僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

シビル・ウォーⅡ

シビル・ウォーⅡ

CIVIL WAR II
著:ブライアン・マイケル・ベンディス(ライター)
 オリビア・コワベル、ジム・チェン、デビッド・マルケス(アーティスト)
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2020年
収録:CIVIL WAR II #0-8(2016-17)FREE COMIC BOOK DAY 2016 CIVIL WAR II
☆☆☆☆

 

新たなインヒューマン「ユリシーズ」が開花させた予知能力。あらゆる犯罪と脅威を未然に防ぎ得るその力を巡って、ヒーローコミュニティは紛糾する。少年の力を有効活用し、より良き社会を目指すべきか、善悪の判断を他者に委ねる事だけは避けるべきか。せめぎ合う両者の主張は、少年が予知したある事件への対処策をきっかけに、ヒーロー同士の対立を生む事になる…。
マーベル最大の問題作「シビル・ウォー」第2弾登場!

内戦再び

 

という事で、ユニバースのメインストーリーとしては日本語邦訳版最新作となる「シビルウォー2」楽しみにしてました。本国での評価も低く、次のストーリーの繋ぎにしかなってないと前評判も宜しくなかったのですが、個人的には全然面白かったです。

 

まあ確かに予知によってまだ犯罪に至っていない前の段階でそれを逮捕できるのかとか、決して目新しい題材ではないし、そこでヒーロー全体が分裂・対立して犠牲者が出るほど激闘を繰り広げるというのも、対立させたいが為に作ったストーリー感はちょっとある。きっかけになったユリシーズの顛末も、個人的には面白いと思ったけど、雑な閉め方だなと感じる人は居そうです。

 

面白いのは思想の対立というより、個々のキャラクターの変化とかのドラマと、先が読めない展開とか、そっちの方でした。

 

「インビンシブル・アイアンマン:ウォーマシン」で直前まで活躍してたローディが、おいおいとなってしまう展開。トニーは友として、キャロル(キャプテンマーベル)は恋人としてそこをきっかけに戻れない道を選び対立する。

 

キャロルは感情的な面と、立場的な面で、やはり行きすぎな面は否めず。離れる味方も出始め、援軍に駆けつけるのもやや外様感のあるガーディアンズ。メインの駒もシーハルクが負傷離脱してしまうと、残るはアルファフライトくらいってちょっと。いやアルファフライトが今こういう感じになってるの知りませんでしたが。(カナダのチームとは関係ないとの事ですが、メンバーはそこから来てるしねぇ)

 

シビルウォー1におけるトニーの方のポジション、対立してるけど聞きわけが無くてどちらかと言えば「悪い側」に見えてしまう方が今回のキャロルの立場。

 

逆に今回のトニーは、前回の内紛の反省も含めてか、保守的な方の立場。というか、前回のシビルウォーのエピローグ編の「コンフェッション」でトニーは未来の幻視が切っ掛けで推進派の立場に立った事が明かされてましたが(「アイアンマン:シビルウォー」に収録の話)あれもベンディス脚本の話でした。(シビルウォー本編はマーク・ミラーで別)それ、今回は逆転してキャロルの方なんですよね。

 

さらにその切っ掛けを元に、リード・リチャーズが世の中の定理みたいなものを数式化してそれを元に未来予測をする、という形になってました(「ファンタスティック・フォーシビルウォー」にて)メインストーリーの方では深く追求されてなかったけど、タイイン誌の方でそんな感じの補足がされていたと。

 

そういうシビルウォー1の流れを踏まえて2を読むと、より面白さが増すような気がします。もう、やたら皆が「スティーブ・ロジャーズが居る方が正しい」みたいな事を言うのも、元々キャップがそういう立場のキャラだったっていうのもあるけど、キャップ好きとしてはちょと嬉しい流れでした。確か前のホークアイの個人誌の方でもキャップが居れば自分が正しい事をしていると思える、みたいなのありましたよね。

 

で、そういう対立の中で、何もしていないのに急に重荷を背負わされる事になるマイルズ・モラレス君。それに気遣うカマラちゃんとかノバとかアイアンハートとか、若い世代なりのベテランヒーローとは違う立ち位置が描かれてる所も面白かった。そうか、そっからチャンピオンズ結成に繋がるのね。

 

他にもブルース・バナーとホークアイの矜持。インヒューマンズやX-MENらのそれぞれの陣営の立ち位置とか、ユニバースのメインストーリー、大型クロスオーバーとしての面白さや流れを確認する感じで、とても楽しめました。旧シビルウォーだって正直単品で読んでもそこまでは、って感じでしたしね。

 

シーハルクの今後が気になる所ですが、次のメインは「マーベル怪獣大進撃」なの?お祭り企画色の強い奴じゃないのかな?全然知らないので、楽しみに待ちます。
その後がシークレットエンパイアになるのかな?インヒューマンズVSX-MENも飛ばしてほしくないし、ニューミュータンツの方も必ず買いますのでヴィレッジには今後も期待。ついでにまた通販限定でマニアックなタイトルも発売してくれていいのよ。

 

関連記事

ブライアン・マイケル・ベンディス

curez.hatenablog.com