僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アントマン:セカンド・チャンスマン

アントマン:セカンド・チャンスマン (MARVEL)

ANT-MAN:SECOND-CHANCE MAN
著:ニック・スペンサー(ライター)
 ラモン・ロザーナ(アーティスト)
訳:御代しおり、石川裕人
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2015
収録:ANT-MAN Vol.2 #1-5(2015)
☆☆☆☆


男の名はスコット・ラング。2代目アントマンとして知られる彼の生涯は
苦難の連続だった。投獄、離婚、死……そして、40歳の今は無職。
一度はスーパーヒーローとして栄光を掴みながら、手にした全てを失ってきた
彼の生きがいは、娘のキャシーだけだった。しかし、その娘とも別れの時が訪れる。
娘だけは絶対に失いたくない!一念発起した彼は、今度こそ幸せを掴み取れるのか?
ユーモアとペーソスを込めて贈る新世代のマーベルタイトル、映画公開に合わせ、最速で邦訳!

 

という事で、映画1作目の時に出た1冊です。映画の記事書いた時にタイミングが合わなくて「プレリュード」の方しか書けなかった(読めなかった)ので、今回のタイミングで読み返しました。

 

うん、メチャメチャ面白い。映画とは全然ストーリー違いますが、原案として近い要素がいっぱいあります。「プレリュード」の方にも1話のみ掲載されてましたが、そっちの方に掲載されてるスコット・ラング版アントマンデビュー作の話からダレン・クロスとの因縁として継続してる部分も大きいですし、1話のみのゲストでタスクマスターも出てくるのですが、そこで「ブラック・ウィドウ:プレリュード」に掲載されてるタスクマスター初出のストーリーも回想されてたり、今読み返しても凄く楽しい1冊。

 

「俺の宿敵…タスクマスター」
「は?」
「何だよ?」
「宿敵だと?勝手に宿敵呼ばわりするな」
「いやいやいや、忘れたのかよ!あの血で血を洗う抗争の日々を!」
「お前と?」
とかのやり取りが最高です。


ひと悶着あった後の去り際も、2度と宿敵呼ばわりすんな!営業妨害だから!というのが面白すぎます。

 

別格なタスキーはともかく、B級ヴィランばっかり出てきてとぼけた会話をしまくる辺りが本当に面白い。

 

それでいてやっぱり自分にとって一番大切な存在は娘のキャシーだと情けないながらもそこで踏ん張るスコットのカッコよさ。そこは映画とも通じる部分があって、凄く良いです。

 

警備会社を設立するっていうのはこっちも同じですが、映画ではおしゃべりの止まらないルイスとかあれも凄く面白かったものの、こっちの相棒はクマの着ぐるみをかぶったB級ヴィランのグリズリー。


最初はアントマンへの復讐で襲いかかってくるものの、え?あのアントマンお前じゃねぇの?いやあの時死んでたし、と、またもの死んでましたネタが楽しい。

 

タイトルにもなってる「セカンドチャンス」って、近年だとより大切な概念ですよね。一度何か失敗をしてしまうと、よってたかって社会に叩かれて、社会的にも抹殺されてしまうようになってしまう今の世の中。


確かにね、私もついつい一度失敗した人はまた同じ事やっちゃうんじゃないの?と思ってしまう部分はあるし、そこは否定しきれない自分も居る。

 

でもさ、それがもし叩かれる側が自分だったら?一生その罪や傷を背負っていくのは仕方ない部分なのかもしれない。でも、その先もう何の希望も持てないままだったら生きていくのツライよね。心を入れ替えて頑張ってみようと思っても、冷たい世間の目に晒されて、結局は心が折れてしまうかもしれない。そんな世の中は嫌だなと思う。

 

受け入れるのはとても難しいとは思う、でもそれを許せる社会や自分でありたいよね、とは思います。本当に心から反省して、違う自分になろうと言う人は受け入れてあげなきゃいけないと思うし、一度くらい挫折したって、セカンドチャンスのある世の中の方がずっと素晴らしいと思う。

 

全体的にコメディっぽい作風でありながら、そういう事をちゃんと描いてあるのがこの作品。凄く良いです。

 

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