劇場版 騎士竜戦隊リュウソウジャーVSルパンレンジャーVSパトレンジャー/魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO【スーパー戦隊MOVIEパーティー】 SPOT映像(30秒)
監督:渡辺勝也
日本映画 2020年
☆☆☆☆☆
「スーパー戦隊MOVIEパーティ」として「魔進戦隊キラメイジャー エピソードZERO」との二本立てでの公開。ちょっと前までは近所の映画館では公開予定に入って無かったので遠征して見ようかなとは思ってたのですが、何故か普通にタイムテーブルに入ってたので初日に見れました。
TVシリーズの「リュウソウジャー」は序盤がやや盛り上がりに欠ける感じで前年の「ルパパト」があまりに面白すぎた分、微妙な感じではいたのですがナダ編辺りでだいぶ盛り返してきたようには思います。
が、それでもそれでもとにかくルパパトがメチャメチャ面白かったので、今回のVSもリュウソウジャーより「ルパパトの最後の作品」としてどうしても見ておきたかった。と同時にルパパトに会えるのも今回で最後か・・・、という気持ちも結構大きかった。
スタッフの名前までは調べずに見に行ったのですが、見終わって納得。香村純子脚本なので、とにかくキャラクターの立て方、絡ませ方が抜群で面白いし、「ルパパトのその後」がオマケな感じでなく地続きで、何の違和感も無く見れたのが物凄く良かった。勿論、月日は流れてはいるんだけど、TVシリーズのあのラストから今はこういう状況になってるんだな、という行間の読ませ方が絶妙。
香村純子って「ジュウオウジャー」も「ルパパト」もどちらもそうだったと思うのですが、1年を通してのシリーズ構成って小林靖子みたいにキャラを立てつつ1年の流れも山場とかを上手く作ってる感じでは無いと思うんですよね。キャラクター描写に力を入れすぎてメインストーリーはスローペース、で終盤だけ急に詰め込みまくって最後は締める、みたいな印象。
でもそのキャラクター描写が一面的でないのが凄く面白い。熱血レッド、クールなブルーとか妹タイプの可愛いヒロインとビューティーなお姉さんタイプとか単純に一言で言い表すにはちょっと違う部分もある、みたいな。「ヒーリングっどプリキュア」も香村純子がシリーズ構成なので、そんな感じになるのではと思っております。
でもって、そんなプリキュアのシリーズをまたぐクロスオーバー作の春映画は新人と先輩の引き継ぎが描かれますが、こちらの「スーパー戦隊VSシリーズ」は現行作品の終盤になってから作られるので、引き継ぎ要素もゼロではないにせよ、割と対等な関係。キャラクターの個性もドラマが重ねられた上で作られるので、現行と前シリーズの組合せの妙が面白さに現れてきます。そこが今回はとにかく面白かった。
■朝加圭一郎/パトレン1号
バンバとの堅物同士の絡み。相変わらず圭ちゃんだなぁと思える所が多くて凄く嬉しくなってしまいました。そしていつかのあの場所での魁利君との再開。「ルパパト」本編での二人の関係性が一気に脳裏に蘇ってきて泣かせに来ます。圭ちゃんと魁利君それぞれの立場や性格の違いも含めたこの二人の関係性、すごく良いよね。
■陽川咲也/パトレン2号
圭ちゃんがバンバとなら、こちらは緑の弟分同士としてトワとの絡み多し。そしてスーパーパトレン2号!おいしい見せ場もありました。
■明神つかさ/パトレン3号
この人雑誌のグラビアでエロいボディを惜しげもなく見せてくれてますね、コンビニとかで、あれ?つかさ先輩じゃんってよくお見かけします。こちらはピンクヒロイン同士・・・ではなく婚活戦士カナロに目をつけられる。そして何気に入ったお店で透真君との再開。赤同士、2号とルパンイエローに負けず劣らず、実はつかさ先輩と透真君の絡みもまとめ役同士で実は良いんだよなぁ。
■夜野魁利/ルパンレッド
コウとの絡み多し。ここは脚本が上手く出来てて、無垢なコウ(本編だと黒い過去もありましたが)と斜に構える魁利君だけど実は・・・みたいな所が良い。ちょっとだけ大人っぽくなった姿と、ルパレン同士では繋がってはいるんだけど基本一人で怪盗やってるっぽいその後、がまたグッと来ます。
■宵町透真/ルパンブルー
え~!彩さんとは距離を置いてるんだ。多分、ルパンコレクションをコンプリートするまではって事だよね?透真らしい。(つか、そこの話は完結してないのでストーリーは続けられるんだよな)やはり透真、つかさ先輩、カナロのあのシーンは爆笑。
■早見初美花/ルパンイエロー
どぅーさん大人っぽくなってました。リュウソウ側ではなんとオトちゃんとの絡み。誌穂ちんのマンガが単行本化されてるといったわかる人だけわかる小ネタも。咲也との関係は進展してないものの、意識はしてるっぽいセリフもあってとてもらしくて和む。そしてこちらはスーパールパンイエローに。
■高尾ノエル/ルパンエックス
ルパパトでもつなぎ役でしたが、今回もリュウソウとのつなぎ役。そしてやはり・・・無駄にアクロバットを披露する聖也君なのであった。
他にはコグレさんは魁利君とラインのやりとりで名前だけ出る。ヒルトップ総監は出番なし。ジム・カーターは出番あり。
前作の「ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー」はお祭り感の特別編、っていう感じでしたが、やっぱり今回は最終回のその後の続き感があってすごく面白かった。
そして「キラメイジャー」の方の記事でも触れましたが、今回はロボ戦無し。個人的には戦隊も単純にヒーロー物の一つとして見てるので、実はそんなにも気にはならないのですが、以前、昔から特撮好きな友達に「ルパパト」最高に面白かったよ!って言ったら、良かったけどルパパトはロボ戦が弱くてそこはちょっと、って話してて、ああなるほどロボ戦はスーパー戦隊にしか無い要素だし、古参のファンはそこも重視してるんだなって気付かされた事がありました。
私は「ゴーバスターズ」好きなんですけど、ゴーバスはロボ戦と等身大戦が同時進行する事が多くてそこが凄く新鮮で面白かったんですよね。
ロボ戦もスーパー戦隊の醍醐味と考える人には今回全く無しってのは気になる部分かとは思います。
あと、ルパパトの事ばっか書いてますが、どちらかと言えばルパパトの世界観にリュウソウジャーがお邪魔するという感覚が非常に強い。見せ場に関しては全然リュウソウ側も同じくらいありますし、オトちゃんとクレオンもとても面白い絡みを見せてくれます。
でもTVシリーズもそうだけど、何故かういちゃん出てこなくなっちゃいましたよね?そこはちょっと気になってます。単純に好みで言えばオトちゃんかわいくって好きなんで出番が増えてくれて嬉しいんだけど、ういが出ないのは大人の事情みたいなのも絡んでるのかと無駄に勘繰りたくなるのでそういうのはちょっと勘弁願いたい所。
しかしやはりルパパト今回で見納めはとても寂しい。「10イヤーズ」まで待たなくてもいいのでルパンコレクション収集の顛末とか、完結編が見たい。いや、最終回と同じように、彼らの関係は今後も続いていて、今もこの空の下のどこかで相変わらずやってるよ、的に想像するのもまた良いのかもしれません。
と言う事で、VS、キラメイ、さらにはプリキュアまで含めて「スーパー戦隊MOVIEパーティ」メチャメチャ楽しんできました。