僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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遊星からの物体X <デジタル・リマスター版>


『遊星からの物体X』デジタル・リマスター版予告編

原題:THE THING
監督:ジョン・カーペンター
原作:ジョン・W・キャンベル『影が行く』
アメリカ映画 1982年
☆☆☆☆★

 

<ストーリー>
1982年冬、南極基地の隊員たちが、氷の中に閉じ込められた何かを発見した。その正体は10万年前に地球に墜落し、氷の下で眠っていた宇宙生物だった。接触した生物の細胞に同化、擬態を行うその生命体は、次々と隊員たちを襲い、基地の中へと潜入する。
 およそ2万7000時間後には地球上の全人類と同化が完了するという試算結果に怯えた生物学者ブレアの手により、通信手段、交通手段を断たれ孤立した基地。一体誰が本物で、誰が“物体X”かわからないという究極の状況下で、疑心暗鬼に陥る12人の隊員たちは生き残ること が出来るのか―。そして人類の運命は果たして―。

 

映画館再開で2本目。新作が配給されないからなのか、デジタルリマスター版として「遊星からの物体X」が上映という事で、これは見ておきたいなと。作品自体は観た事ありますが、流石に映画館では見てない。

 

最初に観たのはいつだったっけかな?流石にビデオ時代では無いと思いますが多分10年以上は前。「ファーストコンタクト」の方に合わせてだったっけかな?ちょっと忘れてしまいましたが、その時の感想はまあ普通に面白い作品くらいだった気がします。

 

なかなかスクリーンで見る機会なんてないだろうし、せっかくだから見ておくか、ぐらいの気持ちで観に行ったのですが・・・これがまたちょー面白い。

 

確か、半リメイク、半プリクエルっぽい作りだった「ファーストコンタクト」でエンドクレジットでこの作品の冒頭のモリコーネの不穏な音楽で締めてた気がするのですが、そのおかげか、最初からグッと引き込まれます。

 

初見の時は、冒頭の犬をヘリで追いかけてるシーン、一体これ何やってるんだ?という不穏な幕開けくらいだったものが、最初からもうこれキター!みたいな感じで非常に楽しい。

 

カート・ラッセルって結構つぶらな瞳で、ヒゲとか生やして精悍な感じを出そうとしてるけど、結構可愛い顔してたんだな、とか余裕を持って観れる分すごく楽しい。

 

有名な血液検査の部分でも、来るとわかっててもタイミングまでは憶えて無かったので、ドッキリ&そうそうこれこれっていう感じで、2回目観ても全然面白い。

 

何より閉ざされた閉鎖空間で、人間同士が疑心暗鬼になってギスギスしていく様と、それが雪に閉ざされた南極基地っていうのがまず最高です。

私は、非日常へのあこがれって昔からあって、こういう空間に自分も身を置いてみたいっていう願望があります。多分、本当にリアルに巻き込まれちゃったら嫌なんだろうとは思うのですが、映画だとかゲームだとかでこういうの観ると、自分も体験したい、作品の中に入りたいって凄く思うんですよね。閉鎖空間でのサスペンスなんてドキドキするじゃないですが。このシチュエーション、ものすごく好みなのです。

 

そしてこの作品が後の作品へ与えた影響を考えると、その功績ってメチャメチャ大きいですよね。「寄生獣」だってこの作品が無かったら絶対生まれてなかったはず。

 

クリーチャーの造形も見事ながら(あの頭がカニ歩きするやつ最高)やっぱり私はこのシチュエーションに一番惹かれました。そして人間や犬に擬態する事で生まれるサスペンスの面白さ。

 

私はホラー映画が大好きですけど、ホラーに求めるものって怖さじゃないです。かと言って残酷描写やグロテスクさを見たいわけでもない。ホラー的な要素を持つものを使ってこそ描く事が出来るドラマが好きなので、根本的にはやっぱり「非日常」という要素なんだろうなと再確認できました。

 

やたらと爆発しまくりな所とか、ちょっとツッコミ所は勿論あるのですが、この作品の中の世界、こんなシチュエーションやストーリーに自分も入りたい!と思わせてくれて、最高に楽しい映画体験になりました。演出やアイデアの面白さで、本公開時から36年経ってもその面白さが十分に伝わってくるのはそれだけ優れた映画という事ですし、逆に言えば、今面白いと思った映画も30年後に見ても面白いままなんだろうか?とか変な事も考えてしまいます。

 

「ゾンビ」日本公開復元版の時にも思いましたが、こうやって昔の作品もスクリーンで観られるのは凄く幸せ。調べてみたら同じくジョン・カーペンターの「ゼイリブ」も30周年HDリマスターとか一部でやってたみたいじゃないですか。すごく見たい・・・。「ゼイリブ」もメチャメチャ面白い作品ですし、今の時代だからこそより響く内容ですよね。

 

コロナもまだ2波3派が怖いので、大衆が集まるような作品はまだ先送りにしてもいいと思うのですが、こういう観に来る人しか観に来ないタイプの映画、どんどん今の内にやってほしい。

 

「遊星からの物体X」改めて好きな作品になりました。多分昔の「遊星よりの」の方は観てないはずなので、そっちの方も観ておこうかなという気になりましたし、「ファーストコンタクト」もまた見返したくなってきました。

 

いやぁ~映画館って本当に良いものですよね。

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