僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

映画 プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!

映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(DVD特装版)

監督:土田豊
脚本:村山功
日本映画 2016年
☆☆☆☆

 

プリキュア映画20作記念(20周年記念じゃないよ)作品。
春のオールスターズ映画としては8作目。
TVシリーズ13作目「魔法つかいプリキュア」が初登場の春の新人研修映画。

 

監督は現行TVシリーズ「トロピカル~ジュプリキュア」を手掛ける土田豊が担当。ただし、その監督のカラーが強く出た作品というよりは、前年のオールスターズ映画「春のカーニバル」の雪辱戦と言った意味合いが強い。

 

前作もミュージカル的な作品を目指して作られたものの、過去キュアのTVシリーズの曲がメインで、どちらかと言えば歌番組的な作りになってた。
そこは春カニの感想の方でも書きましたが、「オールスターズ」として作るにはあまりにも人数が増えすぎて、万遍なくどのプリキュアにも見せ場を作るというのには限界が来ていた為、少し方向性を変えようという意図があったためです。
そこでセリフが無くても歌って踊るミュージカルなら、エンディングのCGダンスもプリキュアの代名詞でもあるわけだし、親和性は高かろうと。

 

勿論、「アナ雪」の大ヒットに始まるディズニープリンセスの台頭もあるので、ミュージカルは子供もきっと喜んでくれるはず、という思惑があっただろう事は安易に想像が出来ます。

 

が!実際やってみたら、そんなに甘い物では無かった。
ミュージカル映画は実は物凄く手間がかかる。


ストーリーに合わせて曲を作って、そこに合わせたダンスも作らなければならない。しかもダンスの作画なんて、会話劇と比べたら作画カロリーも相当に高い。プリキュアは着ぐるみでのミュージカルショーも伝統としてやってきてますが、あれは実際の所、ボーカルアルバムの曲を使ってるだけなので、歌って踊るのには間違いは無いものの、言う程ミュージカル作品として完成度の高いものではない。


アニメのオールスターズでそれをやってみようとなったものの、春秋と年に2回のプログラムピクチャー的にやっているプリキュア映画とは時間も予算も手間も考えれば、実はそんなに相性は良くないというのが実際の所でした。

 

でも一度の失敗くらいではめげないのがプリキュアです。倒れたって何度でも立ちあがる。じゃあ今度は本気のミュージカル映画をやってやるぞと、前年の雪辱を果たしたのが今回の作品。

 

特にコメントやソースがあるわけではありませんが、多分この作品、過去作よりもずっと手間と時間をかけて作ってると思われます。ミュージカルパートは作詞とプロデュースを森雪之丞を外から読んでくるという気合の入れよう。それに伴って、ゲストも前作のオリラジとは違って、新妻聖子山本耕史という実際にミュージカル畑で活躍してる人を連れてくるというガチっぷりです。ただそれっぽいものを作るんじゃなく、本気で作ったのが「みんなで歌う♪奇跡の魔法!」という作品になります。

 

本気で作った分、それに見合う完成度と面白さ。数あるプリキュア映画の中でも、唯一無二の個性を持つ特異な作品になったと言えましょう。個人的にも好きな作品の一つです。

 

でも、毎年この路線でやるのは無理があると判断されたのでしょう。凄く良い作品なんですけど、この路線は「春のカーニバル」と「みんなで歌う奇跡の魔法」の2作のみで終了。「DX」シリーズや「NS」シリーズのように3部作的な形にはなりませんでした。うん、よっぽど大変だったんでしょうね。

 

それだけが原因では無く、オールスターズ人数多すぎ問題もあってか、翌年からの春映画はオールスターズの括りでなくなり、直近3作品に絞ったクロスオーバー作品としてこの後は作られていく事になります。一応、後の「HUGプリ」の時に15周年記念として秋映画とTVでも特別に復活はしましたが、「プリキュアオールスターズ」の一連の流れとしてはこれが最終作という扱い。いや次からの春映画もほんのちょっとだけ全員集合しかけるけど、未遂に終わるとか、色々と工夫もあるのですが、それはまたの機会に。

 

今回から「魔法つかいプリキュア」が初登場になるわけですが、まほプリ語りは秋映画とかドラマCDとか小説とかで語ってまたコンプリートブックで多分、延々と語る事になると思いますので、その辺はまたよかったらおつきあい下さい。

 

勿論、タイトル通りまほプリは「魔法」が彼女らの個性になるわけですが、今回の映画もちゃんとその辺に絡めてあるのが面白いとこです。

 

