僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

グウェンプール・ストライクス・バック!

グウェンプール・ストライクス・バック! (MARVEL)

GWENPOOL STRIKES BACK
著:レア・ウィリアムス、クリストファー・ヘイスティング(ライター)
 デビッド・バルデオン(アーティスト)
訳:石川裕人、御代しおり
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2021年
収録:GWENPOOL STRIKES BACK! #1-5(2019)
☆☆☆★

 

生き残りを懸けたグウェンプールの逆襲が始まる!
グウェンプール戦隊誕生!(全員ピンク)
なりふり構わなくなったグウェンプールはコワイ!

 

マーベルユニバースにやってきて、もう6年。自前のシリーズも終了し、ヨソのシリーズへの出演もボチボチなグウェンプールは、このままではイケナイと、大胆な生存戦略打って出る…てなワケで、まずは銀行強盗から!真の“スーパーヒーロー”を目指すグウェンプールが、マーベルユニバースに過去最大級の騒動を引き起こす!

 

という事で、映画じゃ無い久々のアメコミ原作。昨年の末に日本語版が出た新刊です。2019年に刊行されたミニシリーズのようです。

 

作中でもきっちりいじられますが、今回はグリヒルがアート担当じゃ無いのですが(表紙のみ)、他のシリーズに出てグリヒル以外の人が描いてたものと比べたら、今回のはまだ可愛いく見える方です。

 

というか、グウェンプールさん、いわゆる現実世界の出身で、マーベルユニバースがコミックの中の世界だと知っているキャラクターとして、メタネタを駆使してマーベル世界を生き抜いていくというキャラクター。

 

日本語版も全5巻で最初のシリーズ完訳済みですけど、ぶっちゃけ面白いのは最初の方だけで、基本的には出オチ的なキャラクターという印象もなきにしもあらずでした。ただそれでもメタ要素をメチャメチャに生かした他の作品ではまず読めないストーリーラインになっていて、こういうラストに持ってきたか!という感じで何だかんだ最初のシリーズは最後まで楽しめました。

 

個人シリーズが終わったその後、ゲストとして「チャンピオンズ」の方に出たり、「ウェストコーストアベンジャーズ」にチームのレギュラーキャラとして参加。が!まあ特殊な設定のキャラなので、ギャグ的な部分としては使われつつも、描く方も扱いが難しいキャラなんだなぁというのは、読んでるこっちまで伝わるくらいでした。そんなWCアベンジャーズもあまり人気が出ずに終了。

 

扱いにくいキャラのままフェードアウトしちゃったら、この後すぐにもう忘れられたキャラになってしまう!と今回のシリーズに繋がる感じです。

 

日本じゃ人気あるから!映画にもアニメにもゲームにも出てないけど日本ではフィギュアにまでなってるし!というのが可笑しいですよね。それもひとえにグリヒルさんのアートの可愛さだと思うけれど。

 

スパイダーマンにちょっかい出して、マスクをはぎ取っちゃうとか、相棒にデッドプールを雇ってF4の本部に侵入。リード・リチャーズに無理矢理キスを迫るとかやらかしつつ、「アベンジャーズアリーナ」に習ってか、アベンジャーズの主要キャラを集めて、バトルロワイヤルよろしく、皆さんにはこれから殺し合いをしてもらいます!とか始めてしまうという。

 

しかも「スイムスーツスペシャル」仕様ってのが笑えます。今はもう基本は無いのかな?私がアメコミを読み始めた90年代の「マーヴルクロス」でも紹介されてましたが、夏になるとヒーロー達の水着姿(男も女も)のピンナップ形式の特別増刊が出るとか書いてあって、へぇ~こういうのもあるのか、とか思ったものです。

 

何でそんなんをやってるかと言えば、そりゃあ当然売り上げを伸ばす為。コミックだって、結局は売れた奴が勝ちなんだよっていう真理をデッドプールもアドバイスしてくれます。

 

召喚されたチームが面白くって、
「マーベル代表チーム」
アイアンマン、キャプテンアメリカ(+バッキー)キャプテンマーベル、ソー、ブラックパンサー

「目の保養に創造されたけど、後になってもっとマシなキャラにしてもらえたチーム」
シーハルク、タイグラ、スパイダーウーマン、ブラックウィドウジェシカ・ジョーンズ、アトラス、ブラックキャット

「長年の読者には微妙な連中」
Ms.マーベル、ナディア・ピム、マイルス・モラレス、ムーンガール&デビル・ダイナソー、スクイレルガール

 

という面子が面白い。チャンピオンズ系の新世代ヒーローは若い読者には人気だけど、昔から読んでる古参のファンにはやっぱり少し受け入れがたいっていうの、本国のファンでもある感じなんでしょうかね。その辺は今後のMCUとかで上手く人気をこれから築き上げて行くっていうとこでしょうか。

 

いやでもさ、MCUのおかげで、アメコミスーパーヒーロー物に女性層を引き込んだっていうだけでも相当に大きいですよね。今は女性ヒーローが多すぎるくらいになってるのも、そこは大きく影響してるし、次のネクストヒーローは次世代っていうのも、そういう現実の影響を考えながらやっているわけで、伝統のBIG3に引けをとらないくらいの人気キャラに育てていかなきゃならない。そこは上手く行くのかなって古参ファンとしてもちょっとドキドキしながら見てたりします。まあそこにグウェンプールが入るとは思いにくいですが。

 

