僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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レッドソニア

レッドソニア [AmazonDVDコレクション]

原題:RED SONJA
監督:リチャード・フライシャー
アメリカ映画 1985
☆☆☆☆

 

エンニコ・モリコーネさんが亡くなられたそうです。
イタリアの作曲家で数々の映画音楽を手掛けられている、映画ファンには知らない人が居ない有名な方です。私は特別にファンという程でも無いですが、先日見た「遊星からの物体X」もモリコーネですし、映画ファンにとっては特別な一本である「ニューシネマパラダイス」なんかが、世の中にとっても私にとってもマストな代表作と言った所でしょうか。

 

フィルモグラフィーを見てみると、あら何と私の好きな「レッドソニア」もモリコーネだったんですね。何度か見てますが、その辺りは特に意識して見たこと無かったので、追悼として久しぶりに鑑賞。

 

それなりにマニアックな作品なので、まずはレッドソニアの説明から。アーノルド・シュワルツェネッガーを一躍有名にした最初のメジャー作品「コナン・ザ・グレート」(82年)で、そこそこヒットして続編が作られたのが「キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2」(84年)。そして3作目がこちらの「レッドソニア」になります。

 

世界観が同じなだけで、コナン1&2とストーリーは繋がっておらず、シュワちゃんも出てますが、カリトーという役名で、見た目はほとんど同じですがコナンでは無い上に、主人公では無く脇役。肝心の主人公はブリジット・ニールセンが演じる女剣士レッドソニアですが、ブリジット・ニールセンはこれがデビュー作というのもあって、クレジット上はシュワちゃんが一番最初に出てたりします。


コナン3作目にして、シュワルツェネッガー映画ではありつつも、主人公では無いという事で、シュワちゃん目当てに見た人は詐欺じゃねーか!騙された!という人が続出。

 

ブリジット・ニールセンはこの後に「ロッキー4」に出演するのですが、日本だとレッドソニアの方が後の公開になってるようです。私はTV放送で見た口ですし、当時は映画マニアでも無かったので、その辺りの事情までは詳しくは知りません。

 

そもそもの「コナン」シリーズはロバート・E・ハワード作の「コナンザ・バーバリアン」という連作小説の映画化で、レッドソニアもその中の短編に出たキャラだったようですが、コナンシリーズは映画だけでなくマーベルコミックスで漫画化もされていて(日本語版も90年代にX-MENとかと同時に1冊だけ「蛮勇コナン」というタイトルで出てます)その中でスピンオフとして展開したレッドソニアが人気が出て、そういった背景も含めて映画にもなったと。


たまにレンタル店でコナンシリーズがマーベル映画のカテゴリーに混ざっているのはその為です。

まあレンタル店でこのレッドソニアまで置いてある店なんて見た事無いですけどね。私はいつか中古安くなったら買おうとか思ってたらプレミアついてしまって、こりゃヤバイってなった後に無事廉価盤が出てその後に確保できました。

 

一応お断りしておきますが、私はこの作品大好きです。が!世間の評判はあまりよろしくない。ブリジット・ニールセンもこれで最低映画に贈られるゴールデンラズベリー賞を受賞。世の中的には、ストレートに駄作、或いは珍作扱いな一本。

 

いや、お前ら何もわかってない!俺がこの作品の本当の素晴らしさをこれから教えてやるぜ!バカにされてるけど、深く読み込めば実は凄い作品なんだぜ・・・とか言う気も残念ながらありません。ツッコミ所満載だし、悪く言ってしまえば子供騙し的な作品と言ってしまっても過言では無いのかもしれないな、とは思います。

 

でもそんなんはどうでもいいのです。私はこれ好きだから。他人の評価なんざいちいち気にしてたらキリがないし、私は本当にその「子供騙し」に騙されて、今でも騙され続けたままでいるのですから。

 

