監督:渡辺勝也
日本映画 2011年
☆☆
ゴーカイジャー映画2作目。
と言っても毎年夏に公開される仮面ライダーとセットでの併映作品(今回なら仮面ライダーオーズ)で、上映時間30分程度とTV放送1話分よりはほんの少し長いだけで映画と言うのもちょっと躊躇してしまう部類。短編だろうと何だろうと映倫通って劇場公開されてりゃそりゃ映画ではあるのですが。
前作の「199ヒーロー」は見ごたえもあって面白かったし、戦隊派な私としては戦隊のみの長尺映画も是非見たいのですが、それをやらないという事はマーケティング的に難しいのかもしれません。
ライダーの方は映画限定ライダーや映画限定フォームなんかが出るのが定番で、それならばと戦隊は映画限定ロボや武装が出るのが定番。忘れた頃のTVシリーズ終盤に再登場する事も多い。が、今回はゴーカイオーの文字通りの海賊版として、敵がにせゴーカイオーを使うくらいで、特に商品化もされなかったようです。
カラーを黒多めにして、マントに隻眼アイパッチ、左手がフックになってて、単純にゴーカイオーのバリエーションとしてデザインはより海賊っぽくなって結構カッコいいのですが、普通に敵メカ役に終始。子供がおもちゃを欲しがるかと言えば確かに微妙なのかもしれません。
後は追加戦士のゴーカイシルバーの出番が少なめ。この辺りは撮影の事情で、ストーリー上は登場済みにも関わらず、追加戦士の初撮影がTVよりもこの映画が最初になったりするケースは過去作品でも同じような例が何度もありました。戦隊夏映画あるあるという奴です。
私は戦隊にハマるきっかけが、リアルタイムではなく後追いで見たゴーカイジャーでしたので、最初に見た時はそれ以前に見た過去戦隊のキャラが出てもよくわからない状態で見てたのですが、その後に何シリーズか見たので、そこを知ってれば、お!面白いゲストが!と今なら結構楽しめます。
ゴーオンジャーのG3プリンセスとか、敵にデカレンジャーのエージェントアブレラが出たりとかね。
所謂レジェンド戦隊に大いなる力をもらうっていう要素はこの作品には無いので、特にTVシリーズとも連動して無いし、時系列もハッキリしてませんが、凱が仲間になった後くらいに見ればそれでOK。
東映特撮YouTubeオフィシャルで配信されてるのが丁度今の時点で24話までなのでそこに合わせての視聴。何度見てもTVの方のゴーカイジャーは面白くて、毎週楽しみに欠かさず見てます。レジェンド回も通常回もどちらも面白い。
見た事無いですけど、タイトルの「空飛ぶ幽霊船」って石ノ森章太郎原作の東映まんがまつり用アニメ映画「空飛ぶゆうれい船」(1969年)から引用してたり、東映の歴史を踏まえた要素なのは面白い部分。
あと、いわゆる戦隊お馴染みの戦闘員が過去34シリーズ分まとめて登場して、果ては合体怪人になるとか、大人としては面白い。ザコキャラは雑魚なりにシンプルながらデザインも凝ってたりするし、子供の目から見た時はどうでもいい要素かもしれないですけど、大人目線で見るとそこも「ただのザコ」なんかじゃない愛すべきキャラクターですし、そういう面では意外と見所は多い。
単純にこれが面白い作品かと言えばそんな事は無いですが、こういうパッケージなりの見せ方とか、こだわり所なんかを要所要所から読み取れるのは決して悪くない。
海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE 空飛ぶ幽霊船(予告編)
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