で、最後に残ったカマラちゃんがとことん優しい。誰からも頭のおかしいヤバい奴以上の扱いは受けないグウェンドリンに対して、カマラちゃんだけ真剣に向き合ってくれるんですよ。彼女もヒーローオタクでファンフィクを書くタイプの子ですから、あなたは実はミュータントなんじゃないの?これこれこういう設定ならつじつまが合うよね、ってグウェンプールの新しい設定を作ってくれる。

メタネタを軸に描かれるグウェンプールの物語に、こういう話を重ねてくるのは凄い考えてあって良かった。

 

そんなこんなでX-MENカテゴリーになったのかな?そこだと一応の恋人のキッドオメガも居ますしね。ここからの新設定で、今後上手く生かされる事があるなら、今後の映画とかに出れるチャンスもあるのかなぁ?サージ(芦田法子)とかアーマー(市来久子)とか、この手のキャラはあんまり生かし切れて無い印象もありますが・・・。

 

とりあえずの居場所を見つけた感じだとは思うので、今後X-MENの邦訳が出れば画面端くらいにちょろっと居たりするんでしょうか。いつかまた再会出来る事を願ってます。

 

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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(MCUその32)

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原題:SPIDER-MAN: NO WAY HOME
監督:ジョン・ワッツ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2021年
☆☆☆☆☆

 

遂に来た!MCU版スパイダーマン3作目「ノー・ウェイ・ホーム」です。
初日に見て来ました。今回は、マルチバースの扉が開いて、MCU以前の旧サム・ライミ版、マーク・ウェブ版アメイジングスパイダーマンヴィランが再登場という所までは予告で明かされてましたので、正月休みを利用して旧作5本を再鑑賞した上で臨みました。

 

いやはやこれが大正解。ぶっちゃけ、その辺はちょっとだけ出る程度かなと思ってました。予告だとガッツリ顔を見せてるのは旧2作目のDr.オクトパスのみで、あとはちょろっとそれっぽいシーンがあるくらい。旧5作のメインヴィランって、明確に顔出してるのってドックオクのみなんですよね。あとはマスクしてたり特殊メイクというかCGですし、声くらいは入れてくれるかもしれないけど、基本はCGでヴィランを大量に登場させるとか、そんなだろうとタカをくくってましたよ。だからこそそこをより楽しむ為に旧作は復習してから見ようかなと私は思ってたのです。

 

はい、もうここからネタバレです。
純粋に楽しみたい方は実際に作品をご覧になられてから読んでいただければ。

 

ってまあこんな書き方をしたらる程度察するだろって話ですが、まあ、時間がある方は是非旧5作を見た上で「ノー・ウェイ・ホーム」に挑んだ方が100倍楽しめますので、そこは是非。

 

の前に、スパイダーマン周りの状況を。
前作「ファー・フロム・ホーム」のラスト、ミステリオの策略により、スパイダーマンの正体が、ピーター・パーカーだと明かされてしまうという、え~っ!この後どうなっちゃうのぉ~っ!という、作品の余韻を吹き飛ばすくらいのまさにクリフハンガー状態で終わりました。

 

今回はそこから地続きです。スパイディの正体が明かされる展開、そこは原作でもあったりします。勿論、原作コミックとMCU版では、設定とかも全然違うし、共通する要素がある程度で、ベースストーリーとか言うまでではない。

 

原作で言う所の「スパイダーマン:ワン・モア・デイ」という悪名高いストーリーがあります(邦訳版も出てます)。
そちらの方のストーリーはというと、シビル・ウォーの時期に、トニー・スタークに誘われ、スパイダーマンは超人登録法の賛成派に参加します。政府の管轄下に入らなければならなくなるも、国がバックにつくことで、訓練や装備も保証してくれるし、何よりちゃんとした仕事としてお給料も出る。苦労人のピーターにとっては魅力的なんですよね。政府の公認ヒーローになれるって。スーパーヒーローの中でも古参で超有名人であるスパイダーマンが動けば、世論もヒーローコミュニティも賛成派に傾くとして、スパイダーマンは記者会見のマスコミの前で、堂々と正体を明かします。

そこでヴィランは動くわけです。今まで散々苦汁をなめさせられてきたスパイダーマンの正体がわかればこっちのものだと。そして本人ではなく、家族を狙えば、とメイ伯母さんが狙われ、凶弾に倒れてしまう。悲痛な叫びと共に、自分の考えが浅墓だったと気付き、キャップが率いる反対派に鞍替えするも、時すでに遅し。一度世間に知られた正体を今更隠す事は出来ない。しかし、人ならざる者ならば・・・と悪魔メフィストと契約してそれを無かった事にしてしまう、という話です。

 

非常にドラマチックではありますが、あれだけ盛り上げておいて、魔法で無かった事に、という反則・・・というか安易な設定に、コミックファンは大ブーイング。賛否巻き起こるというか、否の意見があまりにも多すぎました。

 

今回の映画もベースはそれに近いもので、予告を見る限り、悪魔との契約ではなく、Dr.ストレンジの魔法っぽい。ストレンジ先生、何でもありじゃーん!っていうのは今に始まった事では無いですが、原作であれだけ物議を醸し出した部分を、MCUではどうするのか?というのが見所ではありました。

 

というかストレンジ、5年消えてたし、アガモットの目=タイムストーンを失った事で、魔法界の最高権威、ソーサラースプリーム(至高の魔術師)の肩書は無くなっちゃってるんですね。っていうかお前が最高位なんかい!っていうのが面白かった。

