僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

バットマン:ノーマンズ・ランド 1

バットマン:ノーマンズ・ランド 1 (DCコミックス)

BATMAN: NO MAN'S LAND VOLUME 1
著:ボブ・ゲイル、デニス・J・オニール、デビン・グレイソン
 イエン・エジントン、グレッグ・ルッカ、スコット・ビーティ
 リサ・クリンク、ケリー・バケット(作)
 アレックス・マリーブ、ロジャー・ロビンソン、デイル・イーグルズハム、
 ディズレーリ、フランク・テラン、ジェイソン・ビアソン、
 ダミオン・スコット、クリス・ルノー、ガイ・デイビス
 ジョン・ボグダノフ、フィル・ウィンスレイド(画)
訳:高木亮
刊:DC COMICS 小学館集英社プロダクション ShoProBooks 全4巻
アメコミ 2014年
収録:Batman: No Man's Land #1
 Batman: Shadow of the Bat #83-86
 Batman #563-566
 Detective Comics #730-733
 Batman Chronicles #16
 Azrael: Agent of the Bat #51-55
 Batman: Legends of the Dark Knight #117-118(1999)
☆☆☆☆

 

伝説を、目撃せよ!
ライフラインを断たれ、無法地帯と化したゴッサムシティ。
その時、市民は……ヒーローは……そしてヴィランは……?
バットマン史上に燦然と輝く名作シリーズ、刊行開始!


 正義の戦いは終わり、生存競争が始まった!伝染病に大震災……災厄の続くゴッサムシティに、残酷な決断が下される。アメリカ政府がゴッサムシティを再建不可能と認定したのだ。アメリカの汚点だった犯罪都市を本土から切り離すことで、存在そのものを抹殺しようと考えた政府。こうしてゴッサムシティは本土から隔離され、もはや合衆国の領土とはみなされず、そこに残った人々もアメリカ国民としての資格を剥奪される形となった。いまやこの不毛な大地に住んでいるのは、自らの意志でここに残った者と、残らざるをえなかった者だけ。そして3ヶ月が過ぎた……。ゴッサムシティはもはや存在しない。“無人の大地(ノーマンズ・ランド)”にようこそ。
 圧倒的なスケールで描かれ、映画『ダークナイト ライジング』の原作のひとつにもなった記念碑的作品、堂々の刊行スタート!


入院のおかげで時間が出来たので、長らく放置していた大物に手を出す。
450ページと辞書並みに厚い本が全4冊。バットマンの90年代の超大作「ノーマンズランド」を超絶ボリュームで刊行。

 

伝染病や大地震と災厄が続き、再建は不可能と判断され、アメリカはゴッサム自治権を放棄。無法地帯と化したゴッサムを舞台に、バットマン系列タイトルの全てを巻き込み、1年間展開された大型クロスオーバーシリーズ。

 

1999年に刊行されたシリーズですので、今となっては旧シリーズという扱いになっちゃいますが、この展開をif物、エルスワールドとして別設定でやるのではなく、本シリーズでやったのは凄い。だって今まで慣れ親しんできたゴッサムが崩壊しちゃってマッドマックスみたいな世界になっちゃうんですよ?正史として。ようやるわ。

1999年ですし、世紀末感みたいなものも作品に重なって上手く世相とリンクしたんでしょうか?

 

最初の3カ月はバットマン不在で、ゴードンらを始め、ゴッサム市警が何とか一般市民を守ろうと頑張ってくれてます。勿論、治外法権となってしまったゴッサムに置いてはいくら元警官であろうと、この地に置いては国家権力の効力など存在しない。自警団という位置付けにしかならない。

そういう意味では自警団=ヴィジランテであるバットマンとゴードンもこの地では同じような存在になっている、という辺りが面白味。

 

アメリカがこの地を放棄するに至るまでに、事前の避難勧告は当然あって、出て行く人は出て行ってはいるものの、貧困層や不法移民者、犯罪者等、街から出られず、やむをえずここで暮らしてる人もそれなりの数は居ると。ゴッサム市警の有志はそれらの人々を守るために、この地に残った。

そこら辺の話もいくつかエピソードが入ってて、人間の倫理・モラルみたいなものを問うような話も多く、そこはとても面白い。

 

バットファミリーはこの時点では、オラクル、ハントレス、アズラエルらが独自の行動を開始し、さらにはバーバラではない謎の新バットガールもここで登場。ロビンとナイトウイングはバットマンの指示により、現状はゴッサムには居ない。

 

ヴィランは、ジョーカーとかトゥーフェイスは顔見せ程度。次巻以降なので、今回はペンギン、スケアクロウスカーフェイス、ブラックマスク辺りが話に絡む。

 

個人的な注目ポイントはアズラエル。ロビンとか増えまくったのもあってか、最近はあまりバットファミリーの一員って感じはしないけど、邦訳読みにとってはアズにゃんは割と重要。

小プロのアメコミ邦訳がスタートした初期に出た「バットマンパニッシャー」で、バットマンの中に入ってたのがアズにゃんことアズラエルでした。ブルースがベインに背骨を折られ、休業状態に追い込まれた時に、代理としてアズラエルバットマンの中に入ってた時期の話でした。
マーベルとDCで会社違うのにクロスオーバーとかあるのか!っていう驚きの中で、でもこのバットマンニセモノじゃねーか!という色々とインパクトのある話です。いや後半はちゃんとブルース・ウェインバットマンパニッシャーが戦ってくれるんですけどね。そちらの本もいずれブログでも取り上げる日が来るかもしれません。

 

そんな思い出深いアズラエルが堂々とバットファミリーの一員として、結構な活躍が描かれるというのもなかなかに感慨深いです。しかも、ブルースの母親的存在であるレスリー・トンプキンスさんの所で、色々と学ぶっていうのはグッと来る感じ。

 

面白いのはスーパーマンゴッサムは自分のテリトリーじゃないからといって、我関せずを貫ける程スーパーマンは冷たい男じゃありません。勿論、自分も何か出来る事があるんじゃないかとゴッサムに足を踏み入れる。が!文明も崩壊し、前時代的な社会に戻ってしまった中で、自分が思ったようには立ちまわれない事を知るスーパーマンバットマンから、ここはお前の来る領域じゃ無いと諭され、とりあえずは一時撤退せざるを得ないスーパーマンであった。

