僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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小さい魔女とワルプルギスの夜


映画『小さい魔女とワルプルギスの夜』本予告

原題:Die kleine Hexe
監督:マイク・シェーラー
原作:オトフリート・プロイスラー「小さい魔女」
スイス・ドイツ合作映画 2018年
☆☆★

 

<ストーリー>
森の中の小さな一軒家に暮らす小さい魔女。口は悪いが気は優しいカラスのアブラクサスが相棒だ。彼女の夢は年に一度ブロッケン山で開かれる魔女の祭り〈ワルプルギスの夜〉で踊ることだが、参加できるのは大きい魔女だけ。127歳の小さい魔女はまだまだ半人前で、今年も招待状は届かない。

あきらめられない小さい魔女は、こっそりと祭りに忍び込み、踊りの輪に入ることに成功。だが、喜んだのも束の間、ルンプンペルおばさんに見つかり、つるし上げられてしまう。大目玉を食らいながらも、何とか一番えらい大きい魔女から、来年の〈ワルプルギスの夜〉で〈良い魔女〉のテストに合格したら、踊ってもいいと約束してもらう。ただし、もし出来なければ、恐ろしい罰が待っている。

帰宅した小さい魔女は、さっそく大きい魔女から渡された〈魔法辞典〉を開き、1年で7892個の呪文をすべて覚えるという宿題に取りかかる。果たして、小さい魔女は無事に〈良い魔女〉になれるのか……。

 

とゆー事で「小さい魔女とワルプルギスの夜
タイトルに惹かれたのと、児童文学の映画化って割と好きなジャンルなので見ておく事に。いつも行ってる映画館じゃないとこでやってたので、ネットで予告編を見ると、ん~子供向けっぽいかな?いやそりゃ児童文学なんだから子供向けでしょって話ですが、大人が見ても面白い児童文学物も結構あるので、そういうのだったら良いなと期待を込めて見て来ました。

 

「ハイジ」の実写映画版も作ったスタッフだそうで、ハイジは見た友達がそこそこ良かったよ、と言ってましたので(私はまだ見てない)大きくは外れないだろうと。

 

う~ん・・・思ってた以上に子供向けだったかな?雰囲気や、若干低予算っぽい感じはしますが絵的な部分は悪くないです。個人的にはサントラが欲しくなったくらいに音楽も好き。

 

ただ若干、お話の方が微妙だったかも。ワルプルギスの夜のお祭りに参加したい小さい魔女(名前は出てこない)だが、127歳ながらまだ魔女としては認められておらず、1年間の修行とその後のテストで参加資格を得られる事になった。分厚い魔法辞典の全ての魔法を覚える事、そして良き魔女の行いをする事。町の子供達と交流を深め、成長していく小さな魔女だったが「良い魔女」の行いとは実は…。

 

ヒックとドラゴン」みたいに、魔女とはこうあるべきものという古い風習に囚われず、自分の信じる道をその個性で切り開いていく、みたいな話を期待してしまったのですが、魔女が単純に悪役以上のものではなく、ラストも「え?それでいいの?」と言ってしまいたくなる終わり方でした。

 

この作品に限らず、話や児童文学、一般的に「魔女」と言われて浮かぶ悪役のイメージに対して、何か現代的なアプローチでメタ的に再構築する、みたいなのが欲しかった。それこそ「ワルプルギスの夜」と言ったら今だと「まどかマギカ」を思い出してしまいますが(実際は本作でも描かれるドイツで4月30日にブロッケン山で行われるお祭りの事のようです)まさしくそういう作品だったわけで、それに影響を受けて作られた「マジカルガール」という映画も、アプローチの方法も話も全く違いますが「魔女」の定義を改めて問い直す事をやっててすごく面白かった。


何も魔法少女が見たかったとかいう話じゃなく、原作や児童文学というベースを生かしたままでそこに何か現代的な要素があって良かった気がする。なんかすごく古典を古典のままやってただけのような気がして、そこがちょっとだけ物足りなかったかなぁと。

 

私は原作読んで無いので、原作好きな人にとっては、いやいやこれでいいんだよ、ってなるのかもしれないですけど。

 

主演の小さい魔女役の女優さん魔女らしく鼻が凄く高いのですが(特殊メイク?素?)最初はあんまり可愛くないなぁとか思いながら見てると、どんどん可愛く見えてくる辺りは素敵です。声は坂本真綾

あと相棒のカラスのアブラクサス山寺宏一。良いキャラしてましたが、猫好きな私にはやっぱり魔女には黒猫が相棒でいてほしかったりも。

 

色々と気になる所はありましたが、ビジュアルは悪くないし一見の価値はあるかな。
おちこんだりもしたけれど、私は元気です。キュアップラパパ!(違う)

原作

小さい魔女 (新しい世界の童話シリーズ)