペリアスパイダーマン」残り2冊も発表済みですが、(通販限定なので予約しました)ユニバースのメインストーリーじゃないですしね。

 

今回は「シークレットエンパイア」後、キャップ、アイアンマン、ソーのBIG3が久々に集結。各々のストーリーはあったものの、アベンジャーズからは身を引いていた3人が再度新生アベンジャーズを結成。勿論、そこに至るには、より強大な敵が居るからで、今回は神よりも上位の存在である、宇宙の創造主たるセレスティアルズが地球に攻めてくるというお話。

 

その原因は、太古の昔にあった、という感じ。セレスティアルズは、サノスとか今度映画やる「エターナルズ」よりも上位の存在。つーかせっかく映画やるのに今回エターナルズ全滅させられてるし。

 

しっかし、かつてない最大の危機とか言ってるけど、マーベル世界はしょっちゅうそんな危機に見舞われてるしな。今回はどれほど?と感覚が麻痺してしまいます。多元宇宙まで巻き込んだインカージョン事件の時は、なんかこれホントに終末だって感じしましたが、今回のセレスティアルズはどうかな?まあ単純にバトルとかでは絶対勝てない感じはするけども。

 

で、その原因になったのが100万年前の話。正確にはアベンジャーズではないけれど、オーディン、フェニックス、初代ソーサラースプリームのアガモット、この時代のスターブランドとブラックパンサーとアイアンフィストとゴーストライダーがアッセンブルしていたと。話には聞いてたけど、なかなか面白いメンバーですね。

 

最近は、あのシュワちゃんの「コナン・ザ・グレート」で有名な蛮勇コナンもアベンジャーズ入りしたって聞いてたので、この話かなと思ってたら、今回は出て来ませんでした。この後の話?ちゃっかり小プロのマーベル邦訳第一弾で30年くらい前に1冊出てたので、それも合わせて読もうかと密かに計画してたのですが、それはまたいずれ。

 

ちなみに本のタイトルにもなってる「マーベル:レガシー」こちらは1冊のみのワンショットという奴で、後半に入ってるアベンジャーズ8期「ファイナルホスト」編のプロローグでもありつつ、ユニバース全体の新展開に向けた仕切り直し用のネタ振りにもなってて、「デス・オブ・ウルヴァリン」以来死んでたウルヴァリンの復活とか、すっかりメインストリームからは外れてしまってたファンタスティックフォーの今後の示唆なども含まれてます。あとデップーとかも。惑星サカーからの呼びかけとか、宇宙都市ワカンダとかもあったな。後半のアベンジャーズの話には絡んでこないのが少々残念ですが、色々なキャラが見れるという点ではお得かも。いやその先の話が読めないってのはモヤモヤするけども。(邦訳アメコミあるある話)

 

で、何でセレスティアルズがいきなり攻めてくるかというと、そこは読んでのお楽しみなわけですが、相変わらず一筋縄ではいかないロキの暗躍や、実は地球にスーパーヒューマンがやたらと多い理由付けにも繋がってくるなど、なかなかに凝った設定。地球のヒーローこそが、悪の支配に拮抗しえる希望だったのだ!的な部分はこじつけにせよ、面白い事を考えてくるなと感心してしまいます。

 

マーベルの大型イベントタイトルは割とストーリーを進めるだけに終始しがちで、ドラマとしてはあっさり目だったりしますが、今回はビッグ3の集結の他、影の主役みたいな感じで、4輪ゴーストライダーのロビー・レイエス君が結構頑張ってくれます。

 

ドラマの「エージェントオブシールド」にゴーストライダー出てたらしいし(見て無いです)この時期の押しキャラだったのかな?MCUには絡まなそうなのでこの後どういう扱いになるかは不明ですが。

 

色々と伏線も匂わせつつ、果たしてこの後の話は小プロが出してくれるのでしょうか。コロナ禍での不況みたいなのも重なって、邦訳アメコミは大分規模が縮小傾向だとか?私はいつも本屋で普通にアメコミ買ってるんですが。今年に入ってからヴィレッジの方は新刊入荷しなくなっちゃったんですよね。仕方なくAmazonでポチりましたが、せめて小プロには頑張ってほしいとこです。

 

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怒りのロードショー3

怒りのロードショー 3

IKARI NO ROADSHOW 3
著:マクレー
刊:KADOKAWA Enterbrain
2021年
☆☆☆☆

 