 

もうちょっとリアルに考えたらさ、人道的支援的な感覚で、スーパーマンだけじゃなくいろんなヒーローが助けに来てくれても良さそうなものですけど、いややっぱりね、バットマンの性格というか、バットマンの偏屈さみたいなのは他のヒーロー仲間も知ってるだろうから、ゴッサムの支援に行きたいけど、バットマンと絡むと冷たくあしらわれて嫌な気分になるからあいつとは絡みたくないなぁとか思われてるんだろうな、とか
勝手に想像してしまいます。バットマンってね、あいつ性格悪いから嫌なんだよって言われるタイプですし。

 

各々のキャラクターの理念や行動、過酷な状況の中で描かれる話はどれも面白く、分厚い本ながら、一気に面白く読めました。

単発で完成度の高い1冊とかも面白いですが、こういうオンゴーイングで色々なシリーズを跨いで、しかも1年と言う長期で展開したレギュラーシリーズというのも、これはこれで読みごたえがあって面白いもんです。

 

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はじめてのにゅういん

退院してから間もなく1週間近くになりますが、経過は良好・・・なのかな?何分、経験した事の無い事なので、そもそも何が良好かはわからない。少なくとも痛いとか苦しいとか悪い感じでは無いので、多分良好なのではないかと。

 

百聞は一見に如かず・・・私の好きな言葉です。
どんな事でも経験に勝る物は無いし、どんな事にだって体験して初めて分かる事、というのは山ほどありますので、雑記的な感じにはなりますが、思った事感じた事などちょっと記録しておこうかと思います。喉元過ぎれば何とやら、って感じで、こういうのもその内忘れちゃうと思うし。

 

ええと、まず「ヘルニア」って何か?友達にも勘違いされたので一応説明しておくと、ググってみますと

ヘルニアとは、体内のある臓器が本来あるべき位置から脱出してしまった状態を指します。 有名なところでは、臍ヘルニア〈でべそ〉、鼠径ヘルニア〈脱腸)があります。 これが背骨のクッションである椎間板におこったものを椎間板ヘルニアと呼びます。 

 

だそうです。

ヘルニアというと椎間板ヘルニアが有名なのかな?背骨、首、腰とか、私もそういうイメージでしたが、私のは鼠径ヘルニア(脱腸)という奴です。医者の説明を聞いてぞわっとしましたが、筋肉と筋肉の間の隙間から腸がはみ出してたっぽい。横になると重力の関係で戻るので、楽だったんですが、体勢とか力が入るとまた出てきて、みたいなのを繰り返していたようで、手術してその隙間を縫い付けるんだかネットをかけるとかそんな感じの話だったかな?そういう手術をしてきました。

 

自分で調べたら、難しい手術とかではないので、場合によっては日帰り手術みたいなのもあるってネットに書いてありましたが、まあそんなのはあくまでネットの知識です。

 

「HUGプリ」でもやってましたよ。産婦人科の先生に、さあやが、ネットにこう書いてありました、って言ったら、ネットに書いてあるのは目の前の患者さんの事じゃ無い。実際はその人その人に合わせた対応が必要なんだよって諭される、そんな話がありました。

 

医者がどうこうじゃなく、私も自分の仕事で、一般のお客様からネットで調べました的な事を言われるケースもたまにあります。正直うんざり。勿論、私自身もネットで色々調べたりしますよ。それはブログを書く時も、あれ?この情報合ってるかな?って書きながら常に調べたりはしてます。

 

確かに便利です。でも、それで全てを知ったような気になるのは危険だし、浅はかだなって思う。誰だって自分の仕事や趣味、好きな事とかプロ並みの知識のあるものっていくつかはあったりしますよね?そこを基準に考えてみて下さい。ネットに乗ってる事だけが全てじゃ無い。素人か知ったかぶりをするより、ちゃんと知識を持った専門家の指示や考え方に従った方が良いよね、というのが私の考え方です。

 

まあプロを舐めるなって話。付け焼刃の知識なんかより、それについてちゃんと時間やコストを費やしてきた人の方が信頼も信用もできるに決まってるでしょ?っていう。

 

それ故に騙されるようなケースもあったりはするのかもしれませんが、またそれは別の話。

 

10日間の入院、長いなぁ、個人的にはその分、仕事休めてゆっくり出来るという反面、私の仕事は何百人も従業員が居て一人二人休んだ所でさしたる影響は出ないという仕事では無いので、私が居ない所は他の人に負担をかけるのは目に見えてますし、そもそも私は管理職でもあるので、その役目を部下に負わせるのはちょっと申し訳ないな、という気持ちもあり、そこはちょいと複雑な心境です。

 

手術は入院2日目というのもあり、少し予定より早めに退院出来ないだろうか?とか考えていたのですが・・・いやぁ、やっぱりそこは素人考えです。実際の自分の体調的には、タイミング的に予定通りでぴったりでした。そりゃそうだわな。それがプロというもの。珍しい病気じゃないんだし、年齢とかその人と成りを見て、プロの目で判断してるんだもの、それが当たり前でした。

 

手術後、3日間くらいずっと熱が下がらず、その後は落ち着いたものの、やっぱり夜中に手術した所がチクチクと痛みが出たりしてたのですが、そういうのが落ち着いたのも退院前日くらいでした。

 

勿論、10センチくらいお腹を切って縫ってるわけですから、多少の違和感は今もまだ残ってます。けど痛いとかそういうのは無い。

 

術後も何日間かはずっと点滴してましたし、いわゆる味気ない病院飯なんかも当然栄養管理の上でのもの。基本、日中は何もする事が無いし、就寝も21時と早い。でもそれが体を休めるという事であって、これが仕事をしながら通院とかなら、きっとこうはなってなかったのでしょう。改めてプロは凄い!と感心しました。

 

・・・ただ!


