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インクレディブル・ハルク(MCUその2)

インクレディブル・ハルク(1枚組) [AmazonDVDコレクション]

原題:THE INCREDIBLE HULK
監督:ルイ・レテリエ
アメリカ映画 2008年
☆★

 

「アイアンマン」に続くマーベルシネマティックユニバース(MCU)2作目。
ブログ立ち上げて最初に乗せた記事がアイアンマン1でしたが、関連作を少しやりつつ、それでも月に2~3作くらいづつ見直して記事書いていこうと思ってたものの、やっとこれが2本目。最初は新作の「ブラックウィドウ」まで間に合うかな?・・・と考えていた時期が私にもありました。月一ペースじゃ2年かかるよ!

 

まあそんなこんなで「インクレディブル・ハルク」です。
主演のエドワード・ノートンがこれ1作でマーベルと決裂して役を降りてしまったのもあり、MCUの中でもコンティニュイティが限りなく薄くなってしまった印象もある本作。
アベンジャーズ以降でハルクを演じることになるマーク・ラファロを頭に思い浮かべながら見る気持ちで望んだのですが・・・う~ん似ても似つかぬ容姿に、せめて声優さんが同じならまだしも、今回のブルース・バナーは水嶋ヒロ。いかんともしがたい。

 

公開当時は、私も割と普通に楽しんだクチなのですが、今の「MCU」っていう流れありきで見るにはなかなかキツかった。その後「ハルク」単体で作品が作られないのは、決してこれが失敗したからではなく、ハルクのキャラクターはMCUで自由に作れても、単体の映画はユニバーサルが今でも権利を持っているので、そこを通さないと作れないのだそうな。だからアベンジャーズやソーの映画の方でハルクのストーリーを同時に進めたという話です。

 

ただ、そもそもハルクって主役で単体映画を作るのは難しそうなキャラだなって印象も同時にある。原作では普通に何十年も個人誌やってるので実際そんな事はないんだろうけど、「ワールド・ウォー・ハルク」みたいに暴走したハルクを他のヒーロー達が止める、みたいなのがなんとなくの私のハルクのイメージ。「プラネット・ハルク」はバトルロイヤルで話使ったので、この作品からのMCUへの唯一の繋がりともいえるサンダーボルト・ロス将軍を生かしたレッドハルク編なんかはいずれやってくれるのかなとは思います。

 

MCUと言えば、見直して思ったのですがトーンが暗いというか、コメディーシーンが少ない。2~3あるにはあるし、そもそも他のMCUだって決して笑えるシーンが常にいっぱい入ってるわけでもないと思うのですが、ちょっとそこにも差を感じました。
ああ、そうか他のMCU作品って予告編でコメディーシーン1つくらい入れてたりする事多いですし、そういうのを何度も見るからMCUには笑えるシーンあって良いよね、ってなってるのかな?戦略としてのイメージ付けが上手い。

 

本作を語る時に、必ず語られるのがいわゆるオリジンストーリーをタイトルバック2~3分くらいで済ませてしまう手際の良さ。MCU以前に作られた、アン・リー版「ハルク」も私は決して嫌いではないのですが、あれは見返すと必ず寝る。サム・ライミ版「スパイダーマン」も「X-MEN」も「デアデビル」もあの時代に作られたアメコミ映画は何度も見返してましたが、ハルクはどうしても見返すたびに寝てしまう。ジェニファー・コネリー好きですし、あの作品も駄作扱いするつもりは全く無いのですが、やっぱ寝ちゃうんだよなぁ。

 

本作を映画館で初めて見た時は、俳優や設定はちょっと違うけど、一応あの話の続きみたいなものと思ってもらってもいいよ、という風に言ってもらえてるようにも思えて、無かった事にはされてない所は凄く好印象でした。

 

オールドファンにはTVドラマ版の「超人ハルク」もありましたしプロレスラーのハルク・ホーガンもこのハルクから名前がとられてて、ちゃんとマーベルに権利料が払われてたりするくらいに昔から有名なキャラクター。アイアンマンよりずっと知名度は高かった。そういう経緯もあって、前の映画でオリジンもやったし、今回は基本設定すっとばして最初からドラマやるよ、冒頭は「超人ハルク」と同じく「逃亡者」設定ね(と言う所で旧TV版のテーマ曲が流れる)な流れは今見てもなかなか斬新だなと思います。

 

ただ、今回見返して思ったのは、ラストのハルクVSアボミネーション。どちらもいわばクリーチャーで、CG同士が戦わざるを得ないのですが、なんか、アニメを見てる気分にさせられて(実際アニメと言っても差し支えないですが)そこに時折他の実写の人物のカットが入るので、そこがすごーく変な感覚でした。
「実写版ライオンキング」・・・いやCGなので厳密には「実写風ライオンキング」です!みたいなシュールさをちょっと感じてしまいました。ハルクは元がマンガですのでそもそもそれで良いとも言えなくない、みたいな不思議な感覚。

 

正直、MCUの中でも「無かった事」にしても良いんじゃないかって気すらしてきましたが、「エンドゲーム」で名実ともに映画界のトップにまで上り詰めた今だからこそ、初期の頃は色々苦労してたんだよ!というのを存分に味わわせてくれる「インクレディブルハルク」もまた大切な歴史の1ページとして味わい深いとも言えるのではないかな、といったところです。


8/1公開:『インクレディブル・ハルク』予告編

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