僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズ VS 動物戦隊ゴーバスターズ

帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ [DVD]

監督:加藤弘之 脚本:下山健人
Vシネマ 2013年
☆☆☆☆

 

藤原啓治さんへの追悼を込めてこちらの作品を。主人公の桜田ヒロム/レッドバスターのバディロイドのチダ・ニックの声を担当。特別編のこちらではちょっとだけ顔出しでの出演もされています。

 

まずは藤原啓治さんについて。「クレヨンしんちゃん」野原ひろし役とMCU版トニー・スターク/アイアンマンの吹き替え版担当辺りがやはり有名どころでしょうか。私はガノタなので「機動戦士ガンダム第08MS小隊」のエレドア・マシスと「機動戦士ガンダムOO」でのアリー・アル・サーシェスが印象深い所。

 

あとはキャリア初期の頃だと思いますが「機動戦士Vガンダム」で、特に目立つエピソードがあるでもない実質のモブなのですが、名前ありの整備兵ストライカー・イーグル役で最初に藤原啓治の名前を私は意識したのかな。TVでリアルタイムできちんと追いかけたガンダムって私はVガンで、その前からSDガンダムとかでガンダム自体は好きだったのですが、やっぱり子供の頃はMSの方が興味の中心だったものの、Vガンの放送が始まって、これがリアルガンダムの衝撃なのか!と放送されるたびに毎週録画を3~4回も繰り返し見るほどにハマりました。なので脇役のキャラとかまでほぼ把握してたんですよね。整備兵で女の子のネスは出番も多くそこそこ目立ってたのですが、他にもクッフさんとかストライカーさんとか、たまに出てくるリーンホースのクルーも居て、そんな中で藤原啓治も出ていた、みたいな感じです。

 

さてゴーバスターズの方に話を戻します。スーパー戦隊の「帰ってきた」シリーズは、そのタイトル通り、TV放送が終了してから大体半年後くらいに発売されるオリジナルビデオ。撮影はTVシリーズから継続してすぐに作られてるので、あくまでOV用の特別編スペシャル的なものでしかないのですが、リリースまでに少し期間が開くので、ファンにとっては終了後の寂しさを紛らわせてくれる、またあいつらに会える!的なまさしく「帰ってきた」という感じの一本になっています。メインのキャラが様々なコスプレしたりと、どちらかと言えばファンディスク的なコメディ色強めの特別編。全てのシリーズで出るわけではないのですが、定期的には出てるシリーズ。

 

突然現れた謎の敵の前に全滅してしまうゴーバスターズ。偶然にもチダ・ニックが丁度100万人目の死者という事で、神様が一つだけ願いを叶えてくれる事に。TV本編のストーリーラインの起点になった、13年前の悲劇が無い世界を作ってほしいとニックは願う。そこで作られた世界は、ゴーバスターズの各メンバーが存在していながらもTVシリーズとは全く別の生活をしていた・・・的なお話。

 

ヒロムは教育実習生、リュウジは熱血教師、ヨーコはその学校の生徒。陣さんは用務員。と、ゴーバスならではのメンバーの年齢差がある特徴が上手く生きてます。一見平和な世界で安心したニック。しかしそこにも魔の手が伸び、世界を救うためにこちらでは特命戦隊ではなく、動物戦隊ゴーバスターズを結成!という流れになっています。

 

TVシリーズでは前年の「海賊戦隊ゴーカイジャー」が35年記念作品としてスーパー戦隊の集大成をやったので、翌年のゴーバスターズは、これまでの戦隊とは違う新機軸を打ち出した作品でした。個人的にもそのゴーカイジャーとゴーバスターズの2本は私もスーパー戦隊シリーズの中でも1・2を争う程好きな作品。

 

リアルタイムじゃないんですけど、最初はスーパー戦隊ちゃんと見た事無いから、一度見てみよう。せっかくなのでスーパー戦隊のざっくりした歴史も知れるし、ゴーカイジャー見てみようかな?と思って見たら、過去戦隊とか知らなくてもメチャメチャ面白くて、そこから戦隊にハマって、その後、評価の高い「特捜戦隊デカレンジャー」「侍戦隊シンケンジャー」辺りから見て、何作目かはもう忘れましたが、その流れで「特命戦隊ゴーバスターズ」も見て、これがまたメチャメチャ面白くてね。大好きな戦隊です。

 

ゴーカイが震災の年で(最初の予定では数名のつもりだった過去戦隊からの客演が、結果全シリーズ出る事になったのは、少しでも子供達に、そして世の中に何か自分が出来る事があれば、という気持ちが俳優を動かしたという背景もあるようです)そして翌年のゴーバスターズは小林靖子がメインライターで、失ったものは戻ってこないというシリアスで重めなストーリーラインでした。時代背景が作品に影響を与えている2作でどちらも名作です。(ちなみにプリキュアは震災の時が「スイート」で翌年が「スマイル」そちらも時代背景が作品に影響を与えていたりする辺りが面白い部分)

 

今回のOVは小林靖子脚本ではないのですが、シリアスで新機軸を打ち出したTV版「特命戦隊ゴーバスターズ」ではなく、もしゴーバスターズが今まで通りのベタで普通の戦隊だったら?みたいなノリで別の時間軸で生まれた「動物戦隊ゴーバスターズ」というのが登場。現実の震災、或いは作中設定の13年前の悲劇が無かったらゴーバスターズは特命戦隊ではなく動物戦隊になっていたかもね?という形。

 

「動物戦隊」はこの4年後のスーパー戦隊40作目「動物戦隊ジュウオウジャー」でも使われるのですが、ロゴが似てたりするのが今見ると面白い部分。動物モチーフは戦隊初期からあったものの、「動物戦隊」ってあまりにもベタすぎるからと直接タイトルにするのは結果避けられてきたタイトル。同じくOVの「帰ってきた侍戦隊シンケンジャー」でもやはりパロディー的に使われてたりしました。

 

その、もし…の「動物戦隊ゴーバスターズ」が専用のOPはあるわ、TVシリーズが作られたらという体で、第○話みたいな形でダイジェストで数話分作られ、緑の追加戦士のグリーンヒポポタマス(演じるはウサダ役の鈴木達央!)の登場と退場。さらには司令官枠の黒リンのブラックピューマとか、ベタさとパロディー加減が最高に面白い。最終回にはTVのピンクバスターとは別の設定でヒロムの姉がピンクキャットとして入ってる等、ファン向けのネタも秀逸。

 

メインで戦ったりはせず、両方の世界を繋ぐ狂言回し的な役割とは言え、ニックが主人公みたいな形になっていますので、藤原啓治さんがずっとしゃべりっぱなしです。


一時期病気療養で休業してましたが、その後はまた復帰されてトニー・スタークとか演じてらしたので、普通に回復されてたのかなと思ってましたが、突然の他界の知らせで、とてもショックでした。でもこうやって作品は残って行くし、心からありがとうと、そしてお疲れ様でした、とまずは言わせて下さい。


短いながらメイキングも入っていて、ずっと戦隊と関わってきたからこうやって初めて顔出しで出演出来て嬉しいって言う玄田哲章さんも凄く微笑ましいし、藤原啓治もはにかみながら今回顔出しでも出演出来て楽しかったよっていう姿をねこうして残っているのは、悲しさ半面、嬉しくもあります。


心よりのご冥福をお祈りします。


帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズVS動物戦隊ゴーバスターズ(プレビュー)