僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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エクストリーム・ジョブ


映画『エクストリーム・ジョブ』予告編

原題:EXTREME JOB
監督・脚本:イ・ビョンホン
韓国映画 2019年
☆☆☆

 

<ストーリー>
忙しく走り回りながらも、思うような実績を積めずに解散の危機を迎えている麻薬班。国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報を入手したコ班長は、チャン刑事、マ刑事、ヨンホ、ジェフンの4人のチーム員たちとともに潜伏捜査を開始する。24時間監視のため、犯罪組織のアジト前にあるチキン屋を買い取り、麻薬班メンバーによるチキン屋稼業をスタートさせるが、絶対味覚を持つマ刑事の隠れた才能により評判が広まり、チキン屋は捜査にも手が回らないほどの大人気店となってしまう。そんなある日、麻薬班に捜査の絶好の機会が訪れるが……。

 

とゆーことで「エクストリーム・ジョブ」みてまいりました。「パラサイト 半地下の家族」の熱も冷めやらぬまま、次の韓国映画は歴代興行収入1位に輝いたというこちらの作品です。

 

冒頭からとにかくコメディコメディコメディともう矢継ぎ早に笑えるシーンの連発。ネタがまだ続くまだ続く。思ってた以上に長く続いて、何これすげー面白い映画じゃん、というのが第一印象。

 

張り込みの為にフライドチキン屋に偽装したものの、予想外にお店が大繁盛しちゃって、というシチュエーションの面白さを狙った作品なのかと思ってみたのですが、なんというか、そこだけでなくまるでコント番組かのようにコメディの連発でした。

 

チキン屋になって、日本人ネタ辺りの所までは、私もゲラゲラ笑いながら見てました。これは面白いぞと。

 

・・・が、フライドチキンとか油物って2つ目、まだ3つ目くらいまではおいしいんですよ。でも、おじさんになるとね、そんなにいっぱいは食べなくても良くなる。とゆーか食べられなくなります。

 

そろそろ胃もたれしてきたし、味も飽きてきたぞ・・・なんて思った瞬間、ふと、ある人の名前が脳裏をよぎりました。これ、福田雄一と同じノリじゃね?
さあ、一度そう思ってしまったらもう大変です。そこからはもう苦痛で苦痛で仕方なくなる。

 

映画ファンならもはやアレルギー反応と言っても差し支えないくらいの、福田雄一監督。いや、1本だけ見るならすごく面白いんですよ福田雄一も。このシュールな感じの笑い、斬新だな~とかついつい思ってしまう。

 

でも、やる作品やる作品の全てがただ同じ事を延々と繰り返してるだけ。私は「変態仮面」と、後何かもう1本くらい見たっけかな。それの他にTVドラマの「今日から俺は」とかは見てます。原作好きだったので。「銀魂」とか割と漫画原作物とかを多く手掛けてますし、今だと「ヲタクに恋は難しい」とかやってますよね。割と面白そうな素材かも、見てみようかな?とか思っても「監督 福田雄一」とか見ると、あっ…(察し)みたいについつい。
勿論、見てないものをどうこう言うのは間違ってますし、面白い物もきっとあるのでしょう。ただ、評判とか聞いてもやはり、ねぇ?

 

つーかこの作品、福田雄一とか全く関係無いし、それを例に出すのも風評被害もいいとこです。ちょっと似たものを個人的には感じたのでしたという話。逆を言えば、ああいうノリが楽しめるのなら、それはもうメチャメチャ面白い作品だと思います。

 

「パラサイト」では台湾カステラとかが作中で触れられてましたが、不景気でリストラされる中で、日本で言えばタピオカブームみたいなのでひと山当てようとするけど、そうは上手く行かず、みたいな物の例として出ていたわけですが、フライドチキンも、リストラされた人が外資系の外食産業くらいしかもう雇ってくれる所がない(パラサイトはピザ屋でそこを描いてた)みたいなのがあるようなんです。
正直な所、その辺りの社会風刺を楽しみにしていたのでこの映画を見たっていうのもあるんですけど、うん、あんまり関係無かったですね。

 

唯一、お!これは面白いし案外他の作品では見た事無いかも?と思ったのは最後のアクションシーンで「あいつらなら大丈夫だ。何故ならあいつらは・・・」という感じで主役5人の個性をそこで明かす、という構成はとても面白かった。
勿論、前半でのそれぞれのキャラクターの立ち位置や話し方、関係性一つで十分に個性は際立って居るのですが、そこからラストでもうひと山持ってくるという作りがまさしくカタルシスを感じさせてくれて、そこは良く出来てるなと感心させられました。

 

当たり前の話かもしれませんが、韓国でもいわゆるこういう作品がナンバーワンヒットとかになるのは、例え国が違っても人間大してかわんねーものなんだなと思えて、そういう所はちょっと面白いです。
そこ考えると、例えスコセッシやらケン・ローチにいくら批判されようが全米ナンバーワンを記録した「エンドゲーム」は物凄い事をやってのけたんだなと改めて思ってしまうのであったとさ。

 

1年後か2年後、「あの5人が帰ってきた!フライドチキン屋の次は○○屋!」とか山ちゃんか或いは菅原正志辺りの声で続編の予告編をやってるのがもう目に浮かびます。

 

よくよく考えると、ポン・ジュノとかパク・チャヌクとかキム・ギドクとか韓国映画はそんなのばっかり見てて、普通の娯楽大作みたいなの初めてみたかもしれません(「新感染」はどうだろ?)色々な意味で面白い作品でした。

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