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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼(1) (角川コミックス・エース)

MOBILE SUIT GUNDAM IRON-BLOOD ORPHANS GEKKOU
漫画:寺馬ヒロスケ×団伍 
シナリオ:鴨志田一
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全4巻 2016-18年

 

オルフェンズ外伝「月鋼」
1~2巻が第一部、3~4感が第二部という構成ながら、過去に主人公のアルジ・ミラージの家族を奪ったガンダムへの復讐、というストーリーラインは半端なまま終了。

 

作者が「続きを描ける事を祈って」とあとがきに書いてますが、多分この時点では打ち切りに近い感じなのかな?またオルフェンズ本編に動きが合った時はさらっと続きがあるかもしれませんが、今の所は音沙汰無し。可能性があるとすれば、「アストレイ」みたいに別の主人公の新たな物語を作って、その中でこっちの話の締めくくりをやるとかでしょうか?

 

昔と違って、今のガンダム外伝は作家が勝手に話をつくるというより、サンライズがメカやキャラの設定とか起こして、プラモ展開に絡めつつというのが基本なので(特にアニメに連動する公式外伝的な奴は)もしかしたらどこかで拾われる可能性はあるかもしれません。

 

鉄血のオルフェンズ」は所謂ジャパニーズヤクザの世界がベースになってましたが、こちらは名前とかの感じで、イタリアンマフィアがモチーフ。


私は「ゴッドファーザー」1作目くらいしか見た事無いし、その辺りの文脈としてどうなのか?みたいな判断はしかねますが、わからないなりに読んでも普通には面白くなかった。

各国のマフィアって文化や文脈がそれぞれにあって、ネタとしては面白い要素だと思うんですよね。こういう路線でバリエーション作るなら、ロシアンマフィアとか、ブラジルのギャングみたいなを外伝ごとにやる、みたいな事は出来そうです。

 

主役機のガンダムアスタロスも、アニメ本編の方のバルバトスが敵を倒していく毎にパーツを奪ってパワーアップしていく、という展開だったのに対して、こちらの外伝のアスタロスはフレームくらいしか残って無くて、仮の体をつけているが、敵を倒して自分の本来のパーツを埋めていく、という「どろろ」方式。

 

ただ、単行本の方には設定画とかが掲載されていなくて、漫画本編の劇中だと、正直言ってメカ描写は何をやってるのか、どういうデザインなのかが全く分からないレベル。本編コミカライズの礒部一真も、序盤は変な感じしたけど、連載中に絵がグングン上手くなっていく、という成長の面白さが味わえましたが、こちらの外伝の方は残念ながらそこまでの成長は伝わってこなかった。

 

名義が寺馬ヒロスケ×団伍と連名になってますが、作画とネーム担当の役割分担で、どちらもこれが初連載作品のようです。そこにシナリオが別に入る分業制ですし、もう少し何とかならなかったのかな?という感じはどうしてもしてしまいます。

 

せめて巻末にメカ設定画と機体解説くらい載せてもらえないでしょうか?この辺、ある奴と無い奴ありますよね?その違いって何なのでしょうか。設定画はサンライズ管轄なので、権利的にどうこうあるのかな。ガンダムエースの方でパラパラ眺めてはいたので、なんとなくくらいは憶えてはいるのですが、単行本でこうして読み返してる時にそういうの無いのは不親切だなぁと。


せっかくプラモも出てるんですし、外伝を後から読んで、それでカッコ良かったからプラモも買ってみよう、みたいな人も居ると思うんですが、その辺りの連携がとれていないように感じてちょっと勿体無い。

 

隠し腕とか変わった武器を装備してるらしいのはわかるのですが、こういう設定になっていて、漫画ではそこをこう表現してるのか、とか本編のフォローにも繋がると思うのですが。

 

奪われたアーマーを取り戻してうんぬんが、セリフ以上に伝わらず、読んでてやきもきします。最も、バルバトスの形態変化もプラモのバリエーション以上に、ストーリー的にはさほど絡んでいませんでしたし、そもそもがオルフェンズはモビルスーツ描写という部分でそこまで上手く行ってなかったかな?というのはある。

 

逆にMSの設定だけが売りで、ストーリーもドラマもおまけでしか無いようなガンダム漫画も多いので、それはそれで読んでてガッカリ来るパターン。「月鋼」はそのどちらもが微妙だった。

 

「オルフェンズ」というタイトルに因んで、孤児達の物語であったりとか、色々と工夫はしてるんだろうな、というのは見てとれても、2部構成にした事で、ストーリー的にもメカ描写的にも、じっくり盛り上げきれないままに終わってしまった印象。

 

ガンダムフレームも「ウヴァル」「ダンタリオン」「グレモリー」と結構登場する割に、それぞれ1回ちょこっと出る程度なので、印象に残る以前によくわからんで終わってしまった。ちょっと勿体無い。

 

面白いなと思ったのは、オルフェンズ本編との唯一と言っても良いリンクの部分。鉄華団が鹵獲したグレイズをテイワズ経由で売りさばいてもらった、という描写が序盤にあったのですが、その売られたグレイズがこっちに来てたのか!ぐらいでした。

 

今後は再利用されて知名度を上げていくのか、ガンダム特有のメカ設定のみ語られるだけの微妙な外伝として名を残すのか、どうなる事やらという感じです。

 

因みに主人公のアルジ君、三白眼で銀髪ツンツン頭と、本編のハッシュ君とそっくりなのですが、特に関係はありません。髪色が金と銀で違うのかも知んないけど、白黒の漫画で読む分には差が無いので、このキャラデザもう少し何とかならんかったのかと。

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼 (4) (角川コミックス・エース)

 


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