GUNDAM W EPISODE ZERO
原作:矢立肇・富野由悠季
脚本:隅沢克之
作画:かんべあきら
刊:Gakken ANIME V Comic Selection ピチコミックスDELUXEぽっけシリーズ
1997年
☆☆
ガンダムWのTVシリーズ本編前のエピソードを描いた短編集。
刊行時期は「EW」終了後に、その辺りの流れも踏まえた上で、プリクエル物として「月刊アニメV」というアニメ雑誌で9カ月程連載していたものに、エピローグとしてEW後の話も描き下ろしで1本収録。
脚本はW本編のシリーズ構成や続編「フローズンティアドロップ」の隅沢克之。
エピローグ部分の「プリベンター5」はFTの過去編でもリメイクされ、そこからさらに先日からガンダムエースで連載の始まった「ガンダムW0.5(ポイントハーフ)プリベンターサンク」の大元のエピソードにもなっている。
過去編部分はガンダムパイロット5人+リリーナのTV本編前の話で、五飛が自分の機体の事を、本来の機体名であるシェンロンガンダムやアルトロンガンダムではなく「哪吒(ナタク)」と呼ぶ理由とか、カトルとマグアナック隊の関係とか、アニメの中では明かされなかった設定とかが明かされる部分は面白い。
「マックスウェルの惨劇」とかも確か単語としては出たけどその内容が語られたりはしてなかったはず。(間違ってたらゴメンなさい)
その辺りはまあ良い。でも個人的にはあのキャラとあのキャラが実は幼少期に出会っていたとか、ニアミスしていたとか、そういうのもやたら多いんですけど、私個人としてはそういうの凄く嫌いな路線。理由は世界観が狭く感じるから。
たかが10人とかそこらのメインキャラが、本人は意識していないだけで過去から何度も交錯していた!ってなるとこの世界の人口いくらだよ?たまたま万に一つの奇跡とかならこんな偶然があったのかと面白がれもするけど、それが何個もあると、とたんに安っぽくなる。
奇跡なんか安いものだ。特にガンダムWはな。と言いたくもなる。
私はねぇ、長期連載物の漫画やアニメなんかもそうなんだけど、終盤とかで特にフラグも立って無かったキャラ同士のカップルとか成立しちゃうのちょこちょこあるじゃないですか。あれが凄く苦手。画面に映っていない所でも人なんて何かしら動いてるものでしょうし、逆に今まで一度も出てきた事もない馬の骨とかと結婚しましたとかの方がずっとリアルに感じて好きなんですね。だって現実ってそうじゃないですか?
「フローズンティアドロップ」もまだ序盤しか読んで無いですけど、隅沢さん、自分で生み出したキャラがもう好きで好きで仕方ないのでしょう。それは結構なんだけど、そのせいで世界がメチャメチャ狭い印象。
そして今回のあとがきにも書いてありますが。今回漫画化した話は元々は池田監督から指示されて書いていた話だけど、池田監督が降板して高松監督になっちゃったからお蔵入りになってた話を漫画で復活させたという事らしい。うーん、「FT」の時も似たような事書いて無かったっけ?
とにかく監督の事が大好きでリスペクトしてるのは伝わるんだけど、実際のご本人を知らない私にとっては、1度ならず2度も3度も職場放棄する監督がそれでも干されず重宝されてる理由がわからず不思議で仕方ない。誰か業界内の事詳し人に教えてほしいです。
一般的な社会なら、たった一度でも信用を無くしてしまったら、それを取り戻すのって相当に難しいのに、それを何度も繰り返しても許されてる人って、何か特別な理由があるんでしょう。
で、そんな信用うんぬんに絡めれば、今回のお話の中でカトル君の話が一番面白かった。カトルは兄弟が多いの本編でも描かれてましたが、それは試験管ベビーというか今の世の中の人工授精とは違うガンダムWの世界の独特の技術、母親の胎内ではなく人工子宮的なもの?そういう機械で培養される形で生まれた存在。ああ、現実世界とはまた違う、ガンダム世界というかSF小説世界で言う方のクローン人間みたいな感じ(プルシリーズとかの)
この辺のね、現実世界で言う「試験管ベビー」とか「クローン」ってアニメや映画や小説だと違うじゃないですか。まぎらわしいというかわかりにくいです。
それはともかく、そんなカトル君は僕は母親から生んでもらった子供じゃないから、そもそも人間ですらないんだ!とか言いだしてヤサグレてるのです。
え~カトルきゅんは幼少の時からずっとやさしい子じゃなかったのか。こんな反抗期みたいなカトルきゅんの時期もあったのね。そんな自暴自棄になってる所を救ってくれたのがラシード達マグアナック隊。
話の中で、マグアナック隊の全員がカトルと同じように試験管出身である事が明かされ、だからこそ彼らは「マグアナック=家族」を形成しているのだと知る事になる。というのは素直に面白かった。
私はてっきりウィナー家の関連企業みたいな所でカトルもその跡取りだからフォローしてるものだと思ってました。
ガンダムパイロットの中でカトル君だけヒロインというかミューズ的な存在が居ないの、中の声優が一人だけ女性だからとか関係あるんだろうかとかちょっと思ってたけど、マグアナック隊って従者とか部下じゃ無く家族という関係で、カトル君にとっては戻るべき場所はそこなのね、という感じでちょっと嬉しい。
まあ実際はカトル君の場合上の兄弟達と違って、実母が出産して生まれてはいるんだけど、そこで無理した結果なくなってしまった。それをカトル君本人は知らないんだけど、知ったら知ったで自分が母親を殺したんだってまた闇落ちしそうですし、そこは知らないままの方が良さそう。
ところでこの本、なんか調べた所まだ電書化されていなく中古本でも1万円近くする
みたいです。でもサンライズ公式の奴ですし、待ってればそのうち来るでしょうからこういうのは焦らないのが無難。
30周年PVで五飛の嫁とかちょこっと出てたので、
そこで後追いとかで知らなかった人がこの本が初出だ的な所で読んでみたくなって瞬間的にプレミア化しただけでしょうきっと。
「フローズンティアドロップ」の方も後半数巻はともかく、1巻なんて2~3か月前なら100円で売ってたのに、直前に調べたら2000円くらいまで値上がりしてました。どうせまた1~2年後には投げ売りされてるでしょと思う反面、現物の本の需要はもう見る見る無くなってきてるのもまた事実なのでタイミング的にはちょっと微妙なのも確かです。私もそろそろ終わりと思ってちょこちょこ色んなものを集めてる所ではありますし。
という事で「敗者達の栄光」を読む前に一通りW関係の漫画も感想書いて消化していければなと思います。
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