僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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仮面ライダーゼロワン

仮面ライダーゼロワン Blu-ray COLLECTION 1

KAMEN RIDER ZERO-ONE
監督:杉原輝昭 他 脚本:高橋悠也
特撮テレビドラマ 日 2019-20年 全45話
☆★

 

まず最初にお断りしておきます。私は仮面ライダーあまり好きじゃありません。
見て無いシリーズもありますが、仮面ライダー面白いなと思ったのは「アギト」と「龍騎」で、近年だと「アマゾンズ」は最高に面白かったのですが、基本的にTVシリーズは毎回つまんねーなと思いながら「プリキュア」と「戦隊」は好きなので、そのついでに見ている、くらいの状態。

 

苦手なのは1エピソード2話完結だと、前半の話を見るのがメンドくさくて嫌なので、途中から見無くなっちゃう事も多い。そうじゃない続き物っぽい作りの「鎧武」とか「エグゼイド」、「ビルド」も割とその傾向があったかな?1人の監督が2話撮りなのは知ってますので、ある程度は仕方ないんでしょうけど、区切りなく見れるタイプの作品の方がまだついていけるし楽しめる方かな?という傾向。そういう面で言えばゼロワンは割と見れる方でした。

 

で、苦手どころか明確に嫌いなのは毎週新しいアイテムとかフォームが出る事です。ジオウまでは2週に一度じゃなかったっけ?ゼロワンは中盤くらいまでそれを毎週のペースを上げてたので、もうそこが見ていてつらくてつらくて、まず最初はそこにガッカリしたというのがあります。

 

平成から令和に変わって最初のライダーというのを強調してたので、その辺りは変わるのかな?と思ってたら、逆にそれが倍になってしまった。ただ、そこを批判するのも筋違いというのは理解してるつもりです。

 

この路線、間違い無く破綻する時が来ると思うのですが、まだ今はそこまで行ってないし、ライダーの売上的にはまだ右肩上がりの好調を続けてますよね。私にとってはこの路線が見ていて苦痛であっても、多くの人には逆にそこが魅力と受け止められているわけで。毎週新しい何かが出てくるのが見ていて楽しいし、多分そうやって新しいおもちゃを買い続ける事もまた作品の面白さになっているんだろうなというのは、コレクター気質の私は頭では理解出来る。

 

1エピソード2話構成が嫌なのと似ていて、どうせ前半の話は途中で終わって次回に続くで終わるんでしょ?みたいなのが見るのメンドくさくなる原因なのですが、新しいフォームとか新しいアイテムとか出ても、すぐ次の奴が出て使わなくなるんでしょ?劇中では盛り上がってるけど、そんなのどうせ1話2話くらいしか使わないのに、みたいな見ている方の感情との乖離が結構キツイのです。

 

ただ、やっぱりそれはなんとなくTVで見てるだけだからであって、毎週お金を使って新しいアイテムが手元に残る、みたいな作中でドラマを見るだけでは味わえないコンテンツを提供しているのが仮面ライダーだし、そもそもが、おもちゃを売る為にそのプロモーションとしてTV放送があるのが今のライダー。お金が動く方向に舵を切るのは当然の話。

 

そういう枠とは別にやったのが「アマゾンズ」でそっちの方があくまで異例。毎週おもちゃを買わない人がTVだけを見て、もっとドラマとしても面白いものにしてほしいなぁ、なんていう方がむしろ筋違いというものだろうと。今の仮面ライダーはTVドラマとして見るものじゃなくて、おもちゃを買う楽しさみたいなものを商売と共に提供しているんだろうなと思います。

 

そんな前提がある上でTVの仮面ライダーを見ている人の話、程度に思ってもらえればありがたいです。

 

コロナでの中断がありつつ、延長せずにそのまま短縮したのはやっぱり仮面ライダーとしては正しいと思います。玩具の年間スケジュールってありますものね。(キラメイジャーとプリキュアは話も面白いので短縮してほしくないけど、企業としての判断はやっぱり短縮かなぁ?)


