MARVEL SUPER HEROES SECRET WARS Vol.2
著:ジム・シューター(ライター)
マイク・ゼック、ボブ・レイトン(アーティスト)
刊:MARVEL ヴィレッジブックス 全2巻
アメコミ 2020年
収録:MARVEL SUPER HEROES: SECRET WARS #6-12(1984-85)
☆☆☆☆
彼方よりの来訪者《ビヨンダー》によって拉致された、20人のヒーローと15人のヴィラン達。ビヨンダーの命じるままに襲い来るヴィランに対し懸命の反撃を試みるヒーロー達だったが、彼らとて、X‐MENが離脱するなど、一枚岩にはほど遠い。そんな中、孤高の独裁者Dr.ドゥームは、この戦いを自らの好機とすべく、権謀術数を巡らす。さらに、寡黙なる宇宙魔神ギャラクタスは独り、ビヨンダーに挑む術を探し求める。彼方のパッチワーク世界《バトルワールド》を舞台にした知られざる戦争は、想像を絶するクライマックスを迎えようとしていた!
マーベルコミックスを代表する歴史的クロスオーバー大作、ここに完結!
と言う事で84年版シークレットウォーズ完結巻です。
いやもうこれほとんどドクター・ドゥームが主役。宇宙魔人ギャラクタスまで手玉に取る姿は(いや1回目ボロ雑巾の如くあしらわれるけど)流石はドゥーム様といった感じです。
2015年版のシークレットウォーズも結構これを踏まえた上での展開だったのかと今更ながらに知りました。いずれまた読み返したい所。これ知ってて読むのと知らないで読むのとではまた印象も変わりそうですし。
今回、ドゥーム側にクローとかいう見た事無い音波系のヴィランがつくのですが、へぇ~こんなキャラが居たのか、知らないキャラだなぁとか思って読んでましたが、解説読むと、えっ?お前あのユリシーズ・クロウだったの!?とビックリしてしまいました。ブラックパンサーの宿敵で、映画にも出てた奴です。
映画とか「暁の黒豹」でのクロウしか知らなかったので、単純に片腕が銃になってるのが特徴のヴィランだと思ってましたが、この時点だと全身が音波になった怪人みたくなってたのね。ビヨンダーの召喚リストには入ってなかったけど、ここに出てくる理由がまた凄い。(詳しくは解説書を読もう)
キャラクターが割とあっさり死んで行くのと、クライマックス前のヒーロー全滅の下りとか結構読んでて、えっ?と驚かされるんですが、まあそこはアメコミ初心者ではないので、あっさり生き返ったりする所まで含めてアメコミらしさとして楽しむ。「インフィニティ・ガントレット」なんかもそうでしたしね。
良くも悪くも、ですがキャラが立ってたのはワスプとエンチャントレスとコロッサスかなぁ?ローグがX-MEN入りしたばかりの頃なので、そこで命をかける事に迷いがあったり、リーダーとして認められていない感じがしてストームがプロフェッサーに不信感を抱いてたりと、なかなか一枚岩になれない辺りがとてもマーベルっぽい。
そんな中で、やっぱり支柱となるのはキャプテン・アメリカという辺りが安心感があって良いです。神にも等しい力を得たドゥームの前に対峙するのがライバルのMr.ファンタスティックではなくキャップというのは割と新鮮。2015年版だとそこはやっぱりリードでしたしね。
シングが離脱してシーハルクがFF入り、スパイダーマンがブラックコスチュームへ、という決められた流れが先にあった企画だそうですが、スパイディは単純にリニューアルコスチュームというわけではなく、もうこの時点でちょっと怪しいものですよ、と先に示唆されている描写でした。
確か、マーベルクロスで読んだ曖昧な記憶だと、色々なヒーローがコスチュームをリニューアルしていた中でのブラックスパイダーマンがあって、他のキャラは月並み不評ですぐに戻ったりしてたけど、スパイダーマンのブラックコスチュームだけはそこそこ人気があった、みたいなのを読んだ気がしたので(間違ってる情報だったらゴメンなさい)これがヴェノム化するのも後付けだと思ってましたが、この時点でちゃんとスパイダーマンのだけはちょっと違うものですよ、というのが描かれてました。
やっぱり解説や文字情報だけで知るのと、実際にその描写があるコミック本編を読むのとでは違いますね。古い作品も面白いですし、やっぱもっと読みたい。何度か言ってますが、通販限定で良いからまた「マーベルマストリード」みたいなのやってほしいです。
さて次は現行シリーズに戻って「シークレットエンパイア」がプレリュード編に前後篇と10月から毎月発売されるようです。そっちも楽しみに待ちたいと思います。
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