 

とは言え、そんな最高権威の肩書を失ったのも上手い所で、ストレンジ先生、魔術をミスるという失敗もいたしかたないかな?という。ってかここのピーターは流石にわがまま言いすぎた。子供かよ!ってちょっとイラっとしてしまいました。いや実際まだ子供だし、そこも実は作品としては狙った意図と言うのが流石の脚本です。

 

そんなこんなでマルチバースの扉が開いてしまった。他の次元、他のユニバースでスパイダーマンと戦ったヴィランを呼び寄せてしまう。旧1作目のグリーンゴブリン、2作目のDr.オクトパス、3作目のサンドマン、そしてアメイジング1作目のリザード、2作目のエレクトロと、どうせちょっとだけでしょ?と思ったら、ガッツリ普通に出てくるじゃん。エレクトロ役のジェイミー・フォックスだけは、え?こんなイケメン風?前はキモオタだったじゃん!と、そこはちょっと気になりましたが、アルティメット版っぽい映画のビジュアルから、ちょっと雷エフェクトで元のダサコスチュームを再現してくれるというおまけもありました。

 

いやこんなガッツリ出してくれるんだ。ちょっとオクタビアス博士が話のわかるタイプなのは、元の性格が良かったっていうのもあれば、原作だと色々あって、スーペリア・アクトパスというヒーローに転身したりしてますので、その辺も加味してのもものなのかなと思います。

 

実は序盤に、ピーター陣営の弁護士として、ネットフリックス版デアデビルのマット・マードックが出てきたりで、思わず「わっ!」って声が出てしまったのですが、(劇場のかたスミマセン・・・)このヴィラン大集合も含めて、いや出し惜しみしねーなこれ、今回は凄い事をやってきたもんだなぁ。しかしここまできたら、まさかね、いやそんなまさかがあったりするんだろうか・・・とか思ってたら、はいキタこれ。

 

アンドリュー・ガーフィールド登場!


おいおいおいおい、じゃあ来るのか!?来るんだろうなこれ?

 

トビー・マグワイア登場!

 

ええええええええ~っ!
これ、実写版スパイダーバースじゃん!

 

やると決めたからには、小出しにちょこちょこなんて姑息な真似はしない。やれる事全部やるのがエンタメ最前線に居るマーベルの仕事なんだよ!とでも言わんばかりです。

 

いやぁ・・・感服致しました。
3人のスパイダーマンのやりとりが楽しい事楽しい事。
もうニヤニヤが止まりませんよ。

 

ネタバレでこれを知ってたとかじゃないんですよ。ホントに、どうせヴィランもちょっとした顔出し程度なんだろうなと私は本当に思ってたのです。そのちょっとをより楽しみたいと思ったから旧作マラソンをした上で臨んだんです。

 

いや良かった!見てから行けて本当に良かったよ。日本公開だけ遅れて、本国では昨年末に公開されてたので、もし同時公開だったら私は復習間に合わずに普通に見てました。遅れたのは悔しかったけど、個人的にはタイミングバッチリという奇跡。

 

もう歴代スパイダーマンの共演だけで夢心地です。今回は単品作品というより、「エンドゲーム」的なスペシャルイシューっていう感じです。

 

私がMCUで好きな部分って、現代性とか社会性とか、そういうテーマを作品に落とし込んでくる所なんですよね。そう言う面では今回はそこ弱いかなとも思ったのですが、見てる間はそんなの余裕で吹っ飛びましたし、後から考えると、「セカンドチャンス」的な所を現代的なテーマにしてあったのかなとも感じます。

 

トムホピーター、ヴィランを救おうとするんですよね。私はストレンジ先生の、いや彼らはそういう運命だからって方につい肩入れしてしまって、ピーターききわけのない子だな、・・・と同時に、でもいい子だなぁと思いました。

 

でも彼は子供だから、それでいいんですよね。諦めちゃいけない。それは仕方の無い事なんだ、っていうのはいかにも大人の理屈じゃないですか。

 

ライミ版、ウェブ版、過去のスパイダーマン作品もね、一応は完結っぽい流れにはなってるものの、どちらもその先の構想もあったけど、結果終わった、っていうシリーズですよね。もっと見たかったし、作る予定もしてはいたけど、色々と上手く行かなくて、結果として打ち止め、次のシリーズへ、っていう形になったものでした。

 

作り手や演者がどう思ってるのかは知りません。名実共に映画界のトップに君臨したMCUを見て、悔しい思いも、もしかしたらあったかもしれません。でも、こうして、過去のスパイダーマンだってその世界では本物のスパイダーマンで、まぎれもない本物のピーター・パーカーなんだって、こうして最高のリスペクトを見せてくれた。

 

今回はMCU版3作目にして、トビー版4作目にして、アメイジング3作目でもあったんじゃないでしょうか。実はMCU版トリロジーに留まらず、映画スパイダーマンシリーズとしてのトリロジーでもあったのだと。

 

いやトンデモない事をやってくれました。

 

これね、アニメ版「スパイダーバース」もあったし、DCの方でも過去作でスーパーマンなりバットマンを演じた俳優が、それも一つのユニバースとして再登場させたりはしてるわけですよ。決してこんかいの映画が最初では無い。でもそれが当たり前になってしまう、まだ驚きがある旬の内にこっちでもそこを本当に特別感満載でやってしまえ!今やらなくてどうすんのよ!っていうのが痛快でした。

