END OF VENOMVERSE
著:カレン・バン(ライター)
イバン・コエリョ、ケビン・リブランダ(アーティスト)
訳:秋友克也
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2018
収録:VENOMIZED #1-5(2018)
☆☆☆
ヴェノム大戦決着!
シンビオートの宿敵ポイズンがマーベルユニバースに侵入!
ヴェノムとX-MENを中心にしたヒーロー連合軍の迎撃なるか!?
ヴェノムバース3部作完結編。
前2作は並行世界の話でしたが、今回は正史世界アース616にポイズンが攻めてくるという話。アベンジャーズも登場するものの、エディはX-MENと行動するのと、ここに至るまでの話の「ポイズンX」の流れがあるので、この手の話の割にはX-MENの出番が割と多め。
ただこっちの同行するブルーチーム、これまた過去の居世界から来た若い時代のファーストファイブの方。そこはまあまだ良い。でも、他にもストームがヴァンパイア化したブラッドストームやら、未来から来たオールドマンローガンやら、更にはアルティメット世界の生き残りジミー・ハドソン版ウルヴァリンとか、時系列改変しまくったツケが「インカージョン」事件に回ってきて「シークレットウォーズ」で統一されたんじゃなかったのかよ?という感じです。結局また並列世界キャラ多すぎ。
更にはそれがヴェノム化したりポイズン化したりと、もうこれわけわかんねぇな状態です。ある意味そこが魅力や面白さでもある半面、初心者には大変に厳しい世界。
D-マンとかレイジとか珍しいB級ヒーローがちょっと目立ちつつ、「マーベル怪獣大進撃」からライターがカレン・バンで引き継いでたりするので、キッド・カイジュウが割と大きい役割を果たすし、ムーンガールとかエルザ・ブラッドストーンなんかも登場。そこは直系のストーリーという感じがして面白い部分。
同時にヴェノムバースからの流れとしては、当然のエディヴェノムとカーネイジがそこそこ重要なポジション。そこにピーター・パーカースパイダーマンとエージェント・アンチヴェノム(フラッシュ・トンプソン)が並び立つ、というのも面白い見所です。
最後はファーストファイブのジーン・グレイが何とか収拾をつけるも、当然生き残りも居るわな。スパイダーマン系列の悪役として今後もちょこちょこポイズンが登場してくれる事でしょう。
解説にはジミー・ハドソンがポイズンとしてその後のストーリーがあるような事が書いてありますが、きっと他にも居て都合よく使われそう。
しかしヴェノムに思い入れないと、シンビオートの故郷の惑星とか嫌過ぎる。大量のシンビオートを返してやるシーンとか結構シュールです。
正史世界のイベントというのもあってか、3部作では最後のこれが一番良かったですし、複雑怪奇なマーベルユニバースを知るには良いけど、面白いストーリーだったかと言えばちょっと微妙な感じでした。
次は新刊の「スパイダーマン:ヴェノム・インク」かな。
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