魔女のソルシエールが師匠から「究極の魔法」を教えてくれなかった事から歪んだ存在になってしまう、という話ですけど、サラッとネタバレしちゃえば、歌こそが究極の魔法だった、というオチになるわけですが、ミュージカル映画でそれをやる、というのがにくいし上手いですよね。

 

歌詞にも出て来ますが、歌は人の心を動かす事が出来る。言葉やメロディには不思議な魔力が宿っているし、時にそれは奇跡を呼び込む究極の魔法なんだと。特に歌を生業にしてる人なんかにとっては、これ以上無い答えですよね。「魔法つかいプリキュア」と「ミュージカル」をミックスさせたこの作品で描くに値するテーマなのが流石です。

 

後は今回、全員声ありなのは現行のまほ組とその前のゴープリ組は当然ですけど、その前のハピネスチャージとドキドキも全員声ありで、それ以前はピンクプリキュアのみで、初代はブラックとホワイト両方、という感じになってる。

 

でも今回のブラック、「みんな行くよ!」的なまとめ役の掛け声はやるけど、初代はそんなに目立たないポジションになってるんですね。何と言っても一番最初ですから、初代って優遇されるのは当然ですし、これまでのオールスターズでも大きい見せ場は優先してあったんですけど、そこを今回抑えてあるのが逆に良かった。

 

勿論、偉大なる初代様なのは確かにそうですし、私もブラックもホワイトも好きですし、NS3の活躍とかメチャメチャ燃えましたが、そこばっかでなくともな、他のプリキュアも同列であってほしいみたいなのはあるので、ピンクカルテットと名付けられた、ピーチ、ブロッサム、メロディ、ハッピーの4人組は物凄く楽しかった。

「あ、合わない」も最高でしたし。ピーチとメロディの男前コンビとか、ブロッサムとハッピーのスマギャンコンビも見てて楽しいです。

 

そしてオールスターズ恒例のマリンとハッピーのコメディ要因っぷりもとても好き。短いながらもこういう所がオールスターズの醍醐味ですので、ミュージカル要素にステータス全振りとかでなく、普通にオールスターズ映画としての面白さもちゃんと兼ね備えてるのが素晴らしいのです。

 

そして三度登場のキュアエコーもメチャメチャ嬉しい。「NS」シリーズではプリキュアに憧れる、プリキュアになりたい女の子=見ている観客の女の子というメタ要員だったエコーさんですが、それを今度は成長して新人の子を叱咤して導く存在になってくれてたのがとても嬉しい。ファン心理としては「NS1」「NS3」「みんなで歌う奇跡の魔法」としてキュアエコー三部作と言っても過言ではありません。

 

で、EDダンスに流れ込むわけですよ。
TVシリーズのレギュラーではないエコーさんはCGモデルがこれまではありませんでした。が、ついにここで来た!最後の最後に初代に導かれて登場、そしてエコーさんは画面のこちら側に手を差し伸べる。あなたもプリキュアだよって。こんなの泣いちゃうじゃんか。

 

EDテーマ「みんながいるから☆プリキュアオールスターズ」
歴代タイトルが入る曲もメチャメチャ好きです。しかもこれね、比べるとわかるんですが、当時先行公開されてたPVだと普通にみんなでコールしてるだけですよね。
「NS3」EDの「プリキュアメモリ」も歴代タイトルが入っててメチャメチャ好きな曲でしたし、今回もこのパターン来た!って私は公開前からPV何回も見て聞いてたんです。


www.youtube.com


実際に流れるEDバージョンはその歴代タイトルのとこは担当ピンクキュアの声が目立つように作ってある。

www.youtube.com

あれっ?歴代主人公の声がする!嬉しい!とか思ってた瞬間にエコーさん登場したので、初見の時はもう私もイエーッって叫びたくなるくらいでした。もうね、このEDだけでも十分に満足。


同じ曲で冒頭に流れる歌詞違いの「あなたがいるから」も良いですよね。とっても好きな曲です。決して「沖縄になる」じゃないぞ。

www.youtube.com

そんなこんなで数あるプリキュア映画の中でも満足度の高い一本。ソルシエールさんもね、良い歳したお姉さんがフリフリした可愛い服を着てるってとこも実はちょっとツボだったのですが、後から設定知ったらソルシエールさんって18歳って設定でした。一応、敵役というのもあって、声をわざと低めに出してたんだそうで、ちょっとおばちゃん声っぽいのが逆にギャップで面白いなと思ってたんですけどね。設定上もプリキュアでは無いですが、ダークヒロイン系譜としても印象に残る可愛いキャラでした。

 

といった所で、着ぐるみミュージカルDVDはここからもう出て無いので、次はまほプリ関連として秋映画かドラマCDか小説のどれかを語ります。

 

www.youtube.com

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com