僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アントマン&ワスプ(MCUその20)

アントマン&ワスプ MCU ART COLLECTION (Blu-ray)

原題:ANT-MAN AND THE WASP
監督:ペイトン・リード
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2018年
☆☆☆★

 

「ワンダビジョン」も1月に延期になってしまった。極端に伸びたわけじゃないけど、正月休みとかに見れればと思ってたのでちょっと残念。結局2020年はMCU無しになっちゃいましたね。「エンドゲーム」でのお祭りも遠い昔のようで、この空白の1年が世間にどう影響するか。まあ私はあんまり関係ないしアメコミと共に今後もアメコミ映画は普通に見て行くだけなのだけど。

 

という所で「アントマン&ワスプ」です。
MCUフェイズ3の7本目。「アントマン」シリーズとしては2作目になります。

 

前作の「アントマン」1作目は、全員集合ビッグバジェットの「アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」の次に公開され、アントマンらしく小さい規模の映画でした。もうおなかいっぱいだぁ、の後に出されて、でもこれサラッと行けて美味しいな、というてらさわホーク氏曰くお茶漬け映画。何の巡り合わせか意図的なものか、今回の2作目も「アベンジャーズ/インフィニティウォー」で騒然とした後に出されるという、お前らちょっと落ち着けと言われてるような作品です。

 


前作のラストで提示されたワスプが今回から本格的に登場。
アントマンと同じくミクロ系ヒーローですが、原作的には単純な2番手とかではなくアベンジャーズ設立メンバーの一人で「アベンジャーズ」のチーム名もワスプ(ジャネット・ヴァン・ダイン)が名付け親だったりします。

 

ただ、逆に複雑と言うか色々と難しい部分もあって、アベンジャーズ唯一の女性メンバーであり、古い原作コミックを読んでるとワスプの役割っていかにも女性性を意識したキャラ付けになっていて、ウーマンリブ運動とか女性の社会進出とかも時代的に意識されていて、日本人がイメージしやすいようなチームの紅一点とは良くも悪くも違うキャラです。個人的には割と苦手なキャラだったり。

 

ただ、そこは逆に面白味でもあって、現代性の強いMCUまで含めて女性の社会的な立場やヒーローコミックにおける女性の描き方の変化みたいなものもその背景に見えてきたりする。

 

MCUって現代的に見えて、実は結構保守的な部分も多い。「ブラックパンサー」が黒人の為の映画だ!って世界的に盛り上がったわけですけど、18作目なんですよねそれ。勿論、それ以前にもウォーマシンとかファルコンとかヘイムダルとか黒人ヒーローは居るわけですが、どれも同じようなサイドキックの位置。そこ考えると女性ヒーローもMCU次作の「キャプテンマーベル」で初のピンだったりするわけで、シリーズの21作目で初めてって考えると、ようやくですよね。

 

古い歴史を持つ原作があるから、という背景もあるし、単純に映画としてのマーケティングで大予算の映画として女性であったり白人以外の人種を主人公に据えてヒットするのか?みたいな所があるのは想像できる。保守的だなぁと思う反面、原作にしても映画にしても、時代とともに変化していく、変化してきた所は面白味なのかなと思います。

 

そんなワスプもタイトルに置きつつ、アントマンアントマンらしく、アベンジャーズがサノスという強大な敵に立ち向かってる隣でやっぱりミニマムな物語。

 

今回の映画はちょっと変わってて、所謂強大な力を持つスーパーヴィランが登場しない。一応は「ゴースト」がこの作品のヴィラン的な見た目としては登場するけど、実質自分の能力をコントロール出来ずに困ってるだけで、シチュエーションとしてアントマンやワスプと対立するだけ。

 

いかにもな悪役としてのソニー・バーチも出てはくるものの、変身したり特殊スーツを着て直接戦ったりはしない。

 

ヒーロー映画なんて表向き小難しい事言ってても、結局は正義と悪の戦いみたいな単純なやつなんでしょう?というのは私の中でもちょっとあったりする。そういう視点で見るからこそ、ちょっとこの作品は物足りないなぁなんて思ったりするのかもしれないけど、これまで19作もやってきてたまには違う感じなのもアリだな、とも思わせられる。アントマンだけに。

 

個人的に一番目につくとこは、スコットとキャシーの親子関係。前作もそうでしたが、そこがやっぱりアントマンで一番好きな要素。そこ考えると、ハンク・ピムとホープ、そしてお母さんのジャネットもそうだし、ゴーストの方もビル・フォスター博士との疑似家族的な部分が描かれる。

 

そういうテーマがあれば別にスーパーヒーローだからと言って悪と正義の戦いじゃなくても良いんだよっていうのに挑戦できるのはやっぱりアントマンだからなのかなと思う。娘のキャシーにパパは私にとっての特別なヒーローよって言われたらもうそれ以上望むものなんか無いという気がしちゃいますしね。

 

あとはドタバタとギャグとそれなりのビュジュアル的な面白さがあればいい、それがアントマンなんだよって言われたら、これもアリだよなって思わざるをえない。アントマンだけに。(しつこい)

 

ただ、最後のサラサラ~がやっぱり切ない。物語としてのリンクはやっぱり楽しみな所ではあるんだけど、今回もアントマン楽しかったな、という気持ちが一気に醒める。やっぱり「インフィニティウォー」と「エンドゲーム」の間の2本、こちらのアントマンと次のキャプテンマーベルは若干消化試合的な感覚で見てしまったのがリアルタイムにしても今回もちょっとありました。これから先、何度も見て、単作として見られるようになるとまた違う印象にもなるかもしれません。

 

という事で次は「キャプテン・マーベル」です。


Marvel 映画「アントマン&ワスプ」日本版予告

 

 

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