僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝

マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

Magia Record: Puella Magi Madoka Magica Side Story
総監督・シリーズ構成:劇団イヌカレー(泥犬)
TVアニメ 2020 全13話
☆☆


アプリゲームのTVアニメ化。ゲームの方は全くやっていませんが、「魔法少女まどか☆マギカ」は大好きな作品ですし、割と賛否のあった「新編・反逆の物語」の方も私は大大大大大絶賛な人です。オールタイムアニメ映画で最も凄い作品は「イデオン発動篇」が長らく他の作品を引き離してぶっちぎりのトップでしたが、遂にそれに匹敵するくらい凄い作品が現れた!と思わせてくれる作品が「反逆の物語」でした。それくらい好きです。

 

なので、まどマギの新作アニメが見れる!と楽しみにしていたのですが、う~ん、どうしたものか?まあまどマギの続編では無いし、外伝だし…う~んう~ん、いや虚淵脚本でもないしな、う~んう~んう~ん、これ完結してないしな、と、どんどんハードルを下げていかなければならないハメに。正直言えばつまんなかったです。


勿論、面白いと思えた部分もあったので、期待のハードル上げすぎてたからちょっとその落差が大きすぎた、という面はあると思います。

 

まどマギ」って何が良かったかと言えば、先の読めないストーリーとかサスペンス、萌えアニメとシュバンクマイエル風の融合と言う見た目の斬新さ、きゅうべぇ…というか虚淵の屁理屈をこねる小憎らしさ、とか色々あるんですけど、10年代の空気を捉えた社会背景ありきのテーマとかが私の中では結構大きかったんですよね。

 

要は「大きな物語」の終焉とそこから脱却するには社会システムの根本から変えていかないと私達は幸せにはなれないんだよ、っていうのを描いていた作品なので、ものすごく時代性を反映していたのが凄く響いた作品になっていたんじゃないかと。当時の私、ミニコミ誌に参加した時にその辺の事をコラム記事にを書いたりしてました。

 

今回の「マギアレコード」もある意味では、不幸になっていく魔法少女達をいかにして救済するのか?がマギウスの翼の目的のようですので、セカンドシーズンでそういった所を上手く描いてくれるのであれば、マギレコすごい!ってなるのかもしれませんが、一つの区切りでも何でも無く普通に途中で終わっちゃったので何だこりゃ?な印象でした。

 

思いっきり宗教団体として描いてあったのですが、80年代くらいなのかな?日本でも新興宗教団体のブームみたいなのがありました。その辺も社会背景込みで見ていくと結構面白くって、ざっくり説明すると高度成長経済の真っただ中で、ベビーブームもあり、兄弟が2~3人居るのが当たり前という時代です。
長男は家を継ぐわけですが、二男三男は家を出ていかなければならない。分け与えられる土地があればまだいいのですが、この時点で割ともう土地は飽和状態。(その前の時代に日本が戦略戦争をしかけるのはそもそも土地が無いから外国を侵略して領土を増やす為ってのが根本にあるわけですよね)となると、都会に出て都市開発とかそういう出稼ぎをするしかなくなります。
家を出て、遠い所で家族との繋がりが薄れてしまうと、コミュニティの断絶が起きて、孤立が生まれる事になります。で、そこに新興宗教団体がつけ入る隙があったというか、家族というコミュニティから独立した人が、新興宗教団体という新しいコミュニティに所属する形になるわけです。そういう時代背景、社会背景になっています。95年を境にそれも収束しちゃうんですけどね。

 

そういった背景をベースにマギレコもこの後のストーリーを展開してくれれば面白くなりそうではあるんですけど、一体どうなる事やら。ゲーム版のストーリーの半分くらいのようですので、そこはセカンドシーズンを気長に待とうかと思います。

 

そういう感じの視点で見てますので、マギレコで言えば緑色の盾の子、二葉さなだったかな?彼女のストーリーに入った所は面白く見れました。孤立した存在が新しいコミュニティを得る、っていうのがさなだけでなく、みかづき荘チームそのものでもあるので、そこは凄く現代的なテーマですし、まどマギ本編とはまた違う社会構造の話ができそう。

 

宗教をただのオカルトとして描くのか、80年代新興宗教VS現代の疑似家族をちゃんとテーマとして持って行くのかはちょっと見所です。

 

とにかく、さなちゃんが出てくるまでがとてもキツかった。ゲームと細部は違っても大まかな流れは同じようですので、序盤の3人組チームの方?あっちの話無くても良かったんじゃないかなと思います。後半(セカンドシーズン)で何かしら意味や役割があるのかもしれませんが、ゲーム知らずにアニメしか見てない人には、あの3人何だったの?キャラクターが少し見えてきたぐらいの所で、今度はみかづき荘チームの方に行くので、また最初からやりなおし?みたいな感じで凄く入りにくかった。

 

ゲームやってる人だと、あのキャラが出てきた!みたいな楽しみがあるのかもしれませんが、そこ知らないと結構つらいです。オープニングに出てるキャラが少しづつ出揃ってきたなぁ、ぐらいの楽しみしか無くて、名前もロクに憶えられず。

 

序盤のマミさんと杏子も、ファンサービスなのか、あるいは今後きちんと絡んでくるのかよくわかんなかったし、やちよも意図してあえてなんでしょうけど、ほむらちゃん風のキャラなので、どうしても無印と比較して見てしまう要因になってしまって、まどマギのこの話数くらいならもっと盛り上がってたのになぁ、という変な不満に繋がってしまいました。(普通に全13話で完結だと思ってたので)


あと、無印キャラ出すなら、どの時間軸の、どの設定なの?ってのもよくわからず、モヤモヤしてしまう。さやかの髪飾りがffなので劇場版ループ中なのはわかるのですが。

 

ああ、ちなみに私は無印だと思いっきりマミさん派です。ホーリーマミさんはビジュアルだけ知ってましたが、まさかラスボスだったとは(ストーリー上は中ボスみたいなものなんでしょうけど)ネタ的にいじられるのはまあ別に許せるし、強かったからいいんですが、この作品のアクションの最大の見せ場みたいなのがマミさんVSさやかちゃんってどうなの?とかちょっと思ってしまいました。見た目は面白いんだけど、そういう所もまどマギの続編なのか外伝なのかよくわからん印象になってしまって、一体何をやりたいのかよくわかりませんでした。

 

キャラクターの一人一人は決して悪くないとは思う。中華娘とフェリシアと盾とやちよさんはキャラとしてはそれなりに気に入りました。が、いろはがよくわからん。何度か出てきた二人で合体技するみたいなのは、多分ゲームでも出来るコンビネーション攻撃なんだろうなとは思ったのですが、ドッペルって何?いろはだけの特性で何か秘密があるのかと思ったらやちよさんも出来るし、新編さやかちゃんの魔女化した能力を使えるあれとはまた違うのでしょうか?

 

セカンドシーズンの最後まで見て、マギアレコードはこういう作品という心構えがあった上で見ると、また違う印象は受けそうではあるんですけど、ファーストシーズンのみしか見てない段階では、結構厳しい感じでした。ああ、そうかゲームやってる人はこの先ももう知ってるから見れるし、作る方もそういう感覚なのかも。


次は半年後とかなのかな?もし、私と同じようにゲームやってない上でアニメを見てみようと思うのであれば、続きがすぐ見れるぐらいのタイミングで見た方が良いんじゃないでしょうか。それかゲームの進行と合わせてとか。

 

続きも見ますので、見終わった時に、マギレコ面白かったな、ファーストシーズン見た時の自分は何もわかってなかったんだ、なんて言えるようになってる事を期待します。


TVアニメ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」PV