 

「魔法で現実を変えちゃうなんてご都合主義すぎない?」なんて意見を雲の彼方まで吹っ飛ばしてしまうような超スペシャル感で黙らせてしまうという力技。

いや、もうこれくらいの事をやってくれたんだから何も言うまい、と思わせてくれるんだから大したものです。

 

しかもその上でね、あのラストですよ。ご都合居主義のハッピーエンドを誰もが求めてる中で、いや、自分のわがままを押し通す事だけが本当の幸せなのか?と、ピーターはちょっとだけ大人になる。

 

ピーターの子供っぽさは、そんな大人になるピーターへの布石だったって事ですよね。何かを犠牲にしてでも、大切な誰かを守る、それがヒーローなんだって悪く言えばただはしゃいでいた子供が、真のヒーローへの一歩を踏み出した。

 

ピーター・パーカーを本当に理解出来るのは、ピーター・パーカーのみ。けれど君は、決して一人じゃ無い。というのはアニメ版スパイダーバースでもやってたけど、なんか今回で改めてMCU版スパイダーマンも、そんな真のスパイダーマンの一人になれたというかね。

 

それを後押ししてくれるのが先代映画版の二人というのがまた。トビー・マグワイアは復讐しても何も変わらないって、ゴブリンをグライダーで刺し殺そうとするトム・ホランドを止めてくれるし、アンドリュー・ガーフィールドは、自分の世界では救えなかったガールフレンドの悲劇をこっちの世界のピーターの為に助ける。それは自分のためじゃない、自分では無く誰かの為に戦うのがスパイダーマンであり、それがヒーローなんだって言うのを体現してくれたのだと思う。

 

そんなちょっとだけ先輩のピーター・パーカー達の助力を得て、自分の都合や感情、ワガママを優先するのは本当に正しいのか?彼女や親友に自分の正体を明かしたら、また同じ悲劇を繰り返すだけなんじゃないか?と、最後は踏みとどまる。

 

いやね、ライミ版でも、そんな孤独なスパイダーマンにも救いが必要なのよ、っていうのがあったんだけど、それに気付いてくれる人も、いずれは現れるだろうと信じたい。世界中からその存在を忘れられたピーター・パーカーだけど、メタ的な所で言えば、我々観客はそんなピーターを知ってるわけじゃないですか。それが「あなたの親愛なる隣人」スパイダーマンなんだって。

 

いやぁ、一応今回で3部作の締めとはされているけれど、まだ確定では無いものの、次の3部作の話し合いはソニーともう始めているってマーベルスタジオトップのケヴィン・ファイギはコメント出してるんですよね。それはスパイダーマンはもうここで終わったって子供達に思わせてはいけないからっていう理由だそうで、トム・ホランド本人も、30歳過ぎてもピーター・パーカーを演じるのは違う気がするので、それならマイルス・モラレスに引き継ぐべきだと思うって言うような事を言ってました。


いや原作だと普通に社会人として今でも続いてるし、別に引退はしておらず、マイルス君と二人のスパイダーマンが居る感じなので、ここはやっぱり一からの出直しで再出発を図る次の3部作を作ってもらって、その新3部作の最後に新たにマイルス・モラレス版スパイダーマンが誕生する、っていうのを期待しちゃいますよね。

 

ヴィランにだってセカンドチャンスがあってしかるべきというのを描いたのなら、スパイダーマンにも同じようにそれがあるはずというのは当然の話ですから。

 

「インフィニティ・ウォー」と「エンドゲーム」って一本の映画としてはだいぶ特殊な形だったと思うんですけど、今回の「ノー・ウェイ・ホーム」もそれに近い作品かなと。スパイダーマンという歴史の特殊さをも作品に組み込むという離れ業をやってのけたのにはもう脱帽するしかないです。

 

MCU版3部作を手掛けた監督のジョン・ワッツって次はMCU版「ファンタスティック・フォー」の監督をする事がもう発表されてます。
「F4」もね、映画ファン的には色々ともにょる作品なので、大丈夫か?って心配する人も多いと思うんですけど、アメコミの歴史としてはスパイダーマンと共に、マーベルの原点とも言える作品なんですよね。果たしてそれをどう料理してくるのか見物です。

 

とりあえず、今はマーベルファンとして、映画ファンとして、今回の作品に対してはありがとうの言葉しか見つかりません。

 


次回作は「ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス」かな。ここでまさかのサム・ライミ監督ですよ。今回の流れを受けて、ますます感慨深く見れそうです。

 

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アメイジング・スパイダーマン2

アメイジング・スパイダーマン2

原題:THE AMAZING SPIDER-MAN 2
監督:マーク・ウェブ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2014年
☆☆☆☆

 

というわけでスパイダーマンラソンのラスト、マーク・ウェブ版「アメイジングスパイダーマン」の2です。
あ、今回は「ノー・ウェイ・ホーム」の為の復習なので、「スパイダーバース」はパス。そっちはそっちで今年に「スパイダーバース2」があるのでその時に。なんでも前後編になるとか?

