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映画 プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日


『映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』予告編

監督:深澤敏則
脚本:村山功
日本映画 2020年
☆☆★

 

遂に公開になりました「映画プリキュアラクルリープ」
本来は3月公開予定だった春のオールスター(クロスオーバー)系作品。一度は5月に延期になったものの、その後再度延期で、通常は現行TVシリーズ単独の秋映画の枠に移動。なんとか公開にこぎつけました。

 

公開直前に延期になったので、すでに完成してたものをスライド。本来は当時まだ出て無かった追加戦士枠のキュアアースも、前説部分だけ登場。声を出して応援したり、ミラクルライトもふったりせずに心の中で応援してね、ということで、恐らくは本編中でも観客に応援を呼び掛ける部分も微修正してると思われます。みんなありがとう!ってとこだけは残ってましたが、流れ的に微修正した所はなんとなくわかる作りでした。

 

そこそこ評判は良い感じですが、そこはまあ待たされたからこそ、というのはあるのかなといった印象。秋映画と比べると、どうしても春映画はテーマとかストーリー性の面でどうしても他にやる事が多い分、雑になりがちで、その辺りは今作もそんなには変わらない感じ。

 

基本的に春映画は現行プリキュアが、プリキュアになったばかりで、まだ頼りなさもある所で、先輩からのエールを受け取って、これから頑張って行きます!的な感じが多いのですが、今回は本当に先輩プリキュアがフォローに回る助っ人な感じで、秋映画に近いようなあくまで「ヒープリ」という現行作品がメインな作りでした。ちょっと秋映画っぽい春映画と言う所ではHUGの春映画の「プリキュアスーパースターズ」に若干近いかな?

 

これ、作りとしては全然間違ってません。やっぱり現行作品こそが子供達にとっての一番のヒーローですから。先輩が出しゃばって、現行作品よりも目立っちゃうっていうのはあまりよろしくない。

 

が!そういう所を理解した上で、もうちょっと先輩プリキュアの出番が欲しかったのが正直な所です。いや、出番は少なくても良いけど、ああそうそうこの感じ!みたいなのが欲しかった。


具体的に言うと、前年の「プリキュアラクルユニバース」は作品として全体的な印象はちょっと残念な感じもしたんですけど、あきゆかの先輩としての頼もしさとか、ああいうのやっぱり凄く良かったんですよね。まあ、ゆかりさん高校生なのもあってプリキュアとしては常に結構特異なキャラではあるけれども。

 

あとはクロスオーバー物としては、やっぱり違う作品同士の絡みがもっと見たかった。そこがクロスオーバー作品の一番の面白味なんだし、最後、攻撃を読まれないようあえて違うチームで戦うってとこも、単純にカラーごと組ませてただ必殺技を出すより、その前後で一言二言があるだけで面白さが何倍にもなるのに、そこは凄く下手でした。こっちも具体例を出すとNS2の「いくよ先輩」「よぉ~し先輩頑張っちゃうぞ!」のソードとピースの一言づつの掛け合いだけでファンはご飯何杯でも食べられるのに、そこら辺が凄く勿体無かった。「戦隊VS」の定番の色合わせ攻撃の何もしゃべらないバージョンみたいで、ええ~それだけなの?って心の中で叫んでしまった。

 

前半の、キラやばぁ~なとことか、めちょっく!なとこは良かっただけにああいう感じが変身してからもあれば良かったのに。というか、あそこのひかるが物凄~くひかるで良かったよ。「のどかちゃんかぁ、よしよし」ってラテをなで回すとこ、とってもひかるっぽくて好き。

 

で、そういう絡みにあまり力を入れず、現行ヒープリ重視の中では、もう圧倒的に最後のスーパーグレースが最高にカッコ良かった。春映画のスーパープリキュア化は本編とは違ってたりするので、割と軽く流されがちですけど、スーパーグレースはフィギュアとか欲しくなるくらい。

(フィギュアと言えばアンジュのアーツどうした!ずっと待ってるぞ)

 

それと同じくらい、前半のフォンテーヌもアクションがずば抜けてカッコ良い。グレースとスパークルが押され気味なのに対して、フォンテーヌだけ敵の振動キックみたいなをスレスレでかわして一撃を叩き込むとことか、ついフォンテーヌ押しに乗り換えようと思うくらいでした。

 

で、残るは本来の押しのスパークルは・・・う~んタイムリープ説明するとこのひなたちゃんが凄くひなたちゃんだったので良しとしとこう。うん、やっぱりひなたちゃんならひかるとも共鳴できる。

 

とまあ、期待していたクロスオーバー要素の面白さが少なかったのは残念ですが、ヒープリの魅力としては十分に描けてたかなとは思います。

 