業種の違いや、素人なりに思う部分って言うのも当然あって、病院への入院で「客の立場」なんて考えがそもそも合ってるのかは不明ですが(患者はお客さんなのか?っていう)いくつか不満点も。

 

まずね、私の主治医は年配のおじいちゃんみたいな先生だったんだけど、歳相応のなんか古臭い感覚、今のコンプライアンス的な面ではそれどうなの?パワハラ的な言葉じゃない?それって、的なのを要所要所で感じました。

 

こちらはね、病気で気持ち的に不安になってるのに、なんか追い打ちをかけてくる感じがちょっと嫌でした。更に言えば、入院の担当や看護師さんとかも、連携が取れていないのか、同じ事を聞いてきたり、なんか対応も様々でそこはマニュアル化されていないんだろうか?とか、人に関しては微妙に感じました。決して不愉快とかそこまでは全然行かないんだけど、なんかこれ、仕事として見るとどうなんだろう?スケジュールを聞いても診察が午前か午後かもわからないってどういう事?そんな仕事あるかな?飯の時間とかはタイムスケジュールきっちりなのに、その他が凄く曖昧。

 

ああ、そしてその病院飯。味気ないものばかりで外の食事が恋しくなる、と散々言われて、一応は味塩くらいは持ってったんですけど、何度かは使ったものの、そこまで苦痛でも無かったかも?いや、勿論、無性にジャンクな物が食べたくなって、つい退院してすぐにマックとか食べに行ったりはしましたが、普段から私は外食や、コンビニ・スーパーのお弁当とか多くなりがちなので、病院飯も味気ないとは思いつつ、栄養管理がきちんとされてて、そんなに悪くは無いかも?美味しいかと言われたらね、う~んまあ微妙なんですけど、たまに美味しいものもあったりすると、なんかそれでちょっと嬉しくなったり。

 

お肉なんてね、10日の入院で5回も出なかった気はするけど、おお~!今日は肉じゃが!テンション上がるわ!パサパサのお肉で、しかもちょっとしか入って無いけど、それでもたまの肉は美味しい!とか、結構飼いならされた感じ。

 

お魚とかの方が多かったんですけど、それもね、病院食なんだから当たり前なのかもしれないけど、骨が一切無いのが凄い。スーパーとかでもね、骨とりの切り身とか確かに売ってますが、年配の入院患者が多い病院では骨のある魚とかはトラブルになりかねないからでしょうか?実はそこ結構感動しました。

 

私も別に若くは無いし、肉か魚かつったらまあ肉の方が食べたい気はしますが、魚とかも全然普通に美味しく食べられます。今日は肉より魚の方が食べたいなって日もありますし。ただやっぱり魚は骨があるのがめんどくさいな、と思うタイプの人なので、煮つけにしても焼いた切り身にしても(流石にお刺身は出ない)あらかじめ骨がとってあるのは食べやすくて良いなと。

 

塀の中の懲りない面々」とかじゃないけどさぁ、朝昼晩の給食で「お!今日は○○か!」みたいな気持ちになるのも何と無くわかった気がします。満足度が高いとかでは決して無いんだけど、質素な中に質素なりの楽しみを見つけるってこういう事なのかなと。そんな発見もまた面白かった。

 

逆につらかったのは手術後の直後。
手術自体はね、点滴でそのまま麻酔を入れる形だったので、局部麻酔じゃなく全身麻酔だったので気づいた時には終わってました。

 

そこは良いんです。ツライのは目が覚めた後。患部は別に痛くない。ただね、全身麻酔の手術ですから、身体のあちこちに色々な線が繋がってるわけです。

 

左腕は点滴の管。右腕は血圧を見るやつだっけかな?エコノミー症候群の防止だかで、両足にもポンプみたいなのが繋がれてる。尿道にも管が入ってるし、顔は酸素吸入器・・・ではなく何だろうあれは湿気みたいなのが出る奴だったか。とにかく全身ありとあらゆるところに管や線がつけられて、身動きとれず寝返りさえ出来ない。これがとにかくキツイ。

 

入院前に「ウエポンX」なんか読んでったのもあってか、もう私は全身がんじがらめで
改造手術を受けてる気分ですよ。気持ち的にはこんなイメージ。

眠って時間をやり過ごそうと思っても、麻酔明けでこれが眠くならない。あまりにつらくて眠れる注射を打ってもらいましたが、それでも数時間後には目が覚めてしまい、看護師さんに時間を聞いてみたら、まだ夜中ですら無い。夜が明けるまではまだまだ時間があると。ここからが地獄の時間でした。

 

私は精神的にも身体的にも自由が無いと物凄く苦痛を感じるタイプ。何とか朝までやり過ごすも、もうホントにホントでキツくって、もう耐えられないと泣きごとを言って、色々外すのは午後の予定だったものを何とか昼前に外してもらいました。まだ全部はとれないものの、何とか動ける程度には。体勢を自由に変えられるだけでもマシになり、助かりました。

 

ただつらかったのは、そこから3日間くらいずっと熱が下がらなかったので、そこも含めてきつかったのかなと。

ぶっちゃけ「ちょっと熱が出たくらいで仕事休むなよ」とか内心思ってた自分も居たのですが、熱が下がらないってこんなにキツイんすね。これは大変だわ、と考えを改めました。解熱剤をもらったりして、何とかやり過ごす。

 

記憶が無いので感覚的にはあまりピンとこないのですが、手術、身体にメスを入れて、それで色々やるって、やっぱり身体的には結構なダメージを受けるものなのかなと。点滴の針も3日4日ずっと入りっぱなしだし、身体の中では色々と動いていると。栄養を考えた食事、身体を休める事で体力の回復、そういうのがあって、ある程度まで戻るのが10日間の入院というリミットだったと。

 


なるほど、実際体験してみると、色々と考える所がありました。

 

後半戦、熱が下がってからはある程度気持ちも楽になり、日曜日はちゃっかりプリキュア、ライダー、戦隊とニチアサ3作品も室内のテレビで見たりして、あとはもう読書タイムです。

旅行カバンに潜ませて、これもう本棚一ブロック分くらいあるじゃねーかと結構持って行ったのですが、分量的には丁度でした。というか退院までのペースを考えて読んだと言う話ですが。

 

プリキュア小説5冊に、積みっぱなしだったアメコミの分厚い奴を8冊。日本の漫画も積んでる奴は沢山あるのですが、1冊1時間とかで読んでしまっては時間が潰せないので、そこはやっぱりアメコミの、辞書並みに分厚い奴&テキスト多めの物で。実はどれも序盤だけ読んで放置してた奴です。読むのに時間がかかるやつをチョイス。合間にプリキュアとかで気分転換しようかな的な。

