僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

スパイダーマン:ホームカミング(MCUその16)

スパイダーマン:ホームカミング ブルーレイ & DVDセット [Blu-ray]

原題:SPIDER-MAN:HOMECOMING
監督:ジョン・ワッツ
アメリカ映画 2017年
☆☆☆☆

 

MCUフェイズ3の4本目。
「シビル・ウォー」で初登場したスパイダーマンのMCUでは待望の初単独作。

今に続くまでに至るアメコミヒーロー映画のブームみたいなものは2000年の「X-MEN」1作目と2002年のサム・ライミ監督版「スパイダーマン」1作目がヒットした流れが大きいのと、MCUスタート後も2012年マーク・ウェブ監督版「アメイジングズパイダーマン」があったりしたので、また仕切り直し版をやるの?という印象は強かったように思います。

 

昔の作品をリメイクとかはよくある企画ですが、上記のような流れがある分、「またか」と思いつつも、MCUもフェイズ3まで来るとアメコミファンのみならず、初期の頃と比べると世間にも浸透して大分跳ねてきてたのもあって、これはこれで新しい流れとして認識されてきたかなぁとか思います。リブートって言葉も今は大分浸透してると思いますし。

 

マーベルじゃなくてDCの方ですが、「バットマン」って90年代のティム・バートン版とクリストファー・ノーランの「ダークナイト」が入口になった人が多い印象で、自分が最初に見た奴が基準になってる人が多いのかなぁという気がしてます。

 

例えばですけど、バットマンは孤独なヒーローって思ってる人多そうじゃありません?でも原作読んでる人にとっては、バットファミリーありきだよなと思う人も多いのでは?そこはメディアやクリエイターによって色々なバージョンがあるし、そもそも原作のアメコミだって時期やシリーズごとに作者が違うので、自分のお気に入りなんかはありつつも、今回はこう来たか、みたいなのを楽しむものなんじゃないかなぁと。それが正しいとかの押しつけも違うとは思うけども。

 

という事で実写映画版で3度目のバージョン違いになる今回のスパイダーマン。ニコラス・ハモンド版とか映画じゃないけど東映版もあるけどそれはとりあえず置いておく。

 

個人的には、今回のMCU版、凄くアレンジしたバージョンだなと感じました。


サム・ライミ版が凄くクラシックな原作を生かしたものだったのに対して、凄く今風。クラスメイトとの関係も単純にいじめられっことかじゃないし、椅子の男ネッドとか、MJの性格がイケイケじゃなく控えめになってたりするのはアルティメット版のネタですし(それでいて甥がっ子が居るアーロンおじさんとかも出してたりする)そもそもが最初からトニー・スタークの存在が大きいとか、今までとは全く違う、新しいスパイダーマンを見ているという印象。

 

恐らくは今回もハッキリ言わないまでもベンおじさんを失った過去はあるんだろうと思わせつつ、「エンドゲーム」と次作の「ファーフロムホーム」を見た上で言うなら、MCU版はトニーこそがベンおじさんの役割をしたのでは?という感じに見る事も出来る。

 

そういう風に考えると、ヒーローが特別な力やコスチュームではなく、本当のヒーローとして目覚めるに至るオリジンストーリーの上で、ただ無邪気に力に溺れ、ヒーローにあこがれる少年という部分を強調して描いてる辺りは、何だかんだ言って1作目らしい作風なのかなとも思う。

 

ずっと続いている原作だとピーターはもう十分になってますが、前の映画も含め、世間的にはティーンヒーローとしてのイメージが強いとは思うし、MCUのシリーズとして見ても、他のヒーローは皆大人なのでその辺りに差や個性を付ける事が出来る。ライミ版やウェブ版と何本もスパイダーマン映画が先にある中で、それでいて十分にフレッシュさが出せている辺りが、考えて作ってある作品だなと改めて感じた。

 

で、そんな若さに対するヴィランのバルチャー。さんざん評価されてるシーンですが、やっぱりあの車の中で二人で会話するシーンはゾクっと来るものがある。「ファーフロムホーム」でのバーでのシーンにも通じますし、その辺りは監督ジョン・ワッツのこだわり所なのかな?「コップ・カー」でも大人と子供の差ってのが描かれてましたしね。

 

そんな新しいスパイダーマン像を描きつつ、瓦礫の中から立ち上がる姿とか、原作を思わせる熱いシーンもありで、権利を含めた色々なしがらみ、アベンジャーズを含めた複雑な背景、色々と抱えるものや気を使わなければならない中でこういう新しい上に面白い作品をきっちり作ってくるマーベルスタジオの底力は改めて感じます。

 

MCU離脱うんぬんの果てに、結局は3まで作られる事になりましたが、今後続々登場してくるティーンヒーロー達のまとめ役になるのか、或いは単体ヒーローとしても十分に描く物がある分、ソニーの方の流れに絡んでいくのかわかりませんが、この世界のどこかに居る親愛なる隣人としてのスパイダーマンは例え中心で無いとしてもまた顔を出してほしい、ピーター頑張ってるんだなとか思える存在で居てくれると嬉しい。

 

単純にスパイダーマンのカッコよさがあるとして、それだけでなくてピーターかわいいよね。なんて思える辺りがキャラクターとして立ってる証拠かなと思うのは、私がオッサンだからなだけではないと思いたい。

そんな感じで次は「マイティ・ソー:バトルロイヤル」です。


映画『スパイダーマン:ホームカミング』新予告編

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com