僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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キャプテン・アメリカ:ホワイト

キャプテン・アメリカ:ホワイト (ShoPro Books)

CAPTAIN AMERICA:WHITE
著:ジェフ・ローブ(作)ティム・セイル(画)
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション
アメコミ 2016年
収録:CAPTAIN AMERICA:WHITE#0-5(2015)
☆☆☆☆


キャップ&バッキー。
とある友情のポートレート

スティーブ・ロジャースが“自由の守護者”キャプテン・アメリカであることをバッキー・バーンズが知った夜、二人の運命は定まった……。
マーベルを代表するヒーローこと、キャプテン・アメリカが振り返る、親友バッキー・バーンズとの友情ポートレート


ジェフ・ローブティム・セイルがマーベルで手掛ける各キャラクターの初期の物語を新たな視点で描く「カラーシリーズ」4作目(日本語版の刊行では「ハルク:グレイ」と逆だったのでこっちが先の3作目)

 

スパイダーマンとグウェン・ステイシー、デアデビルとカレン・ペイジ、ハルクとベティ・ロスとこれまではヒーローがかつてのヒロインとの関係を振り返る、という形式でしたが、今回はバッキーがヒロインポジション。

 

勿論、ストレートなBLとかではないですが、キャップのバッキーへの想い、という意味ではそんなにかわりません。MCU映画ではバッキーは同郷の同世代の友達、という形になってましたが、原作でのバッキーは本来は「バットマン&ロビン」みたいな子供サイドキックの関係。

 

考えてみればバットマンとロビンだって同性愛の関係に見えるとかで弾圧された歴史があったりするわけですが、逆に今なら同性愛の何が悪いの?それを認めない方が不健全だし、そういうものに不快感を示すほうが時代遅れの古臭い人間、って感じになってるのが世の中面白いもんです。今はアメコミにも同性愛カップルとかごく普通に出てますしね。

 

まあ、子供を戦場に巻き込むっていう部分では流石に今でも問題な部分ですが、今回の作品はその辺りもテーマとして盛り込んである。

 

「ハルク:グレイ」では物事は白と黒にハッキリ分けられるわけじゃない、そういう意味での中間の「灰色」の物語だったわけですが、今回は、さらにそれ以前の物事を白と黒にハッキリ分けていた時代。いや、いつの時代にだって物事はそんなに単純であるはずがなかったのだけれど、白と黒があるものなのだと信じられていた時代、信じたかった時代・・・でしょうかね。

 

正義であるはずの白。そして純粋性という意味での白。
その辺りがテーマとして描かれる。

 

共に戦場を駆けるフューリー&ハウリングコマンドズとかパリのレジスタンスとかは多分「白」ではない。そういったものをきちんと描きつつ、キャップ&バッキーの純粋性と、それだけではいられない世の中の在り方。それでも二人が共に、互いを思い合い信じる心。その半身とも言える存在を失ってしまい、一人現代で生きているキャップの心情がモノローグで語られるのがすごく沁みます。

 

カラーシリーズ、どの作品も名作です。

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