 

過ぎてしまった今更ですが、小説はガンダムとか他の普通の本も1~2冊くらいは持って行けば良かったかなと。
あと、パソコンの持ち込みはNGでしたが、スマホとかは見てても別に何も言われなかったので、携帯のゲーム機とか持って行けば良かったかも?と後から思いました。

せっかくだし何かスマホゲーでもこの入院期間だけやっておく?とも一瞬思いましたが、半端だし、それこそ時間の無駄になってしまうかなと思いとどまる。かろうじて持ち込んだ本で時間の調整は出来そうでしたし(実際やれたし)。

 

10年も昔の話だった気がしますが、いつだったか、正月休みにPSPで「ギレンの野望」をたまたま始めちゃったんですね。新作が出たとかじゃなく、普通に旧作の再プレイで。そしたらねぇ、それこそ1日朝から晩まで20時間とか平気でやっちゃって、正月休みそれで終わっちゃったじゃん!とか確か1度ありました。「ギレンの野望」面クリアとかじゃないから、区切りが無くどこまででもやってられるんですよね。スパロボとかでも良かったし、「時間を潰す」という考えで行けばネガティブな感じですが、こういう時にしか出来ない事、という意味ではゲームも良かったかも?と今になって思わなくもないです。

 

とまあ、そんな感じで、色々と思う所のあった入院記でしたとさ。

 

小説 ふたりはプリキュア マックスハート

小説 ふたりはプリキュア マックスハート (講談社キャラクター文庫)

著:井上亜樹子
刊:講談社 講談社キャラクター文庫027
2017年
☆☆☆


描きおろし小説シリーズ第7弾!
「伝説の戦士よ、
 この混沌を止めたいか!」
光と闇のバランスがくずれた虹の園
クイーンなき今、プリキュアたちに
不吉なことが……?

 

美墨なぎさラクロス部の新キャプテン、雪城ほのかは科学部の新部長として、活動的な日常をすごしている。ただ、九条ひかりはタコカフェを手伝いながらも、いまだ自分の存在に確信をもてなかった。そんな3人の周辺で、ものが増えたり消えたりする不思議な現象が起きる……。


無印に続いて「MH」小説版。
これのみ今回が初読。

 

小説なので、章とか段落によって、各々のキャラの視点になるんだけど、なぎほのはともかく、ひかり視点が結構面白い。

 

先日観た「MH総集編」での座談会でもそうでしたし、TVシリーズの方の映像特典でも確か同じような感じだったと思うのですが、九条ひかりシャイニールミナスって演じた田中理恵でさえ、よくわからないキャラだったので結構苦労した的な事を言ってた気がするのですが、それは当然中の人の理解度が低いとかそういう話じゃ無く、序盤の方は実際に「何を考えてるのかよくわからないキャラ」という描き方をされてたので、見てる方も演じてる方も、何だろうこのフワフワした感じの子は、という印象にならざるを得ませんでした。

 

そこ考えると今回の小説版、序盤の方から割とひかりの内面が描かれてたりして、これ全編ひかり視点だったら面白かったかも?という感じがして、実際は段落によって各々の視点になっちゃうのですが、そういう面では結構楽しめました。

 

お話としては、何と中尾君再登場。アカネさんの元同僚で本編の8話だったっけかな?その話をノベライズでやってるわけでなく、その後の展開。アカネさんとの関係を掘り下げるとかでなく、普通に中尾君の仕事の話とかが結構な分量で描かれてたりするので、MHの中でも中尾君が好きなら満足度は高いかもしれない。いや1話のみのゲストでそんなファンは居ないだろうけど。


執事ザケンナーA/Bとかも出てますし、サーキュラスウラガノスビブリスら闇の四天王の方の描写もコミカルで本編同様面白い。バルデスが初登場という感じの展開になるので、時系列的にはその辺の時期。

 

HMって、他のシリーズと違ってわかりやすい中盤の山場って感じのとこもなく、今回の小説でもオリジナルのクライマックスになってる感じですが、これが相当にカオスな展開になる。ギャグ展開とかそういう意味じゃ無く、普通に混沌が広がり、これはちょっと他のシリーズも含めて、プリキュアで過去にこんな展開無いぞって感じになるので、そこは面白かったかも。

 

なかなかに読みごたえはありました。ああ、因みに、無印の方の作者と名前違いますが、同じ人の別名義のようです。何故にわざわざ変えたの?無印の方はそっちの記事にも書いた通り、まるで純文学かのような文体でしたけど、こっちは普通でした。1作ののあれは一体何だったんでしょう?

 

本編のサイドストーリー的にサクッと読めるので、好きな人なら是非、くらいの感じかな。

 

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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島

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MOBILE SUIT GUNDAM Cucuruz Doan's Island
監督:安彦良和
原案:機動戦士ガンダム TVシリーズ 15話
日本映画 2022年
☆☆☆★

 

割と評判も良さげで、これは面白そうと結構期待してましたが・・・、う~ん、まあ正直「ジ・オリジン」のアニメシリーズと同じ感じ。

 

リブート、リメイクとしてはこんな感じだろうなって言う安彦さんのセンスはわかるんだけど、どうしても旧作のイメージを引っ張ったまま見ちゃうと、違和感が結構大きい。それは「ジ・オリジン」にしても今回の「ククルスドアン」にしても同じです。

 

暴言チックですが、偽らざる気持ちなので、ストレートに言ってしまいましょう。ホワイトベースのクルー、アムロも含めて、誰一人私が知ってるあの人達ではなく、名前とビジュアルだけ似た、ファーストガンダムとはかけ離れた全くの別人しか居なかった。私の知ってるガンダムのキャラが一人も出てこない。名前と見た目だけ同じで、中身は会った事無い人達ばかり。

 

今回はね、タイトルにこそ「THE ORIGIN」ってつけてませんが、設定上も当然オリジン基準。あくまで安彦版ガンダムなのは百も承知です。そこをね、富野由悠季のアニメとは違うんじゃないかっていうのは、筋違いな部分があるというのは自分でも理解してるし、あんまりそこのフィルターをかけすぎてもね、どうかなって自分でも思う。