 

なんか久し振りに見たのもあってか、ラスト以外はあんまり覚えて無かった。劇場で見て以来の2回目っぽい。他のは劇場で見た後にソフト買って最低2度以上は見てるはずだけど、こっちもソフトは買ったものの多分家で2回目は見て無かった。

 

エレクトロがヴィランなのは憶えてましたけど、え?今回ハリー出るんだっけ?次回への布石のまま終わっちゃったんだっけかな?これ?と思ったら、いやいやちゃんと今回でゴブリン化してるし、なんならグウェンの顛末も、ぇぇぇぇええ~っ!でした。

 

一応ネタバレですって言っておきますが、リアルタイムで続いてる作品じゃないし、そもそも原作的にはスパイダーマンというか、マーベルユニバースの歴史を代表するようなエピソードですので、今更な話ではある。

 

そうか、サム・ライミ版の1とごっちゃになってたな、私。グウェン・ステーシーの死って、クラシックスパイダーマン史における最重要エピソードなんですよね。マーベルユニバースの歴史を一人の写真家の視点で俯瞰する名著「マーベルズ(旧版は「マーヴルズ」)」でも取り上げられてたエピソードですし、オリジナルも「ステイシーの悲劇」という邦訳本で読む事が出来ます。(更に言えば大昔の光文社版もそこのエピソードが邦訳されてました)

 

ゴブリンにマンハッタンの橋の上から突き落とされて、スパイダーマンのウェブはかろうじて間に合うんですけど、それでもグウェンは絶命してしまった、っていう今回の映画の元ネタです。ライミ版の1もそのビジュアルを再現してたんですけど、そっちはMJで、命は救えたんですよね。だからあれは、原作でのグウェンは救えなかったけど、映画と言う形で、今度は救われるエピソードにアレンジしたっていう作りになってたわけです。原作ファンは、今度は救えたんだって涙するっていうシーンでした。

 

それが頭にあったから、私は今回のグウェンも間に合うとばかり。原作では救えなかったけど、映画では救ってくれるんだ!っていう感覚だったので、え?嘘だろ?マジか!?ってなっちゃった。2回目のくせに。

 

いやオタクってMJみたいなタイプより、絶対グウェンの方が好きじゃないですか。原作刊行されてた時もそうだったらしくて、みんなそこで衝撃を受けたっていう。スタン・リー本人も話を盛る人なので、信憑性は疑問視されたりもしてますけど、スタンが出張だか何かで当時のスパイダーマン誌のストーリーを一時他の人にまかせてた時期で、あれは自分の指示で描かせた話じゃなくて、離れてる時期に勝手に話を書かれたみたいな事を言って、それはそれで賛否があったとか。

 

ベンおじさんの死、ステイシー警部の死、そしてグウェンの死と、陽のヒーローでありながら、常にそういう悲劇をスパイダーマンは背負ってるわけです。そういう所もスパイダーマンが頭一つ抜けた人気を背負ってる部分でもあったりするので、そこをあえて描いたのでしょう。

 

マーク・ウェブ版も当時はもう次の作品も制作は予定されてたはずで、そこからグウェンとの出会いを描く予定だったんでしょうか。(原作では学生時代にどちらも出てるので、普通にMJとグウェンは互いに顔合わせたりしてるんですけど)


ウェブ版もヒットはしたものの、ソニーが期待する程の成功はおさめられなかった、という事で次がキャンセルされてしまい、そこからケヴィン・ファイギに相談した所、権利はそっち持ちでいいから制作はウチにまかせてくれって事でMCUに合流する形になったわけですけども、これはこれで面白かったし、それでいて2部作として意外と完結してるなという印象も、今見返すとありました。

 

って、グウェンの話ばっかしちゃったけど、今回のメインヴィランはあくまでエレクトロ。アース616のちょっと恥ずかしいコスチュームの方じゃ無く、アルティメット版がベースに描かれてるので、私は当時あんまり「アルティメット・スパイダーマン」が好きでは無かったので、そこで不満持っちゃったかな?という気もしますが、単純に映画単体で見ると、なかなかインパクトもあって今思えば良かったんじゃないかと。

 

なんかこれ強すぎなんじゃ?っていうのと、電気の精みたいになったエレクトロにスパイダーマンが対等に戦えてるのはちょっとご都合主義っぽいかも?という感は今回もちょっとありました。ただ、アクションシーンは抜群にカッコ良くなってて、おしゃべり具合が更に磨きがかかったし、そこは2本目という事で、作る方も手慣れてきた感があって、メチャメチャ面白かった。

 

ラストのみですが、ライノのシーンもあの序盤で助けた眼鏡の子供がね、自分がスパイダーマンの変わりなんだって経ちあがる所は最高にグッと来る場面でした。ライミ版3みたいに「3人のヴィラン」っていうより、ライノはあくまでおまけですしね。

 

シニスターシックスとか、フェリシア・ハーディとか、次回作以降への布石が今となっては幻になってしまいましたが、2部作として今見ても、思ったほどは悪くないな、という印象。
MCU版も最高に面白いけど、そこでも足りないものはあるし、ライミ版、ウェブ版、どれもそれぞれの作品に魅力はあるなと改めて感じさせてくれました。いやどれも面白かった。

 

と、盛り上がった所で「ノー・ウェイ・ホーム」に挑みます。

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アメイジング・スパイダーマン

アメイジング・スパイダーマン PPL-80246 [DVD]

原題:THE AMAZING SPIDER-MAN
監督:マーク・ウェブ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2012年
☆☆☆★

 

サム・ライミ版に続くマーク・ウェブ版2部作。ストーリーは続きでは無く、リブートという扱いで、再び高校生時代に戻り、オリジンストーリーから語り直し。

 

