僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アリータ: バトル・エンジェル

アリータ:バトル・エンジェル [AmazonDVDコレクション]

原題:Alita: Battle Angel
監督:ロバート・ロドリゲス
原作:木城ゆきと銃夢
アメリカ映画 2019年
☆★

 

<ストーリー>
天空に浮かぶユートピア都市“ザレム”と、そこから排出された廃棄物が堆積する荒廃したクズ鉄町“アイアンシティ”。ある日、サイバー医師のイドはクズ鉄の山から少女の頭部を発見し、新しい機械の身体を与えアリータと名付ける。記憶を失ったままのアリータだったが、襲ってきた敵からイドを守るために戦った際、自分に驚異的な戦闘能力が備わっていることに気づいてしまう。彼女は、300年前に創られた“最強戦士”だったのだ。自分と世界の運命に立ち向かうアリータの戦いが今、始まる!


90年代末かゼロ年代の初頭くらいからでしたっけ?ジェームズ・キャメロンが映画化権を獲得して実写映画をやるよ、という情報はかなり早くから出ていたものの、「アバター」を優先。そのアバター終わったらやるよ、という話もあったものの、結局はやってる時間も無く、ロバート・ロドリゲスに監督を任せるという形で10数年越しに遂に企画が実現。

 

原作は当時単行本持ってました。無印は最後まで読んで続編の「ラストオーダー」も序盤の方くらいは読んでたっけかな?ただ、細かいとこはほとんど憶えて無いです。当時は割と日本の漫画でサイバーパンクとか珍しい方だった気がします。


確か無印はビジネスジャンプだかで連載やってたかと思いますが、マニアックな世界観でありつつ少年漫画の延長みたいな感覚で、単純にガリィがカッコいい!程度の感覚で読んでたと思います。

 

今読みなおせば、SF的な背景や舞台設定、テーマとか色々と読み込めそうですが、当時は知識も無ければ、物語すら十分に読み解けず、このキャラがカッコいい!とか陳腐で幼稚な視点くらいしか持ってなかった。そこ考えると原作を読んだなんて言えるレベルじゃないです。原作は見た事ある、くらいでしょうか。(漫画を「読む」のと「見る」のとでは違う、という前提の話)

 


そんな感じでこの映画。お~、なんか昔見た奴だ。でもダマスカスブレードって確か腕にサバイバルナイフみたいなのを装備してる感じだったような?ん?そもそも「銃夢」ってこんな話なんだったっけ???恋愛要素なんかあったっけかな?(調べたらちゃんと恋愛要素は原作を生かしてるようです)ぐらいの感覚です。

 

単純な感想で言うと、物凄く古臭い映画に思えました。ビジュアルは凄い。ただ、今のご時世ただ派手なだけのビジュアル重視の作品ってどうなの?作り込みとかは凄いんだろうけど、私は「レディ・プレイヤー1」も「ヴァレリアン」もあんまりお話に面白味は感じなかった。

 

テーマ、ドラマ、ストーリーとかも、例えばアリータは最初はイドの「娘」として再生されるけど、本人はそこから自立して、自分の道を歩もうとする。そこはいい。けど、そこがバトル用専用のボディで、男勝りの強さを得た単純な「強い女」みたいな風になって、私は大人の女よ、みたいなのが正直観ていて痛々しかった。いつの時代の話だよこれ。


なんかいかにもキャメロンが好きそうな、ステレオタイプの「強い女」みたいな感じがしてしまって、全く乗れませんでした。

 

今時、腕力で男に勝つ事を女性の自立とか言わないだろうと。しかも自分の心臓を投げ打ってまで男に尽くすのが女性らしいとでも思ってるんでしょうか?せっかく脳は生身なんだろうし、ボディの強さとかじゃないんだ、心の成長こそが本当の強さなんだ、みたいな方向に行ってほしかったなぁと。

 

散々言われてる、CGで目を大きく加工してるのも、それが作ってる方にとっては漫画らしさなのか(だとするとアリータだけが目が大きいのはやっぱり変)意志や表情を強調する的なものなのであれば、そんなの俳優の演技を信じて無いだけだと思うし、一体何がやりたいのかよくわからず。

 

で、そこでCG感が強くなると、敵のサイボーグみたいなのと戦う時も、CGアニメを見ている気になってしまって、だったらこれ全部CGアニメでやった方が逆にアニメ作品として見れるんじゃないの?という気がしてそこでも乗れず。

 

唯一、これは面白い!と思ったのはモーターボール・・・じゃなくって、そのモーターボールから外に脱走。街中をローラースケートで疾走!の所が、おお!これ「ジェットセットラジオ」みたいで面白い!とそこは素直に新鮮なビジュアルでした。

 

ついでに吹き替えで見たのですが、ダマスカスブレードを最初に持ってる敵のゲスなやつが神谷浩史!カッコいい奴じゃなく、ゲス演技をやってる神谷がとても面白かった。

 

続編ありきの作り方でしたけど、どうでしょう?次はあるのかな?今回はキャラクター紹介編みたいな感じで、確かザレムもユートピアと思えて結構酷い世界だった!みたいなオチがあった気がするので、次はもしかしたらもう少しSFの面白さが出るのかもしれません。次があれば、ですけど。


SFマンガの最高峰「銃夢」がハリウッドで実写化!/映画『アリータ:バトル・エンジェル』予告編