 

でも長年慣れ親しんできた物と、似て事なるって違和感が相当に大きい。それは勿論、OVA版のオリジンの時からそういう部分はありました。

 

具体例を挙げてみましょう。
TVシリーズor劇場版、ベルファストでカイがホワイトベースを降りる決断をした時の話です。
「カイさん。僕はあなたの全部が好きと言うわけではありません。でも、一緒に戦ってきた仲間じゃないですか」
「へっ、そういう言い方好きだぜ、アムロ

こんな感じのセリフのやり取りがあったかと思います。
これがね、私はメチャメチャ富野チックで面白いなと。

 

別に親友とか言うような間柄ではない。かといって極端に敵対してるかと言えばそうでもなく、あなたの全部が好きと言うわけではないけれど、それでもここで降りてしまうのは残念。しかもアムロはカイに自分の工具箱を渡すんですよね。売るなり仕事に役立てるなり、自由にしてくれてかまわないからと。

 

こんな関係性の描き方する人、富野由悠季以外に居ます?私は見た事無いです。変な関係や描き方だけど、こういう気持ちってわかる。これが富野的なリアルだって思えて、私はそういうのがメチャメチャ面白い部分なんです。

 

今回、アムロガンダムと共に島で一度消息を絶つ。将軍の命令でホワイトベースは出港しなければならない。アムロを置いて行くのか?ってなった時に、カイやハヤトやジョブさん、スレッガーとかが軍法会議物の違反を犯してもアムロを探しに行く。

いやいやいやいや、貴方たちそんなにアムロと仲良かったっけ?フラウなんて泣きだす始末。え?そんなキャラだっけ?ブライトもミライもセイラさんも、本当に全員が違和感しかなかった。

 

なんかさぁ、それが安彦版ガンダムの世界なんだって言われたらそうなんだけど、そんな単純な感情とかで動くキャラだっけ?ガンダムって。

 

あのね、昔安彦さんが言ってました。
富野監督から「顔では笑って心では泣いている」ここはそういう感情の芝居をさせて欲しいという指示が絵コンテに書いてあった。アニメでこんな事を描こうとする人は過去に誰も居なかったし、だったら自分が絵で芝居をさせてやると逆に自分を本気にさせたと。

そういうとこがね、ガンダムの面白い所だと私は思ってるし、富野信者になったのは、そういう所に面白味を感じたから。

 

でも安彦さん、怒った時には怒った顔をさせるし、悲しい時は悲しい顔をさせる。喜怒哀楽をストレートに表現してしまう。それはアニメの絵柄でもちゃんと喜怒哀楽を表現出来るんだよって言う、アニメーターとしての意地みたいなもんなんだろうし、そういうものをアニメーションの動きの面白さだと恐らくは思ってるんだろうなとは思うんだけど、違う、そうじゃない。

 

ガンダムって言うのは、富野由悠季の演出って言うのはそこの先にある。そういう所に面白味を感じてた身としては、どうしても劣化ガンダムに見えてしまう。

 

そんな中でね、あえてぼかした部分もある。終盤でアムロガンダムに乗りこんだ直後のシーン。恐らくはあそこって、演じた古谷徹でさえ戸惑っただろうと思う。

 

インタビューとかでね、あれはどういった意図だったんですか?とか聞いたら絶対ダメな奴です。富野だったらあなたバカなんですかって言うし、安彦さんだって、それ言っちゃったら野暮でしょっていう部分だと思う。

 

あれね、わざわざお母さんのカマリアとの別れ「再会、母よ」を回想で入れたりしてるんだから、この作品に置いてきちんと意味のあるテーマとしてやってる部分です。勿論、そこがドアンとの対比でもあり、物語の締めにまさかのマ・クベを持ってくるセンス。ここに関してはもう褒めるしかない面白い演出でした。「パリは燃えているか?」ですよ。

 

マ・クベって、ランバ・ラルと同じくオリジンによってよりキャラクターに深みが加わったキャラかと思いますけど、この作品単発においてはマ・クベ安彦良和と言っても過言ではないでしょう。この作品の文化的価値を一人だけ理解しているという立ち位置。

 

TV版におけるドアンって、あれはただの脱走兵だと思うんだけど、今回は残地諜者という設定にしてある。ただ勿論、根っこにあるのはヒューマニズムだろうからそこはおそらく変えてはいない。「地獄の黙示録」が発想の原点にあったみたいですが、そこはあくまで脱走兵というだけの話で、ドアン=カーツ大佐ではない。

 

で、そんなヒューマニズムを持つドアンの対極に居るのがアムロですよ。彼は人ならざる者。こっちはあからさまに「フルメタルジャケット」でした。

 

安彦さんがニュータイプ嫌いなのは有名ですが、まさかこんな仕打ちというか皮肉を込めてくるというのは流石に意外。けど、むしろそこが面白い部分でもあり、安彦さんの密かな恨みがえしにも思えて、やるな安彦とつい言ってしまいたくなる。

 

あのね、安彦さんは当然こんな「ククルスドアンの島」なんかじゃなく、オリジン本編をスタートさせたかったんですよ。

自分で最後までやれるかは別として、スタッフワークみたいなものが出来あがっていれば、自分が居なくなってもやれるだろうと。OVA全6章は話だけでなく、コンテンツとしても序章のつもりでやってたのでしょう。が!残念ながら結果として想定以下の数字しか出せず、始動編はスタートできませんと。そのかわり、1本だけなら作ってもいいですよ、というのが今回の作品。

 

そういう意味では富野の「Gレコ劇場版」と同じ位置付けでしょう。

 

富野由悠季安彦良和、どちらも偉大すぎるガンダムの立役者です。でも偉大すぎるが故に、誰も彼らに意見を言えなくなってしまったというのが色々と問題。どちらも偉大なクリエイターですし、今でもその功績は称えられてしかるべきです。「Gレコ劇場版」も「ククルスドアン」もなかなか並のクリエイターでは表現できない部分は大いにある。

 

