僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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マーベルスーパーヒーローズ:シークレット・ウォーズ(1)

マーベルスーパーヒーローズ:シークレット・ウォーズ 1

MARVEL SUPER HEROES SECRET WARS Vol.1
著:ジム・シューター(ライター)
 マイク・ゼック、ボブ・レイトン(アーティスト)
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2020年
収録:MARVEL SUPER HEROES: SECRET WARS #1-5(1984)
☆☆☆☆

 

マーベルコミックス史上初となるクロスオーバー大作!
シークレット・ウォーズ開戦!
絶対の死闘に挑む20人のヒーローと15人のヴィラン達!

 

マーベル初の大型クロスオーバータイトルイベント。近年でも同タイトルのイベントをやりましたが、関連性は無くとも、タイトルはこちらに因んでの物。

 

1984年と古めの作品。有名作品ですが、今回が初邦訳。ヒーローとヴィランがバトルワールドだかに集められてバトルロイヤル、ぐらいの話だっけかな?スパイダーマンがこっから黒コスチュームになる、程度しか知らなかったので素直に嬉しい。

 

最近だとエンドゲームの監督が「シークレットウォーズやるならまたMCUに戻ってくるよ」的な事を言ってましたね。

 

全12話のマキシシリーズとして展開された中で今回は1~5話までの収録ですが、その前に各誌のレギュラーシリーズ中にシークレットウォーズへの前振りがあるページを2~3ページづつですが、それも収録。最近はおおまかには合わせても、全部のレギュラーシリーズの足並みを揃えて、まではやってない印象なので、当時はわざわざイベントに合わせてこんな事を丁寧にやってるんだなと思えてそういう所も面白い。

 

で、そこは流石に解説が充実しているヴィレッジブックス。解説書で各誌の進行状況まで詳しく載せてある。そこでですよ!「ソー」誌は#341が掲載されているのですが、これが「バラード・オブ・ベータ・レイ・ビル」の直後との事。

 

バラード・オブ・ベータレイビルはソーの名作エピソードとしてかつての日本語版オムニバス「マーヴルクロス」誌に掲載されました。それが#337-340なので、ホントにそれの次の号。まさかの時代を越えて繋がった!と思えて感動してしまいました。

 

アイアンマンがローディが代役やってる時期だったり、キャプテン・マーベルがモニカ・ランボーの時期だったりと、色々とこの時代なりのものもあったりしますが、まず話が面白い。

アベンジャーズとX-MENに壁があったり、ヒーロー側にマグニートー召喚。ヴィラン側には何とギャラクタスまで居る中、ギャラクタスにとってはヒーローもヴィランも目もくれないどうでもいい存在の中、ドクタードゥームがヴィランの中でも役者や格が違うと言わんばかりに、ヴィランを纏め上げ、それらを使いながら一人暗躍する辺りはもう流石ドゥームとしか言いようがない。

 

それでいてモレキュールマンにちょっと目をかけていたり(そこは後年のシークレットウォーズにも通じる部分)プロフェッサーとマグニートーの共闘。そしてやたら噛みつくチンピラ感万歳のウルヴァリンとか、凄く面白い。

 

でも、フランク・ミラーのミニシリーズ「ウルヴァリン」が1982年なので、それより後のウルヴァリンなんだよなこれ?違和感バリバリですが、逆に面白い。

 

明らかに格下感なレッキングクルーの面子以外は、ホントにキャラが立ってて良いです。いやレッキングクルーもそのザコキャラっぷりが個性なのかも。

 

黒幕のビヨンダーが未だに姿を見せない中でも、単純にヒーローとヴィランの2勢力のバトルに留まらず、それぞれの思惑が交錯して、この先どうなるんだ?と1話1話のクオリティも高くて凄く面白かった。早く今月末の完結編が読みたい。

 

実はおもちゃを売る為の、おもちゃ会社からの要望で企画されたイベントだったというような裏背景も含めて、マーベルの歴史の面白さ!

 

次は「シークレット・エンパイア」が帯で予告されてますが、現行のシリーズと共にこういう古いタイトルももっと読みたいなと思わせてくれます。