僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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チャンピオンズ:チェンジ・ザ・ワールド

チャンピオンズ:チェンジ・ザ・ワールド (ShoPro Books)

CHAMPIONS: CHANGE THE WORLD
著:マーク・ウェイド(作)
 ハンベルト・ラモス(画)
訳:小池顕久
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2021年
収録:CHAMPIONS v2(2016)#1-5
☆☆★

 

新世代のヒーローチーム、
チャンピオンズ始動!

アベンジャーズの大人たちは一体何をしているのか?ヒーローたちの内戦が激化し、泥沼の争いを繰り広げるのを前に、若きヒーローたちは偉大なるチームからの脱退を決意した。
ミズ・マーベル、スパイダーマンことマイルス・モラレス、ノヴァの3人の元アベンジャーズは、同じ志を持つハルクのアマデウス・チョとヴィヴ・ヴィジョンを加え、チャンピオンズを結成する!

若きヒーローたちは、世界を変えることが出来るのか?
ヒーロー界に新時代の風が吹き荒れる!


とゆー事で待望のチャンピオンズ邦訳。
シビルウォー2」で大人達に嫌気がさしたティーンヒーロー達がアベンジャーズを離脱した後に、自分達のチームを結成。その立ち上げの所から描かれるのが今回の話。

 

ヴィレッジブックスから出ていたカマラ・カーン主役の「Ms.マーベル」が完結まで出た後なので、すぐにまたカマラちゃんの話が読める!と喜んでいたのですが、う~ん・・・なんかキャラ違うくない?

 

個人誌の後に、アベンジャーズ入りしていた姿はちょこちょこ出てきてはいたものの、基本的には大型イベントとかではほぼ背景キャラでしたし、アベンジャーズ内でも1年くらい経験して、そこでの変化がありつつ、今回の話に繋がるって感じでしょうから、ある程度は仕方ないとは言え、個人誌から直にこっちの話に入ると割と違和感があります。


偶然に能力に目覚めて、それに翻弄されつつも、元々ヒーロー好きだった彼女は、世の中の為にその力を使う事を決意する、ぐらいまでが個人誌での流れだったので、実際にアベンジャーズ入りして現実を思い知り、ある意味幻滅して自分達の力で世界を変えようと決意する、という流れなので話そのものは別におかしくは無いのだけれど、邦訳のみの部分だとアベンジャーズに居た頃の話があまり掘り下げられてないので、そこがちょっと微妙な感じでした。え?こんなリーダーシップをとるタイプの子だったっけ?って。

 

同じくアベンジャーズを離脱したマイルス・モラレス/スパイダーマンとサム・アレクサンダー/ノヴァを誘って新チームの話を持ちかける。アマデウス・チョ/ハルクとその流れでヴィヴ・ビジョンをスカウト。そこにヤングサイクロップスが自分も加わりたいと訪ねてくる。

 

1巻は基本その6人がメイン。戦いに明け暮れる中、その復興などにはあまり注力しない事に腹を立てるカマラら若いヒーロー達。いや、そういうのは色々事情があるんだよ、という大人の意見が鼻に付くお年頃。

 

物ごとを力で解決するばかりがヒーローじゃない。ヴィランと戦う事がヒーローなのか?世の中には差別とか人種問題とかそういう悪もいっぱいあるじゃん。非暴力でそことも戦わなきゃ!というコンセプトが、いや~若い。うん、若さだねこれは。

 

例えばヤングアベンジャーズなんかも若いヒーローチームでしたけど、いつもの事件に若者感覚で立ち向かう、っていう感じで、枠組み自体はそんなに変わってはいなかった。でも今回のチャンピオンズはそういう枠組みそのものも壊していこう、みたいな気概が感じられます。

 

いかにも悪ガキっぽい、マイルス、アマデウスハルク、ノヴァとかがいつつ、ヴィヴの超便利な人外感と、ここでもやっぱり優等生な若スコットとか、なかなか個性派ぞろい。それをリーダーとしてまとめようとするカマラちゃんも、それはそれで頑張ってるのだけど、ちょっと気持ちだけ先走りしすぎてないかい?という感じがしてやや危うい。

 

勿論、その掲げる理念や、実際の若い活動家でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイをモチーフにした話とか、なかなかに興味深くはある。グレタちゃんとかもそうだけどさ、気持ちはわかるけど、色々とその背景にある大人の事情とかも結果絡んできたりするわけじゃん?そこ考えると、こういう人達に頑張ってほしいと思う気持ちの半面、なんかこれ大丈夫なのか?とどこか冷めた大人の視点で見てしまう自分も居たりする。微妙に乗れないなぁ、みたいな。いやそういう視点が若い子から見たら大人って!ってなっちゃうのかもしれないけれど。

 

そして最後はこれまた押しかけでグウェンプールも登場。これも個人誌と違って、完全に頭おかしい人になっちゃってるなぁ。まあデッドプールの女版、みたいなキャラになっちゃうのは仕方ないし、自分が現実からコミックの中に入ってきたってのをちゃんと生かすにはああいう個人誌の話だから出来たのであって、こうやってチームに入って一キャラクターとして扱うとなると、正直難しいんだろうなと感じてしまいます。


一緒に出た「ウエストコーストアベンジャーズ」もそうですが、生かせないなら別に出さなくてもいいのになぁ、と正直思ってしまう。人気あるから出したいのか、それとも自分ならこんなキャラとして面白く描けるから出してるって形なのか、その辺りはよくわからないけれど。個人誌は面白かったんだけどなぁ、とカマラちゃんと同じ感想になってしまうのであった。


まあでもアマデウスにしろノヴァにしろ、これまであまり深くは描かれて無かった(邦訳版においては、の話)ですし、個々のキャラクターは面白いのでそこは面白かった。特にヴィヴはこっから始まりみたいな部分もあるでしょうし、便利なキャラでもあったりするので、そこは今後も期待。2巻目を楽しみに待ちたいと思います。

 

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