と同時に、二人とも老害的な部分もやっぱりあるよな、と思わざるを得ない。「富野さん、ここの演出変ですよ」「安彦さん、こういう表現はちょっと古く無いですか?」とか、誰も言える人が居ないよね。だからどちらの作品も、ある種独りよがり的な部分が
見えてきてしまう。そこが「閃光のハサウェイ」との差の気がする。

 

今回設定された「サザンクロス隊」とかさ、プラモのバリエーションを増やす以上の価値なんて無いじゃん。どう考えても安彦さんも適当にしか作って無いし興味も無さそう。それだったら島の子供達の方が気持ち入れて描いてるよね、あれ。

 

メカ的な部分で言えば、作画崩壊ザクは正直見ていて全然違いは感じ無かったし、それはどうでも良いんですが、ルッグンにぶら下がるザクっていうのはアリなんだと個人的にはそこの方が色々と考える部分が大きかった。

 

ルッグン、意外と大きいんですね。偵察機としての価値しか無いと思ってたから、TVシリーズでもルッグンにぶら下がるザクって流石にそれは無いんじゃないの?と思ってたのですが、コアブースターをサブフライトシステム的に使うジムとか、う~ん、そこありなのかぁ?

 

「サンダーボルト」でもね、コルベットブースターで自由に空をかけるジムを見て、う~んこれは世界観を壊しかねないなと思ったんですけど、「ギレンノの野望」とかでもね、ジムにコルベットブースター装備させちゃうと、異常な程の行動範囲になって、もうあからさまにジムとは違う別ユニットになるんですよね。

せめて1年戦争の時くらいは、あんまりMSには空飛んでほしくないというのが本音です。

 

この作品ならではの見所は沢山あるし、これを駄作と一蹴してしまうには惜しい作品ですが、好みで言えば正直ちょっと・・・な部分の方が大きかったかな?私は安彦派じゃなく富野派っていうのも凄く大きいですし。

 

という事で次は「Gレコ4部」です。そっちの方が楽しみ。

 

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小説 ふたりはプリキュア

小説 ふたりはプリキュア (講談社キャラクター文庫)

著:鐘弘亜樹
刊:講談社 講談社キャラクター文庫018
2015年
☆☆☆


「闇の力のしもべたちよ!」
「とっととおうちに帰りなさい!
書きおろし小説プリキュアシリーズのスタートを飾る第1弾!

 

光の園”の選ばれし勇者メップルと希望の姫君ミップルが伝説の戦士プリキュアとしてパートナーに選んだのは、ごく普通の女の子。ベローネ学院女子中等部2年の美墨なぎさ雪城ほのかは、キュアブラックキュアホワイトとなってプリズムストーンを狙うジャアクキングの手先たちの攻撃に立ち向かっていく。ほのかの祖母さなえとミップルの間におきた、遠い昔の出来事の秘密が明かされる……。


このシリーズは「マックスハート」以外は出た時に普通に買って読んでますが、入院中に5冊ほど持って行き再読。ブログに感想残しておきたかったというのもありますしね。

小説プリキュアシリーズがどういった位置付けのものなのかは過去記事を参照にして下さい。

 

いわゆるメディアミックス展開で、TV放送中にノベライズ版が出るという普通の形では出ていないので、終了してしばらく経ったものを、しかもメインターゲットではないもっと上の層に向けて出すと言う、プリキュアにしてはちょっと変わったタイプの商品・作品。結果として、シリーズ半ばにしてストップしてるわけですから、上手くは
行かなかったというのが厳しい見方ですけど、売れない=価値が無いわけではないですしね。

 

シリーズの第1弾として出たのはやっぱり初代。
時系列的にはTVシリーズ前半戦。ポイズニー&キリヤ編のアナザーストーリー的な位置付け。

 

あらすじとかもそうですし、この作品を紹介する時によく言われるのは「さなえおばあちゃんの若い頃の話」と言われがちなんですけど、そこの部分、決して分量が多いわけでもなければ、なぎさとほのかの話とも基本的にはリンクしてこない。終盤でちょこっとだけ時空が歪むみたいな形で多少はクロスするんですけど、そこがこの本のテーマあだとか、クライマックスという感じでもないので、この本の特徴の部分ではありつつ、意外とそうでもないよ、という、若干説明はしにくい。

 

さなえおばあちゃんね、まるでほのかがプリキュアである事を知っているかのような描写もあったりして、当時から実は先代プリキュアの、言うなればキュアシルバーなんじゃないかってのは昔からよくネタにされてたっぽいけど(CVも野沢さんで強そうだしね)流石に設定上それはないです。

 

ファンにとっては有名なエピソードですけど、こうシリーズが続くと初代を見て無い人も居るでしょうから、一応説明しておきましょう。私も別にリアルタイムで見てたわけじゃないですし。初代「ふたりはプリキュア」の28話。本放送日は8月15日の終戦記念日、さなえおばあちゃんの若い頃の回想が入って、それがモロに戦争で街が焼け野原になってしまったっていう話なんですよね。

 

プリキュア」で「戦争」をテーマにする。今考えても相当に攻めてるなと。逆に考えればそういう攻めの姿勢がプリキュアらしさとも言えますし、当然ながらただ作り手が急に自分の主張をしたいから戦争の話を入れたとかじゃなく、日常の大切さであったり、どんなに絶望的な状況であっても、希望に向かって歩いて行けば、きっと晴れる日も来るというプリキュアが伝えたいテーマと共通するものがあるからこそ、そういう話を作ったのでしょう。

 

これね、単純にマーケティング論だけで作ってたら、女児向けの変身ヒロイン物で実際の戦争に触れるとか、誰が考えたってあるわけがない。それをやってくる作り手の矜持、気骨とか、やっぱりプリキュアって初代は特に少し異質ですよね。

 

さなえさんの若い頃の話という意味ではそこからの流れなのですが、今回はそこで描写された「戦後」の少し後、高度成長経済期にあった都市開発に絡む話。仲よくしていた幼馴染の男の子が、大人になるにつれて距離が離れ、ちょっとまずい事に手を染めるようになっていく、という話。どっちにしろ、何でプリキュアでこれをやるんだ?感は結構あったりします。

 

過去じゃなく現代の方では、キリヤが「僕には人間がよくわかりません」とかほのかに言ってたりする辺りなので、そこにさなえの過去話をテーマ的にオーバーラップさせる事で、深みを出そうとしてるのかなとは思う。基本的には人の「倫理」についての話なので。

 

タイムライン的にはポイズニー&キリヤ編ですが、展開としてはTVシリーズとも少し違う描写もあったりしますので、その辺りを楽しめれば、という感じかなぁ?初代で一番盛り上がる部分なので、そこをそのまま決着がつく所までノベライズとしてやってくれても良かった気はしますが、まあこれはこれで。

 

因みにこの本、小説プリキュア1冊目というのも関係してるのかどうかは定かではありませんが、文体が物凄く普通の一般小説。
具体的には状況描写・背景描写というのかな?