ヒロインをMJからグウェンに変更してある辺りは新しさを狙ったんだろうけど、ライミ版でも3にステイシー親子が出てたので、そこはちょっと混乱する部分かも(役者は違いますけどね)前回の時にも書きましたが、原作ではファンが忘れられない重要な役回りとストーリーなので、その面ではクラシックな要素とも言えるんだけど、全体的には今風にアップデートしたリブートという印象。

 

今回のピーターも決してジョックス層では無いんだけど、あんまりナード感は無いのが微妙な所。MCU版でもそうだけど、そこが弱いと一般層に向けた感じがするんだけど、やっぱり原作の根っこにあった部分なので、そうじゃなくなるのはオタクとしてはちょっと寂しくもある。

 

スパイダーマンと言えばスーパーヒーロー物でありつつ、青春とか恋愛要素も大きいのが人気の秘訣とも言われがちですので、そこを見込んでの「(500)日のサマー」のマーク・ウェブの監督起用。

 

あと、日本でも他のヒーロー物よりスパイダーマンが頭一つ抜けてるのは知名度もあるけど、少年が主人公っていうのも大きいですよね。大人になっても少年漫画が人気だし、成人した大人が主人公のものはあまり受けないのは日本独特の風土だってよく言われてます。個人的にも、良い歳したおっさんになると、少年とかには感情移入しずらくなるなぁと思いつつも、別に嫌いかと言うとそんな事もないし、普通にそれはそれでと思って読んじゃったりしますしね。

 

ライミ版で、「これは呪いだ」とか辛気臭い顔してたのに対して、そうだそれがヒーローなんだ!ってグッと感情移入してたのも、ある種そういう悲劇のヒーローに酔いしれてた部分が無きにしも非ずなので、リア充だろうと別にそれが間違ってるわけじゃないですし。今回のラストもね、ああやっぱり悲劇なんだと思わせてからの!みたいな終わり方で、そこはやっぱりライミ版とは違う落とし所でした。

 

あとライミ版に無い所と言えば、ピーターの両親。私も直接そのストーリーは読んだ事無いけど、確か原作でも何かのエージェントとかの設定になってたはず。

 

CGのクオリティも2012年ですから、ライミ版のややクラシックな感じに見える画面と違って、すごく今日的。ウェブスイングのシーンが多めなのが良いですよね。やっぱりそこはスパイダーマンでしか見れないアクションシークエンスなので、多すぎ長すぎかな?って思えるくらいで私は良いと思う。


ウェブスイングの何が良いって、画面もそうなんですけど、あれの気持ちよさって緩急がつく所だと思うんですよ。下降してスピードがつく所と、上に達した時のふわっという浮遊感。そこで角度を変えたりもするし、気持ちが乗りつつ、次はどうなる?っていうのが細かく入るのがウェブスイングの面白さだと私は思うんですよね。そこがあるスパイダーマンはやっぱり楽しい。

 

それでいて今回ね、終盤、市民がクレーンでスパイディに協力してくれるという、まさしくニューヨーク市民、あなたの親愛なる隣人的な要素がちゃんとあるっていうのは素晴らしかったと思います。思わず、ゴースパイディゴー!って言いたくなっちゃいますもの。

 

逆にヴィランリザードの描き方は普通すぎたかも。悪くは無いけど、そんな印象に残るヴィランにはならなかったのはちょっと残念なポイント。ピーターの良き理解者が、みたいな所はもう少し強調しても良かったかなって気はします。

 

2012年だからMCUはまだ始まった初期の頃ですよね。初期の頃はMCUもそんな飛びぬけた印象は無かったものの、あっちはユニバースが繋がっているというワクワク感があった。「アメイジングスパイダーマン」決して悪くは無いし楽しいんだけど、なんかやっぱり普通な印象も。見る方ももう慣れちゃってるっていうのは、ある意味怖いですよね。

 

という所で次に続く。

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ガールズ&パンツァー オリジナル・ドラマCD あんこうチーム訪問します!

TVアニメ『ガールズ&パンツァー』ドラマCD3 あんこうチーム訪問します!

GIRLS und PANZER DRAMA CD
脚本:鈴木貴昭
発売:ランティス
2014年
☆☆

いままでの対戦校へ親善訪問に向かうあんこうチームの5人だったが?
ドラマCD『あんこうチーム訪問します!』と
OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』の
オリジナル・サウンドトラックCDの豪華2枚組です!

 

ガルパンドラマCD3枚目。サントラとの2枚組って事で、OVAの後に出た奴かな。
作中の時系列としてはTVシリーズ終了後、劇場版前の話。

 

あんこうチームの5人がそれぞれ別に対戦したチームに訪問し
交友を深める、という話。
華さんが聖グロリアーナ(イギリスチーム)
優花里がサンダース(アメリカチーム)
沙織がアンツィオ(イタリアチーム)
麻子がプラウダ(ロシアチーム)
みほが黒森峰(ドイツチーム)担当。

 

基本的にはガルパンで結構ある、うんちく話とミリタリーネタみたいなのを軸にした会話劇なので、個人的にはう~ん・・・結構微妙でした。私はミリタリー要素を完全無視してガルパンを楽しんでるので、そっち方向に振られると楽しみにくい。

 

華はゆっくりお茶を楽しむ感じでグロリアーナと波長は合いそうだし、優花里殿はどこに行っても楽しそうだし、大雑把なサンダースとは合う。

 