今回、タイムリープ物ですが、時間の概念の薄い子供達には馴染みにくいネタなんだそうですが、割とわかりやすくタイムリープ物の面白さは出てたとは思うし(「時かけ」の時代から「パッピーデスデイ」までやっぱりあの朝のシーンはお約束なんですよね)敵のリフレインも結構面白く描けてました。「オールスターズメモリーズ」のミデンと言い、プリキュア付喪神がやたら強い。

 

あとはやっぱりアブラハム監督・・・じゃなくって、アブラハム監督の新作に春日うらら主演に、北条まりあさんが音楽とか出てたのが長年のプリオタとしてはただの小ネタとは言え嬉しい要素。最近の春映画は昔のオールスターと違ってモブで色々なキャラ出たりしなくなっちゃってましたしね。いちごメロンパンと言い、そういうの小ネタはあるとやっぱり嬉しい。

 

で、うららと言えば来年春公開のヒープリ単独映画だ。
映画公開前日に情報解禁しちゃってたのが残念ですが、本来は今回の秋予定だった単独映画に「プリキュア5」も参戦。「どうでもいい夢なんか一つもない!」だったっけ?予告の時点でのぞみさんの声が聴けました。

 

作画班はともかく、脚本とか少なくとも基本プロットは春映画が終わってから考えるとかでは無いので、元から無かったものに急にプリキュア5を足したわけでは無いとは思うけど、プリキュアを親子2世代コンテンツに育てたいっていうのは少し前から話は出てたので、今後そういうのは少しづつ形になっていくのかなとは思います。特に今期はコロナの影響で売上下がるのは目に見えてるので、そこに対する起爆剤として話題性を作って行く、という形にはなるのかと。

 

本来、春映画は「秋に単独映画化決定」の特報が入るのみで、秋映画の方は春映画のタイトルとイメージカットだけ公開、というのが長年の定番でした。今後は春秋逆転しちゃうのかどうかわかりませんが、個人的には春の引き継ぎは続けて行ってほしい所。「戦隊VS」の方が、シリーズ終盤に前年の戦隊と共闘という形になってるんですけど、それだとバトンを渡す感じが正直薄いんですよね。追加戦士も加われる利点はあるものの、いくら毎回さほど変わり映えしないとはいえ新人研修映画もまた凄くプリキュア定番の良さだと私は思ってるので、そこは変えてほしくないかなぁと。


勿論、時代に合わせた変化こそがプリキュアの強みでもあるので、永遠に同じって事はないんでしょうけど。そういう意味じゃ今回のリフレインが繰り返しだけじゃダメなんだってメタ的に数年後にはあの敵にもまた違う価値が生まれた、とかになる可能性は大いにアリなんですが。

 

という事で、現行作品の映画化としては十分。クロスオーバー物としての面白さはやや難アリ、という感じかなと思いますのでこの作品に何を求めるかで評価は多少違いが出そうな作品でした。

 

でもね、グレース役の悠木碧がやっぱり凄いのよ。ヒープリを不遇な作品だったね、って言わせる気は全く無い。今の時代だからこそ絶対に必要な特別な作品だったって言わせるから、と息巻いてる様子です。去年の「ミラクルユニバース」で、最初は「うそっこのプリキュア」と言われたえいたそが誰より、何より特別に輝いた彼女ならではのプリキュアに成長したように、悠木碧?売れっ子声優なんだからそんなに彼女にとってはプリキュアって特別ではないでしょう?と最初は正直思ってた所は私にもあります。でも悠木碧はそんな風には1ミリも思って無かった事が知れて凄く嬉しい。


プリキュアは今の子供達にとってのヒーローでもある。でもそれだけじゃない私にとっても、他の知らない誰かにとっても、きっとそれは特別な存在なんだ、そう思わせてくれるのは本当に愛おしい。やっぱりプリキュアは最高だなと思えて本当に嬉しいです。

 

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ああ、そうそう、今回初めてカップにフィギュアがついてるドリンク買ったんですけど、実はこれがメチャメチャツボでした。微妙にしもぶくれな造形なんですけど、これ、ドキドキまでで止まって今はもう出なくなった昔のプライズのディフォルメフィギュアの造形とそっくり。

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うわ~、去年はひかららだったよね?ミニフィギュア集めてる身としては買っておけばよかった。食玩のハウス系についてる造形のしょぼい小さい奴と同程度のものだと思って去年はスルーしちゃったんですよ。リサイクルショップとかでいつか出会えるでしょうか?まさしく買わない後悔より買う後悔ってやつだこれ。

 

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