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プラネット・ハルク:天の巻/地の巻

プラネット・ハルク:天の巻 (MARVEL)

PLANET HULK VOL.1-2
著:グレッグ・パク(ライター)
 カルロ・パグラヤン、マイケル・エイボン・オーミング、アレックス・ニーニョ、マーシャル・ロジャース、アーロン・ロプレスティ、ゲイリー・フランク(アーティスト)
訳:御代しおり
刊:MARVEL ヴィレッジブックス 全2巻
アメコミ 2017年
収録:INCREDIBLE HULK v2 #92-105(2006-7) Giant Size HULK #1(2006)
☆☆☆★

 

惑星サカーに追放された
ハルクの反逆の旅が始まる!

 

「ソー:バトルロイヤル」ついでにこちらも。映画のハルク周りの話のイメージソースになった作品。

映画だとグランドマスターが惑星サカーの支配者でしたが、こちらはレッドキングというキャラで、ソーも話に絡まない。コーグとミークはこの作品が初出で、映画ではソーとその後友達になってましたけど、原作のこちらではハルクの仲間になるキャラ。ただ、岩人間のコーグは原作で言う所のソーの1話目で戦った岩人間と同じ種族という設定なので、関連する部分はあったりもする辺りがアメコミの奥深さ。(複雑さとも言う)

 

原作の方の流れで言えば、2006年なので丁度シビルウォーやってた時期。少し前の話でハルクが暴走、もはやハルクの強力すぎる力は地球の手に余ると秘密結社イルミナティとして、アイアンマン、ファンタスティックフォーのリーダーのリード・リチャーズ、インヒューマン族の王ブラックボルト、そしてドクターストレンジはハルクを宇宙へ追放する事を決め、本来は平和な惑星に送るつもりだったが、航路エラーで惑星サカーにハルクは到着(平和な惑星つったって知的生命の居ない星に追放というのだから酷い話)

 

様々な種族の宇宙人が力のみで支配する世界で、ただ怒りを爆発させ、他者と関わる事を拒み続けるが、やがてはその中でこれまでとは違う人生を歩んでいく事を決意する。時に衝突しながらも心を通わせられる仲間も増えていき、ワールドブレイカー=世界の破壊者だったハルクが、かの地の伝説にある「サカーサン」としてこの世界の王になるかと思われたのだが・・・

 


うん、ラストが酷い。っていうか悲惨すぎて、そりゃあハルクもブチ切れますわ。解説書にも書いてあるけど、これを踏まえての次作「ワールド・ウォー・ハルク」を読み返したらまた違う印象になりそう。日本語版だとワールド・ウォー・ハルクの方が結構前に出てて、そっちの方は出てすぐに読んでたんだけど、やっぱりどこかハルクも厄介な存在だよなと思ったりもしてました。

 

でもこのプラネットハルクを踏まえると、だって地球から遠く離れて、捨てられた悲しみの中から全てを捨てて一から人生をやり直そうと、ようやく新たな一歩を踏み出したとこだったんだよ?それでこの仕打ちはあまりにも不憫すぎる。

 

ワールド・ウォー・ハルクでも同じ演出が引き継がれてるけど、ハルク視点から見た時のトニーとかリードのなんたる憎々しい表情と言葉。あいつらこそ怪物じゃねーか!さあこの怒りを奴らにぶちかませ!とつい言ってしまいたくなる作りがやっぱり面白い。

 

この話はアニメ化もされていて、そっちもまだ見て無いので近々見る予定。(確保はしてある)1巻に出てくるシルバーサーファーの役どころがベータ・レイ・ビルになってるとか。前半なので、サーファーが一緒に地球に戻る?って声はかけてくれるんだけど、まだやさぐれ時代なので、もう地球はいいやって断ってしまうのが何とも悲しい。

 

映画の方とか見ててもそうだけど、ハルクって割と扱いにくいキャラだなぁと思うのですが(単純にパワーハウスだけの役割ってのも個性が無いし)、この後、前述の「ワールドウォーハルク」の他に「レッドハルク」「フォールオブハルクス」といくつか日本語版も出てるのですが、その辺りを読むとパワー系のキャラがガンガンぶつかりあう展開って意外と面白かったりしました。


「プラネットハルク」での「グラディエイター」みたいな世界観を使ってキャラクターを語り直す、新しい物語を与えるって新鮮ですし(その裏で地球ではシビルウォーやってるっていうのも含め)長い歴史の続くアメコミで同じキャラクターを試行錯誤しながら紡いでいくって面白い要素だなと改めて思った一作でした。

 

プラネット・ハルク:地の巻 (MARVEL)

 

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