MARVEL ANT-MAN
監督:Ugo Bienvenu / Kevin Manach
アメリカ 配信アニメ 2017年 全6話
☆☆
「ワンダビジョン」5話まで見ましたがとんでもない事になってきてメチャメチャ面白い。1~3話は正直よくわからん感じでしたが、4話から普通にエンドゲームのその後の話が始まって面白くなってきました。約30分と短い尺ですけど、毎週MCUが進行していくって感じでこれはこれで楽しい。
それはともかく、前回はディズニープラスで「ロケット&グルート」を見ましたが、こちらもこれまたショートアニメです。しかも1話が1分から2分という短さ。
昔風のいかにもバタくさいアメコミ絵みたいなものをそのまま動かすというある種の実験作みたいな感じでしょうか?
ただこれ、監督を調べてみたら、元々イラストを動かす感じのアートアニメーションをやってた人達っぽい。
君達面白い事やってるね。ここは一つ同じ手法でマーベルキャラを使ってやってみないかい?みたいな感じでスカウトされたのかなと勝手に想像。
MCU映画でもそうですけど、割とキャリアの浅いインディーズ上がりのまだ1本か2本くらいしか撮った事の無い監督を抜擢したりしてますし、コミックの方でもファンアートとか同人誌上がりの人に声かけてアーティストデビューさせたりするケースってマーベルは結構ありますので、そういう社風なんだろうなと。そうやって新しい物を生み出す原動力にしてたり、人を育てるみたいな部分も垣間見えて、なかなか面白い所です。
「ロケット&グルート」の時にも書きましたけど、1分でも話って作れるもんなんだなぁとこういうのは感心してしまいます。
私はこの手のショートアニメって、日本でも5分アニメとか今は結構ありますけど、「てーきゅう」とか好きで見ててショートアニメってあれのイメージが物凄く強いのですが、「てーきゅう」ってもうセリフを3倍速ぐらいでメチャメチャ詰め込んでる感じでしたが、そういうのともまた違う感じで楽しい。
普通の30分アニメとかって、OPとかED、CMを覗けは20分ちょっとじゃないですか。30分まるっと使えるわけじゃないんだよなぁ、とか思いながら見てますけど、実際アニメを作るとなると、1分だって相当な労力が費やされてるわけで、しかも演出一つでそこに結構な情報量を詰め込めたり出来るんですよね。そういう構造や技術って面白いなと思います。
よく会議とかのプレゼンでそれこそ2分とか5分とか時間制限があって、その中ではいどうぞ、みたいなのやると、意外と急ぎ過ぎて時間余ったりする事もあったりして、色々とその辺りは突き詰めていくと面白い部分かなと思います。
私は日頃から時間が無い時間が無いっていっつも言ってるような人ですが、その辺りのテクニックとかロジカルに理解できるともっと時間って有効に使えるのかも?なんて思ってみたり。
話をアントマンに戻すと、2017年の作品ですので、MCU版アントマンよりも後。なので主役もスコット・ラング版のアントマンです。「アントマン&ワスプ」よりも先にワスプが普通に出てますが、敵にイエロージャケットが出てきたり、その辺は映画の客層を見据えての感じのようです。
コミックファン的にはアントマンつったら普通はハンク・ピムでしょ?という感じですし、イエロージャケットの名前は映画でダレン・クロスが使ってましたが、本来はハンク・ピムのアントマンが名前を変えた時のものでした。昔のアメコミ風の絵なので騙されがちですが、その辺は新しい部分。
お話としても面白いような微妙なような、という感じもちょっとありますけど、何せ1分2分の話なので、あまりあれこれ考える余裕も無くあっという間に見終わってしまうという変な体験でした。なんかそこも含めてちょっとアートっぽい。
小さいヒーローという部分にふさわしく、これもまさにショートな作風というギャグでしょうか。
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