ベローネ学院女子中等部2年桜組の教室で、雪城ほのかは本を読んでいた。開け放たれた窓からはセミの鳴き声と、緑や土の匂いを含んだ夏らしい空気が流れ込んでくる。たまに熱っぽい風が吹いてはクリーム色のカーテンがはためき、光と影が交互に外側の席を染めた。

とか、ラノベとかではあまりやらない普通の小説っぽい文体が物凄く多い。いや私は小説とかあまり読まないし、そちらの文化に関しては全然明るく無いのですが、私にとってはこういう細かい描写こそが「一般小説」っていうイメージが物凄くあったりする。

ぶっちゃけそこめんどくせえなとか思いながら読むタイプの人なんですけど、例えラノベとかでも、物語の最終ページの締めくくりって、そういう背景描写で終わるのがセオリーだし、それが小説っぽさだと素人ながらに思ってるんですけど、これ伝わるかなぁ?

 

とまあ、なかなか手ごたえのある1冊という感じです。

 

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トップガン マーヴェリック

www.youtube.com原題:TOP GUN: MAVERICK
監督:ジョセフ・コジンスキー
アメリカ映画 2022年
☆☆☆☆☆

 

<ストーリー>
アメリカのエリート・パイロットチーム”トップガン”。
かつてない世界の危機を回避する、絶対不可能な【極秘ミッション】に直面していた。
ミッション達成のため、チームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格で組織から追いやられた”マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。
なぜ彼は、新世代トップガンとともにこのミッションに命を懸けるのか?
イムリミットは、すぐそこに迫っていた——。

 

入院もあって大分出遅れましたが、「トップガンマーヴェリック」ようやく見て来ました。おっさん向けのレトロコンテンツかな?と思いきや多方面で大絶賛の嵐、しかも意外と若者とかにも届いたのか、予想以上に大ヒットを飛ばしてるようで、これは一体いかなるものかと俄然興味も湧いてきました。

 

さて実際「トップガンマーヴェリック」とはいかなる映画だったのか・・・

 

いやもう最高。


これ以上無いくらいのバカ映画でした。

 

今時こんなものを作るってどういう神経してんだ?と疑わざるを得ない。
けれど、そんな「こんなもの」を今作れるのは、トム・クルーズ以外に居ないし、逆に言えばもう貴重も貴重、ある意味もう重要文化遺産なんじゃないか?って思わせてくれて、いやもうこれは参りました。こんな凄いものをやれるのはトム意外に無いし、私の言葉じゃないけど「最後のスター映画」って言ってる人が居て、まさしくその通りだなと唸るほかない。

 

これも多くの人が指摘してますけど、こんな戦闘機なんて、今に無人機のドローンにとってかわられて、お前はお役御免になるだけなんだよ?そこわかってるの?という問いに対して、「わかっています。けれどそれは「今」ではない」とマーヴェリック=トム・クルーズが堂々と物語の冒頭で宣言する。もうこれ、思いっきりトムの心情であり、決意ですよね。

 

お前なんかもうロートルだって言われてるのは自分でもわかってる。でも自分の面倒は自分で見るし、ちゃんと自己プロデュースで最後まで自分は自分のやりたい事をやりますよってさ、凄く立派。

 

他の作品に呼ばれてさ、俺は格上のスターなんだって言いはじめたらそれはもはや老害としか言いようが無いけど、トム・クルーズは自分がそもそもプロデューサーなんだし、自分のプロデュースで自分が主役の作品を作ってそれの何が悪いんだ?っていう話ですからね。

 

監督のジョセフ・コジンスキーは「オブリビオン」でもトムと組んでましたが、オブリビオン私観たっけかな?「オールユーニードイズキル」とか近い時期に似たようなSFが何本かあって正直あまり憶えていない。監督単体としては「オンリー・ザ・ブレイブ」が結構凄い映画だったので、そこは憶えてますが、監督デビューは「トロン:レガシー」だったのか。

 

トロン:レガシー」も何十年ぶりかの続編という意味では共通してますし、「ゴーストバスターズ:アフターライフ」とかもそうでした。ヒットしてすぐに続編の企画が動く2~3年後のパート2とかじゃなく、10年20年経ての続編、今回の「マーヴェリック」も何と36年隔てた続編。

 

いや普通に考えたらね、これだけ時間が経ってるんなら「継承」の物語にするのが必然なんですよ。一時代を築いた「ロッキー」がちゃんと今の時代の今の人の価値観に合わせて「クリード」に引き継ぐ。これ以上無いくらいに美しい形で、誰もが納得する100点満点の形。「ゴーストバスターズ:アフターライフ」もまさしく100点満点の、こうあるべきっていう理想的なものをきちんと形にしてくれました。

 

今回の「マーヴェリック」もね、トップガンパイロットとしてではなく、若者に教える立場として戻ってくる。

 

ええとね、私自身も会社では中間管理職という立場です。管理職とか経験してる人はわかると思うんですけど、管理職って現役のプレイヤーからは一歩身を引いて行動しなきゃいけないんですよね。自分がプレイヤーだった経験を生かして、若いのにやらせるより、自分でやった方が百万倍まともな仕事出来るわ!ってなりがちなんだけど、それだと次が育たない。人を育てるのも管理職の仕事なので、そういう考え方が必要になってくる。

 

それ考えたらね、今回のマーヴェリックのまあ酷い事酷い事。上の立場から考えたら典型的なダメな奴の典型もいいとこですよ。百歩譲ってね、誰もクリアできないシミュレーションを、いや実際こうすればできるっしょ?っていうお手本を見せるくらいまでは良いと思うんです。

 

いやそれが実際の映画では、結局お前ら若手より俺の方が実力上だから俺がリーダー。俺が全部攻略するからOK!主役はお前らに譲らないから。主役は俺だから!

