僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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絶対無敵スクイレルガール:けものがフレンド

絶対無敵スクイレルガール:けものがフレンド

THE UNBEATABLE SQUIRREL GIRL:SQUIRREL POWER
著:ライアン・ノース、スティーブ・ディッコ、ウィル・マレー(ライター)
 エリカ・ヘンダーソンスティーブ・ディッコ(アーティスト)
訳:御代しおり
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2017
収録:THE UNBEATABLE SQUIRREL GIRL #1-4(2015)
MARVEL SUPER HIROES v2 #8(1991)
☆☆☆☆


これがウワサのマーベル最強ヒロイン!
リスと喋る!ドングリを齧る!リスを着る!?

あのDr.ドゥームも、サノスも、ギャラクタスだってどーゆーワケか
敵わない、ナゾのマーベル最強ヒロインもいよいよ女子大生!寮に入った
のはいいけれど、カーテン開けたら即事件!女子トイレで着替えて出動だ!

リスなヤツはだいたい友達、元祖けもの娘、その名はスクイレルガール!

 

「マーベルライジング」ついでにせっかくだからこちらも。
「Ms.マーベル」「グウェンプール」と合わせて新世代マーベルヒロインとして連続刊行されて、3冊の応募券を合わせて送ると「ギャラクタ:パパは宇宙魔神」がもらえるというキャンペーンを当時はやっておりました。私も当然応募して貰ったので、それはいずれ。

 

本書にも収録されてるスクイレルガール初出は91年ですが、長らくマイナーキャラの位置にいた所が、2015年にこちらの独立誌を獲得、コメディーテイストの作風で一躍人気者に、というキャラクター。

 

日本語版は思いっきり表紙詐欺をやらかしてますが(そこもギャグなのでしょう)、作中のおたよりコーナーでも触れられているように、いかにもな美女という感じで描かれるキャラではないので、そう言う所が逆に親しみやすい、という部分もあるので、その辺りは結構貴重なキャラなのかも。別にルッキズムとかをテーマにした作品ではないけれども。

 

つーかアメコミってシリーズによって作者がコロコロ変わるのが普通なので、例え設定上が美男美女だったとしても、突然いかにもアメリカーンなむさ苦しい絵になったりする事もよくあるので、ビジュアルに関しては「今回はこういう絵なのね」で済ませちゃうので、そこはあまり気にはならないものだったり。いやそれでもデビュー誌のスティーブ・ディッコの絵はちょっとインパクトありますが。

 

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そのデビュー作。アイアンマンのサイドキックになりたい中学生の女の子、という話ですが、アイアンマンとリス娘というギャップが凄い。普通サイドキックつったら何かしら関連性のありそうなものにしそうなもんですが、鉄男とケモノ娘に何の繋がりが?という感じです。いや実際アイアンマンに嫌がられてサイドキックにはならない話だからそれでいいのか。

 

リスと女の子を組み合わせて、いわゆる「カワイイ」キャラを狙ったわけでは無く、あえてあまり強そうでないものをモチーフにする、といういかにもなマーベル文脈がある意味とっても「らしい」部分。

 

あのスパイダーマンだって、普通に考えたら蜘蛛なんて一般的には嫌われる生き物じゃないですか。だからこんなの人気が出るわけないよ、と一蹴されて、廃刊になる雑誌にひっそり1話目を忍ばせるという手法をとって、世に出しました。それが後にはマーベルで最も人気のあるキャラクターになるなんて、いかにもマーベルらしい部分と言えます。

 

これがリスじゃなくて、ライオンガールだとか、タイガーウーマンとかならやっぱりそれは強そうじゃないですか。でもそれってありがちでもある。女の子なら猫にしようとかだって、DCのキャットウーマンとか、マーベルならブラックキャットとかそれは居るわけで、リスの力を身に付けたヒーローってそれ一体強いのかどうかがさっぱりわからん。が、それゆえに自由に話が作れるのも面白味じゃないかと思いつつ、奇抜な設定があるだけで、それをさっぱり生かせず消えていくキャラもごまんと居るわけで、そこで生き残ったスクイレルガールは何気に凄い。

 

いきなりデビュー作でマーベルユニバースの超大物Dr.ドゥームを手玉に取るって、それこそ奇抜さ以外には何も無いわけで、多分、真面目に読んでた人にとってはふざけんな何だこの話はって怒った人も居るんじゃあないかと思います。でも逆にそこが面白味だしキャラクターの持ち味じゃあないか?と考えたのかどうかはわかりませんが、個人誌の今回の話では、何とあの宇宙魔神ギャラクタスをスクイレルガール一人で単独で追い返してしまうという。いや、一人じゃ無くて相棒リスのチッピトゥと二人でか。

 

1話目からして獣を狩るならあいつだとばかりに、初戦がスパイダーマンの宿敵、クレイブン・ザ・ハンターと戦う話になってる辺りがまた面白い。そしてその撃退の方法もまた最高です。パワーで勝つとかより、トンチで勝つ方がそりゃ強い。2戦目はあえてアイアンマン絡みで行こうと思ったのか、ウィップラッシュとか、コメディーながら色々と考えては作ってあるんだろうな、というのが面白かった。

 

ギャラクタス撃退までとキリの良い所までは収録されてますが、続刊が出た「Ms.マーベル」「グウェンプール」と違って2巻目は結局出ませんでした。はたしていつかMCU入りする時が来るのか!?流石にそっちで大物食いに期待はできそうにないですし、あんまり見たくはないですが、世界規模・宇宙規模の壮絶な戦いを繰り広げている裏で、ミニマムな戦いがあった!みたいなギャグ路線としてなら見たいかも。なんかアントマンみたいですが。

 

とりあえず、いつか続刊が出ることをお待ちしております。

 

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