短くなった分、後半の滅亡迅雷復活とアークは何も描けず終わっちゃったなぁというのはありますし、それならサウザー編の方を短くした方が良かったんでしょうけど、流石にそれは後からだから言える事。

 

そもそもゼロワンのストーリー面では何がやりたかったのか?


今風にAIと人間の関係性みたいなものなのかなとは思うのですが、正直私はその出発点からよくわからなかった。身近にAIが無いし、あと10年や20年先でもまだこういうのは現実の話じゃないだろうと思ったから。ただ技術の革新は読めない部分もあるので、もしかしたら数年後にはAIも身近になってる可能性はあるのかな?

 

で、そのAIにも心は生まれると。そこは「ブレードランナー」とか「エクスマキナ」みたいなものですね。そしてそこに人権はあるのかと。

 

そこで迅とか滅が思い悩む、心があるならそれは人間と同じじゃないか?まさしくブレードランナーですよね。

 

親子の関係がフィーチャーされてましたので、じゃあその心を育てるのは?人間もAIも心と言う面では同じと言うなら、そこで善意に目覚めるのか悪意にとらわれるのか、教育や環境というのが最終決戦に繋がるイズとアズなんだと思うんだけど、最後の最後にイズを新しく復活させる、というのが凄くひっかかった。

 

「奇跡が起きて復活」みたいな事はやりたくなかったのかなぁ?と思うのですが、家族と同じ外見は別の感情が生まれるから法律で禁止されているとかじゃなかったっけ?最後に出てきたのは見た目は同じでも新しいイズであるはずなんだけど、そこをアルト君は新しい人格として認めるんじゃなくて、前のイズと同じ事をやらせようとしてるんですよね。

 

えええ~っ?それって結局ヒューマギアを道具としてしか見て無いし、それでAIにも人権があるとかいうのおかしくない?しかも社長が?

 

これ、世の中に山ほどある定型パターンだと、あくまで以前のイズとは別の存在である事を示してから、教えていないし、知らないはずの前のイズを思わせる行動なり言動をする事で、あれ?もしかして前の記憶が残ってるんじゃ?これは奇跡だ、みたいに思わせるくらいで終わるのが定番。

 

アズはアズで、アークが言うように、人間の悪意がある限り消えない存在だよ、みたいな感じで行き残るのは良いのですが、そこで伊藤英明のローグみたいなひび割れライダーを出しちゃうのは思いっきり萎える。そこはおもちゃと同じで、次の映画の為のプロモーションなんですよ、はわかるんだけど、本編に組み込んじゃったのは、なんか凄くガッカリした。またかと。

 

悪意があるかぎりアズは生き延びて、心を惑わせ続ける。でも、そんなネガティブなものと常に向き合って、その葛藤と戦い続けていくのが仮面ライダーなんだ、人間は誰もが仮面ライダーなんだよ、的な感じでやってくれてたら例えベタでもなんとなく受け入れられたかも。でも、いかにもありがちですね。


平成の最初の10年で、仮面ライダーを定着させるという偉業を成し遂げて(昭和は10年続いてないですしね)平成後半の10年はコレクターズアイテムを売ると言う商法でより大きいコンテンツに育て上げました。それぞれ「ディケイド」と「ジオウ」で振りかえりなんかもしつつ、じゃあ令和で何をするのかと言えば、普通にその延長でした。業績として良い結果が出ているならそれはやっぱり成功ですし、企業としてもそれは普通の事だと思います。

 

ゼロワンはベルトに基本一つアイテムを差す形式でしたけど、次のセイバーは2つ使うのかな?となるとその次が3つとか?ただそれだと平成後半の繰り返しなので、そこからなにか次の一手が見えてきた時が新しい面白さに繋がる時だと思いますので、その渦中に入らずともなんとな~くその辺は見ていきたいなと思います。

 


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