沙織は例によって恋話なんだけど、イタリアは微妙な所。イタリアの男性だと誰でも隙あらば女性を口説くみたいなイメージはあるけど、イタリア女性ってどうなんでしょう?アンツィオはその恋話に感銘を受けるっていう感じでした。

ああ、でも面白いのはガルパンの世界って、戦車道=女性の競技っていう設定になってるらしくて、男は戦車に興味が薄いっていう世界観になってる様子。

いや何かちょっと泣けて来ますわ。現実は全く逆で、ガルパンは女性ファンが物凄く少ないとかいう話ですよね。ミリタリー知らなくても面白いし、女の子可愛いってだけのアニメでも無いんですけど。

 

麻子は当然やる気無しな感じでプラウダに行くわけですが、これもガルパンあるあるだった、世界各国がモチーフになってる各チームだけど、実はあれ日本を本拠地した高校なんでしたっけ?プラウダは実際はロシアじゃ無くて、青森が拠点らしい。カチューシャとノンナ以外は田舎訛りのズーズー弁で話してるのがちょっと東北人として親近感湧いてしまった。

 

そして最後は黒森峰。ここは流石に因縁の相手と言うか、姉が居て西住殿が元居た所ですしね。それぞれ二人との関係性もあって、そこはまあ面白かった部分。

 

という感じで、今回は敵チームにフォーカスを当てた1枚という感じだったかな。
サントラの方は聴いてません。そっちはTVシリーズ+OVAをいつか見返した時にでも。

 

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スパイダーマン3

スパイダーマンTM3 [DVD]

原題:SPIDER-MAN 3
監督:サム・ライミ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2007年
☆☆☆

 

サム・ライミスパイダーマン3作目にして最終章。
というか結果的にそうなっただけで、4作目5作目も制作予定があったものの、ライミとソニーの意見が合わずに降板。結局はリブートとして次の「アメイジングスパイダーマン」が作られる事になった、という感じだったはず。

 

つーか3作目の時点でヴェノムを無理矢理ねじこんだのもソニーで、サム・ライミとしてはヴェノムに思い入れが無いから出したくないっていう話だったかな。

 

ライミが偏愛してるのは自分が子供の頃に読んでたクラシックなスパイダーマンであって、スパイダーマン史においては90年代の割と新し目のキャラであるヴェノムには思い入れが無いのは当然。ただソニーとしては今の超人気キャラであるヴェノムはスパイダーマンには欠かせない要素。この辺は難しいとこですよね。お金出す側は今の映画に人気キャラ出さないってのはどうなの?その後スピンオフも作れるじゃん!って話ですからね。

 

そこで折半的な感じで、スパイダーマンのダークサイドな部分としてヴェノム化を描く事にするっていう上手い落とし所を模索したと。

 

だからライミ的には3のメインヴィランってやっぱりサンドマンなんだけど、ヴェノムにも尺を取られるし、前回の続きでハリーの話も放置しておけないという、今まで散々言われてるように画面的には3人のヴィランが出て豪華なんだけど、どの要素も深堀しきれてない感じですよね。

 

あとはこれはライミの方からなのかな~、ジョージ・ステイシー警部とその娘のグウェン・ステイシーまで出してくるという、いやそれ大丈夫?纏め切れるの?とこっちが心配になる要素まで。

 

特にグウェンなんて、スパイダーマン史における歴史に名を残す超重要なキャラですから、初期のストーリーでなく、今更グウェンを絡めてくるのか?っていうのはやっぱり疑問の残る所。グウェン好きだったからどうしても映画に出したかったんだよぅ、って言うのかもしれませんが、結局これ単発だと何の為に出てきたのかようわからんキャラでした。


今の別アースで復活してゴーストスパイダーになって、すっかり今の人気キャラの仲間入りしたりしてるグウェンの事とかライミはどう思ってるんでしょうね?MCUに出る事は無いと思うけど。

 

逆にMJがあっちにひっついたり、こっちにひっついたりと、見る人にとっては多分あんまりヒロインとして魅力無かったりしますよね。MJ役のキルスティン・ダンストもちょっと可哀相だなぁとか思うもの。

 

じゃあ思い入れのあるサンドマンはどうなのかって言っても、実はベンおじさんを殺したのはこいつでした。しかも色々と事情があったのでした、っていうのも無理矢理な後付け感は否めず。

 

「赦し」がテーマなのは面白いと思うし、ヒーロー物として描き甲斐のある部分だとは思うんだけど、そこもね、決して上手く描き切れてはいないかなっていう。

 

3作品で積み重ねてきたドラマってやっぱりあるわけですよ。ライミ版3部作ってピーター、MJ、そしてハリーのドラマですよね。ピーターとハリーが最後は手を取り合うっていうのは盛り上がるとこだし、そこに「赦し」を重ねるのは面白い部分なんですけど、エディとかねつ造写真を作ったのを暴かれて復讐するってどうかと思うし、最後は爆死という雑さ。(コナーズ博士のとこにヴェノムの一部は残ってるのでどう考えてもヴェノムだけは復活できるんですよね)サンドマンも、ベンおんじさんの話は良かったけど、そのまま姿をくらましてフェードアウトって、う~んそれ良いのかと。

 