いや~青春って…本当にいいもんですね~

映画バカどもの青春 完結


ということで「怒りのロードショー」3巻が出ました。今回で完結なのね。
これ最初は何で知ったんだったかな?たまたまネットで話題になってたから?本屋で何気なく手に取って見た?マクガイヤーゼミで取り上げられてたからだっけ?数年前なのによく覚えていない。

 

でもハマったのはプリキュアネタがあったからです。確か同時期に「スーパーヒロインBOY」って、ヤンキーがプリキュアっぽいアニメにハマる漫画があって、同じくらいの時期に読んだ気がするのですが、そっちは未完のまま止まってるっぽい。

 

シェリフ、ごんぞう、まさみ、ヒデキら映画好き高校生がひたすら映画談議をしてダベってる、いわゆる映画ネタ漫画なんだけど、まさみがアニオタでプリキュアネタがちょこちょこ入る。とゆーか1話そのネタの話もある。しかも相当に濃い。(1巻に収録)

 

プリオタで映画オタでもある私はとても面白く読めました。2巻はガルパン回もあるし、今回はガンダム回もあって、基本的に私はまさみ君を中心に読んでました。

 

2巻まではね、正直、ストーリーらしいストーリーがあるわけでもないのですが、今回の3巻で完結という事で、結構面白い纏め方をしてきました。そこは特に期待もしてなかったし、今回で完結って知らなかったのでちょっとビックリ。

 

今回も基本的には毎話のテーマに沿ったあるあるネタで構成されてはいるんですけど、シェリフが将来の夢を見て、青春の終わりみたいなものを予見するんですね。いつか自分が大人になった時に、今みたいに映画に情熱を注いでるかな?みたいなミドルエイジクライシス的な?

 

この漫画の面白い所は、「映画大好きポンポさん」みたいにクリエイティブな所には行かない所で、(いや私来週ポンポさん観に行くので内容知らないんですが)「桐島部活やめるってよ」みたいに映画を作りたいとかじゃないんですよね。将来社会に出て、なんとなく普通に働いてるけど、あくまで観る側の視点。映画ファン目線は外さないで描いてる。

 

みんなのあこがれビデオショップのナカトミお姉さんとか、ライバル的存在の村山君はまたちょっと違うけど、じゃあ4人で映画作ろうぜ、とかにはならない。

 

これね、意外と重要な気がする。映画好きで、その業界を目指すって人も居るとは思うし、そういう人達こそが今後を支えて行くんだろうけど、多分それ以上の多くの人が、基本的には観るだけの立場だと思う。だからこそ、これは俺たちの漫画だ、みたいな気分にもなれますしね。

 

その視点があるからこそ、映画好き同士で繋がってるだけでダメなの?外の世界とかとも繋がらないといけないの?今は子供って映画見ないよね?子供達に映画を好きになってもらうって何だろう?映画ファンじゃなくても面白いって思える映画は?そもそも面白さって何?とか、映画ファンなら色々と語りたくなるテーマを忍ばせてくる。あと数カ月先だったらきっと「ファスト映画」とかにも触れてきたはず。

 

そういう各話で取り上げられる作品名とか元ネタが凄くツボを突いてきて面白い。

 

ただ一つ気になるというか不思議なのは、方向性としては「映画秘宝」系が好きそうな作品が多いんだけど、あんまり町山系とかライムスター宇多丸系とか、あとは添野さんとか松嵜さんとか、あるいは春日さんとかそういう映画評論家(いやその辺は私が好きな人達ってだけですが)の影がほぼ見えない気がする。


多分、自分が好きな映画を評論家とかにボロクソ言われると、ムキーっ!ってなっちゃう経験があって、その辺を村山君に重ねて描いてきたと思うんだけど、その村山君もずっと描いてきてる内に、彼の事も段々と愛着が湧いてきて、ただの憎たらしい悪役にしたくなくなっちゃったんだろうなぁとか思えて、その辺もまた面白いなと。

 

物語の登場人物って、当然作者の分身なわけですよ。メイン4人は当然そうだろうし、店長なんかもね、将来こうなりたいな、みたいな願望で、トトちゃんとかナカトミおねえさんは、こんな子が居てくれたらいいなっていうある種の欲望みたいな感じかな。

 

1巻2巻はそんな自分の箱庭世界で面白おかしく遊ぶっていう感じだったんだけど、じゃあいざそれを物語として畳むってなった時に、自己アイデンティティの再確認と自分の好きな物に対しての憂いとか不安、そして所信表明をする、みたいな終わり方で、ネタ漫画ではあるんだけれど、作者が背後に透けて見えると言うか、自伝的エッセイっぽい要素もあって、そこがとても予想外の面白さでした。


いや~、真面目に漫画と向き合ってる感じがしてとても良かった。

 