 

ってさ、何このクズ野郎?バカじゃないの?と思った。なんかこういうのに触発されてさ、おじさんもまだまだ現役だからお前ら若いのに負けないぜ!みたいな勘違い野郎を世の中に大量に生みだすんじゃないかと思うと、なんつー害悪な映画なんだと、見ていて画面の単純な痛快さと圧倒的な面白さと同時に、そういう嫌な気分にもさせられるという不思議な気持ちで見てました。

 

コンプライアンス的には圧倒的にNGですよこの映画。今時こんな主張をしてたら時代遅れもいいとこ。こんな不謹慎極まりない映画が作られてヒットしてて良いんだろうか?と疑問を感じざるを得ませんでした。

 

でもそんな倫理的にどうたら、時代背景社会背景の上でどうのっていうしがらみを考えずに見れば、これがもう単純明快でわかりやすい、大迫力の画面、戦闘機のカッコよさ、ドキドキワクワクが本当に詰まってる。

 

私は公開から3週間も経ってから見て来ましたが、多分リアルタイムで1作目を見たんだろうなっていう年齢の方も当然居れば、意外と若い層も居るし女性なんかも結構居る。マーベル映画なんかはともかく、私が普段から好んで観てるような映画なんて、多くたって5人、公開初週でさえ3人とかそんなんザラです。でも今回「トップガン」を観に来た人は、多分全員楽しんだんだろうなって思えたんですよね。

 

私はオタクですから小難しい映画を小難しく楽しむなんて普通に出来ます。例えばアカデミー賞をとったりして、名前が売れての上映とかも割とありますけど、普段から映画を見ない人がそういう映画を見たって、正直面白いとは思わないんだろうなって気がするんですよね。「考えさせられた」みたいな程度の語彙力の無い感想しか出ないのって、それはそれで可哀相だなと思うんです。いや「考えない」映画なんて世の中にねーから。

 

でもそういうの見るんだったらさ、今回の「トップガン」を見た方がずっと満足出来ると思うし、映画館に足を運んで「楽しかった」「面白かった」っていう体験だけでも、それは物凄い価値だと思うんです。

 

私には到底理解出来ない文化ですけど、今の世の中、スマホの画面で映画とか見たりするんでしょう?しかも2倍速とかで。でもそういう人って結局映画を好きになる事なんて無いと思うんですよね。暇つぶしとかコンテンツの消費をしてるだけで。

 

でも今回の「トップガン」をなんとなく話題になってるからと、普段はそんなに映画館に行かないけど、たまに映画館で見てみるかって来た人はさ。映画館で見る映画って楽しいんだなって思ってくれるアベレージは相当に高い気がする。それって本当に貴重な事だと思う。

 

私はね、映画館で映画を見る理由の一つに「大画面で見る迫力」とかは絶対に挙げないタイプの人です。それは地味なアート映画だって映画館で見るべきものだと思ってるから。でもね、今回ばかりはそういう言い方もアリなんじゃねぇかな?と思わせてくれるだけのものがあった。

 

1作目の感想記事にも書いてますが、「トップガンマーヴェリック」予告が解禁になったのって2019年です。コロナで公開が2年延びてます。でもトムは配信にOKは出さなかった。これは映画館で見るべき映画だから、何年経とうが劇場のスクリーンで上映できるまで待つ。この判断もまた本当に素晴らしかったと思う。

 

物語に社会性があるかだけがが価値の全てじゃ無い。そういった視点での文化としての価値だって世の中にはある。その面では本当に素晴らしいし、もうね、まさしくトム・クルーズという生き方ですよ。

 

映画館で映画を見るっていう文化は悲しいけど将来廃れて行くんだとは思う。トムにこんな疑問を投げかけたとしましょう。だったら彼はどう答えるだろうか?


「将来的にはそうかもしれないね。けど、まだそれは今の話じゃないよ」

 

凄い映画だと思った。本当に価値がある映画だと思った。

 

いやね、核貯蔵庫を爆破する!?とかそれどうなのよ?昔のF14トムキャット?にまた乗って、最新鋭の戦闘機を撃破する!とか、いやいやいやいやいくら何でもそんなんはやりすぎじゃね?でも・・・そういうのが見たい人が居るんだろうし、それがあるからこそ最高というのはわかる。あからさまなデススター攻略とか、最初にも言いましたが、結局後輩には道を譲らず、俺様映画なんか~い!とかツッコミ所は山ほどありますよ。

でもね、私たまに80年代映画の感想とかでちょこちょこ書いてる、今見るとツッコミ所は大いにあるんだけど。そこを補って有り余るくらいの不思議な魅力がある。そこは自分が子供の頃に映画に感じたワクワク感とかのノスタルジー部分も確かにあるけど、そこだけじゃない、もっと単純な面白さもそれはそれでアリなんじゃないか?という感覚がね、まさしく今回の作品にも当てはまる感じで、バカ映画かい!っていう気持ちも半分は本当なんだけど、素直にこんな映画にワクワクする感じが楽しかったっていうのも本当の気持ちです。

 

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退院しました

大きなトラブルとかもなく、予定通り本日で退院してきました。

 

私は入院も手術も初めてでしたし、実際に体験してみないとわからないことはいくつもあって、近い内に軽い入院記みたいなのも記録しておこうかなと。

持って行く本のセレクトはもうちょい考えれば良かったとかの反省はあるものの、持参した本13冊は読めましたし、そっちの感想も書かなきゃなら、やたら評判の良い「トップガン」と「ククルスドアン」も観に行きたいので、しばしお待ち下さい。

 

いやしかし健康って大事。自由も大事。当たり前の日常の大切さを改めて実感。

明日からまた仕事かって考えると、それはそれでまたメンドくさいですが、もうそこは仕方ない。

 

特に告知も無く1週間とかブログ放置する事もあるので、これまでともそんなに差は無いかもですが、そんでも休止中でも毎日100PVくらいはありますし、待っててくれる人も居ると信じてまたぼちぼち再開してこうかと思います。