レッドソニア」単体での評価で無く、コナン1&2も含めた上での評価というか感覚ですけど、ファミコンのファンタジーRPGと、どちらの方が先に出会ったのかまでは正確には憶えていません。80年代半ば~くらいならほぼ近い時期だと思われます。私が小学生くらいの頃の話です。

 

RPGのあの拙いドット絵の先に、このコナン映画シリーズのような世界を見ていたのです。以前にも何かの記事で書いた気がしますが、私はドラクエよりFF派でした。どちらも1の頃から。ドラクエもやってはいたんですけど、あのディフォルメされた感じの絵が嫌いでした。

 

今ならその親しみやすさこそがドラクエ、あるいはRPGそのものの間口を広げた最大の功績であると分析できたりもしますが、子供の頃の私にとっては、その親しみやすさこそが子供騙しだと思ってたんですよね。あのファミコンのドット絵は技術的にまだ表現できてないだけで、このコナンシリーズのような世界観を本当は表現したいんだ、と。RPGではないですけど、セガの「ゴールデンアックス」は思いっきりこの映画のフォロワー作品ですよね。

 

逆の視点で言えば、ファミコンRPGでやっている世界観みたいなものがこのコナンシリーズの映画ではリアルに再現されているんだ!と思って見てたわけです。だからモンスターのグラフィックなんかもリアル寄りのFFの方が好きだったし、ファミコン時代はゲーム中に出てこないパッケージの天野喜孝の描くような世界を冒険しているんだ、という気分でやってました。

 

ちなみにこのコナンシリーズ。パート1は割と映画としても普通に結構出来が良いのですが、2作目3作目はRPG要素が物凄く色濃く出てたりします。主人公側がバランス良くパーティを組んでるんですよね。そこが思いっきりRPG気分にさせてくれます。

 

しかもこの3作目のレッドソニアは女主人公ですよ。露出度は高いものの、決して萌え系の可愛い女の子ではないのですが、私は割とゲームでも女主人公とか普通に選んじゃう方。それで見方がマッチョなシュワちゃん剣士なんて、それもう単純に楽しいじゃないですか。まるで今の時代なら他人のゲーム実況動画を見てるのと同じような感覚で、当時は見ていたのかなと。

 

しかも細かいガジェット、ありきたりな剣や鎧、兜一つからアイテムとかギミックとかゲームの世界をリアルで再現するとこうなのか!みたいなワクワクが画面から次々と流れてくるのです。もう楽しくって仕方無い。鋼鉄の水竜と戦っているシュワちゃんは決して一人でじゃれあいを演じている変な絵なんかじゃなく、心からドキドキワクワクしてしまうのです。ただ、すぐ階段から逃げられるんじゃねーか!というツッコミは許します。

 

しかも今回、モリコーネの音楽に注目してみたのですが、実はこれがメチャメチャゲームっぽい音楽!あ、これフィールドの音楽っぽい、とかますます楽しめてしまいました。これはちょっとサントラ欲しくなるくらい。

 

基本的に映画に関わらず、物語のあるものはどちらかといえばテーマ性とかドラマの面白さの方を私は重視しがちですが、今回に限っては、そんなんどうでもいい。だってこのビジュアル楽しいんだもん!とワクワク感だけに全振りして楽しみました。

 

上記のように、個人的な思い入れ、個人的なスタンスに負う部分が大きいので、そこに誰もが共感出来るとは自分でも思わないし、他人に対して自分の感情だけでオススメしたりもしませんけど、私にとっては特別に思い入れのあるシリーズだし、とても好きな一本、という事を改めて再確認する事が出来ました。

 

DVD持ってるので、いずれ1と2もまた見返してブログで取り上げようと思います。

何度かリメイクもされてるシリーズなのですが、自身の体験に由来する思い入れというのは自分でもわかってるので、あまりリメイクの方には興味が湧かなかったりもするのですが、それはそれでまた別の感情が湧いてくるかもしれませんので、そういうのもいずれ機会があれば。


『レッドソニア』日本版劇場予告編

 

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