原題:HAPPY DEATH DAY
監督:クリストファー・B・ランドン
アメリカ映画 2017年
☆☆☆
<ストーリー>
イケてる女子大生で遊んでばかりのツリーは、誕生日の朝も見知らぬ男のベッドで目を覚ます。慌しく日中のルーティンをこなした彼女は、夜になってパーティに繰り出す道すがら、マスク姿の殺人鬼に刺し殺されてしまう。しかし気がつくと、誕生日の朝に戻っており、再び見知らぬ男のベッドの中にいた。その後も同じ一日を何度も繰り返すツリーは、タイムループから抜け出すため、何度殺されても殺人鬼に立ち向かうが……。
何気に見てた映画系YouTubeで絶賛されていたタイムリープ系スリラー。そのうち見ておこうと思いつつ、2とセットで見るべきとの事でしたので、ちょっとメンドくさくもあったのですが、先日会った友達とも話をしたら面白かったよと言ってましたし、早速見ておく事に。
世の中であまりにも面白い面白い言われてると、逆にハードル上がりすぎてしまう部分が出てしまうので、そこがちょっと心配でしたが、なるべくフラットな気持ちでと自分に言い聞かせつつも、うん、ちょっと自分の中でハードル上げすぎたかも。
劇中でも「元ネタ」として明かしてる、「恋はデジャブ」って私見て無いんですよ。そっちもその内見ておこう。タイムリープやり直し系だと「バタフライエフェクト」とか「ミッション8ミニット」とかが面白かった。あとはやっぱり映画じゃないけど「シュタインズゲート」と「魔法少女まどかマギカ」が圧倒的に面白かったので、流石にそういうのと比べてしまうと多少は劣る。
うん、でもまあこの作品はスクリプトドクターの三宅隆太さんが前に、マイナーだけどアイデアが抜群な映画として紹介してた「ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」(アビゲイル・ブレスリン主演の「ファイナルガール」じゃないよ)と同じ部類で、低予算で有名俳優出は出て無いB級映画だけどアイデア勝負で面白いっていうのと同じ感じの路線。
タイムリープ物と「スクリーム」みたいなスラッシャーホラーの文脈を組み合わせた、ジャンルミックスの面白さを狙った作品。これまた三宅隆太さんが言ってた事だけど、スラッシャーホラーとかで人物描写が薄っぺらいとか言われる事がたまにあるけど、あれって薄っぺらいのが正解。わざとそうしてるんですよ、だって人間をあまり深く描きすぎると、その人物が殺された時にしんどくなるから。それだとホラーとして楽しめなくなる。と、言っておりました。
まさにこの作品も、その辺りの文脈をちゃんと理解した上でそれを逆手にとって、最初は、何だこのバカ女は?こんなの全く共感できないよ、こいつが苦しんでたってザマミロくらいにしか思えないよ、という感じで見せておいて、ループする中で、自分の醜さに気付き、終盤の方はこの子を助けてあげたい!と思わせるような作りで、その辺りはとても上手く作られている作品。終わりかな?と思わせておいてからのもうひと山がある辺りも、ちゃんとお手本通りに作ってある。
なるほど、これはなかなか良く作ってある作品だな。でも流石に期待度上げすぎて見ちゃったのがちょっと勿体無かったかな?評判を知らずに何と無く手にとって、期待しないで見てたら超面白かった系かなと思ったところで・・・
ん?脚本がスコット・ロブデルとか出て無かったっけ?
もしかしてあのスコット・ロブデルなのかしら?ただの同姓同名なのかなと検索しても、日本語で検索してる分には全くヒットしないし、レビューとかでも誰もそこには触れて無い様子。これはたまたま同じ名前なだけかと思いつつ、一応英語でも検索してみると・・・ああ、英語だとちゃんとwikiとかにも普通に載ってる。
脚本のスコット・ロブデルって、アメコミの脚本書いてる人です。日本でも主に90年代のX-MEN系列とかで普通に何本も書いてて邦訳も出てる。(日本語で検索すると近年のバットマン系列くらいしかヒットしませんが)多分、脚本デビューとしてもアメコミの方が先ですが、その人が急に映画の方に行ったとかでなくて、アメコミの脚本家はTVドラマの脚本書いたりとかも普通にしてたり、逆に映像畑の人がアメコミの脚本やったりとか、よくある事なのです。
たまたまこうして映画の脚本やってる奴が、隠れた名作映画的に映画ファンの間で評判になった、という所でしょうか。うん、単純な映画の面白さよりも、そんな変な部分の方に驚いてしまった。まさにこれこそサプラ~イズ!
そんな感じで、評判よりも自分なりの視点で受け入れる事が出来たので、近々「2」の方も見てみたいと思います。おお~わくわくするな。
・・・ってまた期待あげてどーする!