僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

さよならテレビ


映画『さよならテレビ』予告編

監督:圡方宏史
日本映画 2020年
☆☆☆☆


「あやしいお米」「セシウムさん」で有名になった東海テレビ制作のドキュメンタリー。2018年にテレビ放送されたものを再編集して劇場用映画にしたものという事ですが、監督インタビューなんかを見ていると、作り的には最初から映画を将来的な視野には入れてて、まずは映画と同じくらいの尺(110分)のものを作った上でそれをテレビ放送用に77分に短くして放送した、という感じのようです。

 

自分達が所属する東海テレビ報道部の内部にカメラを入れて、テレビのいまを映し出す。

 

ドキュメンタリーとは言え、きちんとストーリーラインがあって、最初に書いた不適切なテロップ時の現場の当本人でもある福島アナ。契約社員で、割り切った仕事をこなしつつもジャーナリズムを追い求める澤村記者。そして人員不足から派遣社員として配属された新人の渡邊記者。この3人を軸に1年半の報道部を追い、報道番組はどういった形で作られているのかを追う。

 

ええと、まず報道部の使命の三カ条みたいなものがある。
1.事件・事故・政治・災害を知らせる
2.困っている人(弱者)を助ける
3.権力を監視する

というのが作中で強調されるのですが、これってテレビの基本?ジャーナリズムの基本?それとも東海テレビだけが掲げているものなのでしょうか?


ごめんなさい、私はこれ全く知らなかったのですが、1はなんとなくわかります。でも2と3がテレビとは全く関係のないものと思ってましたし、そんなものをテレビに求めた事もなかった。

 

去年の後半だったかな?森達也監督の「i新聞記者ドキュメンタリー」を見てそれこそその主役である望月記者なんかは、2と3凄く持ってる人でした。でもそれって望月さん個人の善意なんだと私は思ってました。
もしかしたらジャーナリズムの基本の部分ではあるのかもしれないけど、そんなものはもうとっくに形骸化していて、その中で頑張ってるのは望月記者が個人としてそういう考え方を持っていて理不尽な現実の中でなんとか踏ん張っているんだと思ったし、今回の映画でも澤村記者が同じような気持ちを持って、現状に怒りを憶えつつ頑張っている、そういうもんだと思ってました。

 

だって作中で描かれるように、報道が未だに視聴率なんて曖昧な物を頼りに右往左往してるのを見たら、そんな番組に価値なんて見出せるわけないじゃん。
タイトルの「さよならテレビ」と同じく、私もテレビにはさよならした人です。(あ「ニチアサ」は見てるぞ!)

地デジ化のタイミングで、買い替えめんどくさいし、そのうちでいいやとか思ってたら、別にテレビって見なくても生活出来るんだなと気付いてしまってそれっきり。
一応、家にはリビングで母親が見てるテレビはあるので、それこそどうしても見たい番組はそれで見れば事足りるし、見る気になれば最低携帯でもテレビは見れる。それでいいかなって。

私が一般的な感覚とは思いませんが、個人の理由で言えば私がTV見ないのは、TV番組なんてバカみたいなものばっかだし、それを見てたら自分も馬鹿になると思ったから。
実際そんな事は無いんですよ、TVの全てがそうだなんて判断する方がよっぽど馬鹿だし、その中で良い物を作ってる人には逆に失礼だとは思います。そこはホント申し訳ない。でもそういうイメージがついてしまうとね、もういいかなぁみたいに思ってしまうのでした。

 

そんな人ですから、映画ではやっぱり澤村記者にグッと来ました。報道番組だって食レポとかで視聴率とらずに、どうやって多くの人に伝えられるかの方を議論すればいいのにと思ってしまう。う~んこういう考え方自体がもう古いのかな?

 

TVの話だけにとどまらず、ここからまた自分語りをします。このブログについてです。初投稿した記事に、以前にも私は別のブログをやっていて、仕事が忙しくなって止めてしまったと書きました。でもって10年近くのブランクがあってブログを再開してみたものの、その10年で世の中のブログの位置づけ、使われ方なんかが変わっていたんですよね。

 

まずブログの書き方。最初に箇条書きでおおまかな内容が段落分けされて書いてある。中には、だいたい何分で読めますよなんて事が書いてあるのも結構見かけます。わかりやすいし、親切で良いと思います。今はこういうテンプレートみたいなのがあって、私もそれに見習わなきゃいけないな、とか最初思いました。

 

でもさ、そういうブログって薄いのよ。簡単な調べ物をするのには良いとも思ったし、そういう役割をしてるのが今のブログなんだなとも思った。でも濃い感想とか考察とかそういうのを探す時は、そういうのが山ほど出てきて逆に物凄く邪魔になります。
そんなのPV稼いでアフィリエイトで金稼ぎたいだけじゃん。

 

わかりやすさとか、読者の目線に立って読みやすくとかは凄く重要。そこは私ももう少し考えていかないといけない部分だなとは思っています。ただ、アフィリエイト稼ぎの為のブログにはしたくないし、そういうものと一緒にしてもらっては困る。
私は濃い感想とかが読みたいし、決してそれが主流ではないのをわかった上で私と同じようなタイプの人に読んでもらいたいし、少ないながらもそういうニーズもあるのではないかな、と思っております。

 

取り上げるジャンルもそう。きっとブログのアドバイザーみたいな人に言わせれば、映画だったら映画のみ、プリキュアだったらプリキュア、アメコミならアメコミに絞った方が良いと言われると思うんですよね。確かにその方が読みやすいし、専門の方がファンもつくと思います。ゴメン、でもそれ今の所やりません、しばらくはジャンルミックスで行くつもりです。だって自分が興味無いものでも、え?何これってたまたま手にとってそこから新しい世界が広がるとかあるじゃん。そこがこのブログの狙いです。

 

アクセス解析でPV数とか多い記事があるとやっぱり嬉しいですよ。お、これが人気あるんだ、みたいなのがわかって面白い。でもそこでついつい人気があるからそれをやろうってなるのは気をつけたいなと改めて思ったしだいです。

 

ここはアフィリエイトサイトじゃないので曖昧な視聴率なんか気にするよりも一つでもこの記事面白いな、他では見ない事を言ってるな、なんて思ってもらえれば、それで良いよなと再度思うに至ったしだいです。まだ2カ月分の記事しかないので反応は無いですが、いずれは面白い記事ですね、って言ってもらえる事を夢見て。

 

今の所、渡邊記者みたいな私ですが(アイドルは全くわかりませんが)頑張って澤村記者のような人になりたいなと思ったしだい。見守っていただけると嬉しい。

 

そんな事を考えてしまったこの映画、すごく面白かったです。

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