一応、ピーターとMJは仲直り出来ましたってとこまでは描かれるけど、結局指輪は渡せないままだし、ライミとしてはその後の構想とか絶対にあったはずなんですよね。それが実現できずに、ここで終了。なまじ1と2が良かっただけに、3はなぁ、って言われるのは仕方ないかも。

 

決してつまんないわけじゃなかったし、別に興行収入も悪くは無かったけど、やはり「3部作の締め」と言うには微妙なのは否めない感じ。

 

でもさ~、要は連続ドラマ的な要素が色濃く出てるわけだけど、そこってやっぱり後のMCUにも繋がる部分だと思うんですよね。原作アメコミって、毎月どんどん新しいヴィランが出てきたりしつつも、少しづつ話も進んで行って、っていうのを歴史としてやってきたわけじゃないですか。

私は繰り返し言ってるように、MCUってコミックの面白さを映画媒体で再現する事をやってるんだよって所だと思うんですよ。そこ考えるとね、サム・ライミ版も自然とそれに近い感じを目指してたんだろうな、とか思えて、今見てもまた違う視点で面白いなと改めて思ったしだい。

 

といった所で次は「アメイジングスパイダーマン」です。

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岸辺露伴は動かない 2期(4~6話)

 演出:渡辺一貴 脚本:小林靖子
原作:荒木飛呂彦
日本 TVドラマ 2021年 全3話(4~6話)
☆☆☆

 

2020年の年末に全3話で放送された、NHKドラマ版「岸辺露伴は動かない」。好評だったようで、丁度1年後の2021年末に今回も3エピソードの新作が放送されました。

今回は
4話「ザ・ラン」
5話「背中の正面」
6話「六壁坂」
の3エピソード。OVAにもなった4話と6話はともかく、注目は5話。なんと本編「ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない」から抜粋と言う面白い試みでした。

 

1期目の時も一応、各話の繋がりはあった感じでしたが、2期目の今回は6話目に繋がるよう、全部関連したエピソードにアレンジ。そしてこれまた前回もそうでしたけど、担当編集者の泉京香が露伴先生の相棒的なポジションとして、原作で出て無い話でも登場する形に。

 

背中の正面、康一君どうするのかな~と思ったら、そこを泉君に当てるというのはなかなか面白いアレンジでした。勿論スタンドは持ってないけど。

 

なんか露伴先生の喋り方が、ますます芝居ががってる感じがして、ぶっちゃけドラマとしてはちょっと変かなぁとも思うのですが、まあちょっと奇妙なのも荒木テイストだと思えばそこまで気になる程でも無いか。

 

露伴役の高橋一生がインタビュー記事で言ってたんですけど、ジョジョは6部から2周目の世界に突入した。元とは似て事なる世界なので、実はドラマもそんな2周目の露伴という感覚で、元と全く同じで無くても良い、同じ人をベースとしながらちょっと違う存在として演じてるので、そこはとても気が楽だし、自分なりに演じられるって言ってて、そこは妙に納得しました。

 

靖子にゃんも似たような事を言ってたっけかな?なんかそれ考えるとちょっと楽しいですよね。同じような話だけど、ちょっと違う物として自由にアレンジして書けるっていう。

 

そこ、実はアメコミ映画なんかもそうなんですよ。勿論後付けですが、例えば原作の基準世界がアース616という設定になってて、MCUが確かアース19999とかいう設定に原作上はなってる。設定繋がって無い映画も、それぞれ別アースの設定がつけられてます。多少元とは違っても、あるいは全然別物になってても、そこはそのアースの世界だから、その世界においては本物だよ、っていう感じにしてあるんですよね。確かにそういう許容の仕方もあるな、っていう面白い設定ですよね。

 

そういう感じで捉えると、1話の「富豪村」の時に、これは山の神が相手なんだ!みたいにやってましたが、今回の4~6話も、「怪異」みたいな存在があって、それと対峙する、という世界観で統一されてました。なんか敵は「怪異」とか断言しちゃうと、それはそれで「化物語」っぽいですけど。

 

「ザ・ラン」とか、原作だと「こいつヘルメス神に獲りつかれているのか?」とか言って筋肉が翼の形になってましたが、そこは西洋神だと合わないと判断されたのか、翼の描写が無かった。

 

ただそうやって3話で一つの話に纏めちゃった分、オムニバス感は弱い。個人的には連続ドラマを求めてるわけじゃないので、1話1話で単独で奇妙な話として見たいかなって私は思いました。

 

今回は第5話「背中の正面」が一番面白かった。確かに、振り向いてはいけない小道も都市伝説っぽいですもんね。鈴美さんは流石に出ませんでしたが横断歩道の「とおりゃんせ」が「かごめかごめ」に変わる辺りは和ホラーっぽくて良かったんじゃないかと。欲を言えばカメラでも背中は見えないような画面構成にしてほしかったけれど。

 

まあそんなんは素人でも思いつく演出なので、そこはあえてなのかなぁ?「六壁坂」でも血が出るシーンはモノクロになったり、傷跡を焼いて止めようとしたり、血を飲むようなグロテスクなシーンは無かったりと、ちょっと物足りない部分も多少はあったかな。

 

あ、あと特別番組の「私の岸辺露伴語り」と「天才テレビ君」のPR番組2本もセットで録画して見たので、そいうのも楽しかった。いつのまにかジョジョもメジャー作品ですよね。


次はまた1年後とかにやってくれるんでしょうか?
超絶面白い!って程ではないけど、なかなかに楽しい作品ではあるので、次もまた是非見たいです。

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