ミュータンツ 光と闇の能力者

ミュータンツ 光と闇の能力者 [DVD]

原題:Stray
監督:ジョー・シル
アメリカ映画 2019年
☆☆☆

 

<ストーリー>
日系アメリカ人が炭化した状態で発見された事件を担当することになった女性刑事。捜査をしていく上で亡くなった女性の一族が特殊な能力を継承することが判明。生き残った娘もまた能力を継承し、犯人である兄には恐るべき闇の力が継承されていた。
MIHOシネマさんより引用

 

アトロクでスクリプトドクターの三宅さんが劇場未公開おすすめ映画でとりあげていた作品です。

 

何年か前にも同じような企画やってて、その時に紹介された「ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」はあらすじとか設定が面白くって、わざわざ探して見たのですが、大傑作とまでは言わないものの、斬新なアイデアでなかなか面白かった。

 

で、今回もわざわざ探して見たのかと言うと、そんな事は無くて、たまたまです。レンタル店でタイトルを見て、X-MENシリーズの便乗タイトルかな?とか思って手にとってみたら、あれ?これこの前三宅さんが紹介してた奴じゃん、せっかくだから見ておこうとそのまま借りて来ました。

 

スーサイドスクワッドでカタナ役を演じてた福原かれんと日本人ロックミュージシャンのMIYAVIが超能力者の兄弟で出演。日本のパッケージビジュアルだと、派手な超能力バトル物っぽいですが、思いっきり地味です。決してSFアクション物とかではない。主人公の刑事が事件を探っていく内に、超能力を持ったノリコという少女と出会う、というサスペンスドラマっぽい感じで、テーマとしては人ならざる力を得てしまった者達の悲哀、みたいな方向。

 

X-MENっぽいタイトルとビジュアルはあながち間違ってはいなくて、多分、影響は受けてると思うんですよね。

 

昔さ~映画サークルに参加してた時、X-MEN3作目の「ファイナルディシジョン」を好きって言う人が居たんですね。どの辺りが好きなんですか?って聞いたら、超能力バトル面白いじゃん。何であれの評価低いのかわからないって言ってました。アメコミオタクな私は、内心おいおいって思ったのは思ったんですが、同時に、まあ一般層はそんなものか、とも思ったんです。

 

せっかくテーマとも直結するキュア(ミュータント能力を無くしてしまう薬品)とかの話があるのに、そこ途中でぶん投げてただ派手なバトルやってるだけじゃんか、X-MENは差別とか能力をどう受け入れるかとかそういうのがテーマでしょ?そういうドラマが一番面白い部分じゃん!・・・なんて言うのはまあオタクだけなのかもしれません。

 

ただね、この「ミュータンツ 光と闇の能力者」って作品は、パッケージビジュアルは無理矢理に前者の方に向けた作りに日本では作り変えて売ろうとしたけど、実際に映画の方でやってるのは後者の方の部分のみ、という感じの作品です。

 

いやさ、もっと単純に、例えばもし自分が超能力に目覚めたら?なんて妄想をしたりするじゃないですか。そこでね、じゃあそれを使って派手に金もうけにでも使ってやろう、と思う人も居れば、この力は世間には受け入れられない、人知れず闇に潜み、悲運な人生を生きていかなければならないのだ!的に思う人もいるんじゃないかと。

 

いや、凄い中二病っぽいですが、そういう悲劇のヒーローヒロインみたいなのにあこがれる人も居るわけです。多分この作品はそういうのに惹かれる人向けに本気で作ってある作品です。

親は俺を認めなかったんだ!だから俺はこの力で世界に自分を認めさせてやる!
とか中二なセリフ、言いたいじゃないですか。え?そんな事無い?

 

正直、凄い面白かったとかそんな感じでは無いのですが、ああ、なんかわかるわ~、この監督だか脚本家だかはこっち側の人間なのね、とちょっと嬉しくなってしまった。こういうのはこういうので全然アリだよね、世間は認めなくとも私が認めてあげよう、とかついつい思ってしまった作品でした。うん、でもまあ万人に受ける作品では無いな。

 

※脱線話
そういや昔「PUSH 光と闇の能力者」とかって似たようなタイトルの映画も見ました。そっちは割とまともに超能力バトルしてたような気がする。内容は憶えて無い。「ファンタスティックフォー」の後のクリス・エヴァンスが出てて、その後の「スコットピルグリム」とかもあったから、この手の映画はもういいやってなって、キャプテンアメリカ役のオファーは最初断ったとかいうのも今は良い思い出です。

 


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