僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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リスアニ! 2020 MAR. Vol.40.1 「ガンダムシリーズ」音楽大全 -Universal Century-

リスアニ! Vol.40.1(M-ON! ANNEX 644号)「ガンダムシリーズ」音楽大全 -Universal Century-

エムオン・エンタテインメント刊 2020年
☆☆☆☆

 

アニソン専門誌…なのかな?雑誌タイトルくらいは何と無くは知ってる程度で表紙とか特集によっておそらく立ち読み程度はした事あるかもしれない、ぐらいの雑誌ですが、今回は別冊(多分)でガンダムシリーズのみの特集。
何せ40年も続くタイトルですので、1冊では収まりきらず、宇宙世紀編とアナザー世紀で分けての2冊同時刊行、こちらは宇宙世紀の方です。勿論、アナザーの方も買いました。ガンダムエースの発売日でしたのでそれもまとめてガンダム4000円のお買い上げ。

 

多分、これまでも雑誌内の企画や、シリーズの音楽を振り返るものは多少なりともはあったかと思いますが、主題歌だけでなく劇盤の方まで含めてここまでの分量での特集はこれが決定版と言っても差し支えないと思われます。

 

流石に関わった人、主題歌アーティスト全員とまでは行きませんが、「ZZ」のひろえ純とか新井正人とか、一応30年ぐらいはガンダムを追いかけてきてる私でも初めてインタビュー読んだってレアな人も結構多く居て、これは相当に貴重なものに感じました。個人的には「Vガン」に一番思い入れがある世代ですのでinfixのインタビューが読みたかったなぁ、割と有名ですが仮面ライダー用に作った曲なんですよね。

 

ガンダムの主題歌とか挿入歌、自分のipodにもほぼ、9割がた入ってますし、そういた人達のインタビューを読めるのは貴重な上、音楽に疎い私は劇盤とかはそこまで拘る部分では無かったのですが、そちら方面でも色々とこだわりや思い出なども知れて、凄く面白く読めました。

 

その音楽性以前の初代ガンダムから発注の時点で、たかが「テレビまんが」からの脱却を目指して作られていたっていう話は初耳で、そういう音楽の面からもこれまでのものとは違う新しい物を作ろうという意気込みがファーストガンダムにはあったっていうのは、物凄く興味深い話でした。音楽を作る人だけでなく、プロデュースする側の話も読めるのは面白い。

 

その後も、時代時代に合わせて、ガンダムの挑戦がアニメシーンを変えてきた事は私はあまり知らない事だったので、改めてガンダムの凄さを思い知らされました。

 

あと、音楽面とは少し違う話ではあるけれど、インタビューの締めの質問でガンダムが40年も続いてきた理由は何だと思いますか?みたいなのを多くの人に聴いてますが「大人になって見返した時に」って言うのが結構な頻度で出てくる。そう、それ何気に大きい要素ですよね。

 

勿論、最初のTVシリーズ、あるいは最初の劇場版3部作の時からファンの人は居るとは思うんですけど、ずっと継続してきてるシリーズなので、子供のころにガンプラとか
作った事あるけど、ぐらいの人が何かの切っ掛けで大人になってからせっかくだしガンダムちゃんと見てみるかな?ってなって、え?こんなに面白くてこんなに凄い話だったの?っていうカルチャーショック(?)みたいなのを受けるのって結構大きいと思うし、それってガンダムの特徴の一つでもあると私は思っています。

 

バンダイナムコタカラトミーのおもちゃを売るスタンスの違いってご存知でしょうか?バンダイって基本的にはTV放送している現行作品のおもちゃを売る、っていうスタンスで、TV放送が終わればおもちゃの製造も終了というのが基本。タカラトミーゾイドにしてもトランスフォーマーにしても、TV放送とかと連動はするものの、おもちゃの方が主導でゾイドもTFもメディアミックスが無くても単品で成立するおもちゃなんですよね。

 

ガンプラも基本的には現行放送展開中のものがメインにはなるけど、90年代後半くらいからMGとかHGで、TVとか映画は今やってるものでなくてもプラモだけが出る、という形を作ったのが大きい。現行作品では無い「終了したシリーズの掘り起こし」が、一部のニッチなマニア向けとしてでなく、それを当たり前の事に出来たのが、ガンダムがここまで大きいコンテンツに成長できた理由の一つでもある。

 

そういった背景があるからこそ、大人になってから改めて子供のころに触れたものを再体験する所に繋がって、新しい視点と新しい自分を発見して、ガンダムって凄くない?と思わせる、ある種のトリックにもなってたりする。そんな事も考えてしまう面白い一冊でした。

 

SDガンダム以外は基本全て見てますので、アナザーサイドの方もこれから読むの楽しみです。