僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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恋はデジャ・ブ

恋はデジャ・ブ [DVD]

原題:Groundhog Day
監督・脚本:ハロルド・ライミス
アメリカ映画 1993年
☆☆☆☆

 

<ストーリー>
高慢で自己中心的なTVの人気予報官フィルは、“聖燭節”の取材のためペンシルバニア州パンクスタウニーを訪れる。無事に取材を済ませたフィルであったが、吹雪が町を直撃し、足止めを喰ってしまう。しかし、その翌朝フィルが目覚めてみると昨日と同じ“聖燭節”のお祭が行われ、その翌日も・・・・・・。

 

「ハッピー・デス・デイ」で元ネタはこれですよと作中でも言ってたのがこちらの作品。ループ系の元祖ってそもそも何なの?と思って少し調べてみると、SF小説とかではこれより古い物は沢山あるようですが、映画としてはこれが元祖的な作品のようです。へぇ~全然知らなかった。

 

勿論、タイムリープそのものはもっと昔からあるし、それこそ「タイムマシン」があって「バックトゥザフューチャー」とかもあれば、「時をかける少女」があってオタク的には外せない「うる星やつらビューティフルドリーマー」とかの方が当然古い。ただ、リープを繰り返す事によって、前回と違う行動をとったりして、少しづつ変化させていくみたいなのを何十回とやっていく、みたいなのはこの作品がテンプレ的な作品のようです。

 

93年だからそんなに古くは無いのね。いや流石に30年前を古くないっていうのもどうかなとは思うけど、いわゆる「古典」とか言う程では無いというか。

 

邦題からしてもっといかにもなラブコメ作品なのかと思いましたが、そういう要素は大きいにせよ、予想してたのとはちょっと違ってて、ループ物のテンプレの要素と、そこがどうテーマに繋がって行くか、そして映画としてはこの主人公をビル・マーレイがやっている可笑し味があってなかなかに楽しめました。

 

うん、「ジョーカー」良かったけど、元ネタの「キングオブコメディ」見たらそっちの方がずっと良かった、みたいなのってありますし、こういう源流を辿って行くって結構大事です。

 

「ハッピー・デス・デイ」も最初主人公が何だこのビッチはと思わせておいて、段々と変わって行くっていうのは、こちらでもほぼ同じ構成。途中でもうヤケになってスーサイドしまくるとかも、そのままありました。

 

最初はただの嫌な奴で、自分の為だけに生きてるような奴が、その内にそれだけが人の幸せじゃないんだなと気付いて、変わって行くって言うのはいかにも道徳的な話なのですが、これをビル・マーレイがやっているっていうのが凄く良い。

 

例えばですよ、この主人公がトム・ハンクスとかだったら、道徳の押しつけとか感動の押し売りうぜーなぁとかきっと思ってしまうんじゃないかと。でもこれ、ビル・マーレイだと何十回何百回?と繰り返している中で、仕方ねーな、たまには気まぐれで他人にやさしくしてみるか、ぐらいの感じに思えるのが凄く面白い。ストレートに自分への反省とかじゃなく、たまに良い事したら褒められた、まあこういうのも悪くは無いかな程度に思えてくるというかね。

 

バカは死んでも治らない。ほんの10回や20回死んだって、そうそう変わるもんじゃないよな。でも100回あるいは1000回くらいならもしかして可能性もあるかもね、ぐらいの感じにビル・マーレイだと思える。そこの加減が絶妙な映画だなぁと思えてとても面白かった。

 

ピアノ練習とかいいな、自分もこんなんあったらやってみたい、と思わせるような所があるのが面白い。コップの水が半分で「もう半分しか無い」と「まだ半分もある」だったら私は思いっきり前者の方なので、考え方次第で世界は違って見えるよ、的なのも個人的にグッと来る部分でした。

 

うん、これは名作。


Groundhog Day 恋はデジャ・ブ 予告編 日本語字幕付き

 

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