僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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スーパーマン:ラスト・サン

スーパーマン:ラスト・サン (ShoPro Books)

SUPERMAN: LAST SON
著:ジェフ・ジョーンズ、リチャード・ドナー(作)
 アダム・キューバート(画)
訳:高木亮
刊:DC 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2013年
収録:ACTION COMICS #844-846 #851(2006-7)
 ACTION COMICS ANNUAL #11(2008)
☆☆☆★


我々が抱いていた未来への希望は、地球の人々に託された。
その架け橋となるのは、
クリプトン最後の息子であるお前だ。

 

映画監督のリチャード・ドナーがお亡くなりになられたそうです。ドナーと言えば言わずと知れた1978年「スーパーマン」の監督さんです。
それ以前からスーパーヒーロー物の映像化はありましたが、やっぱり78年版「スーパーマン」こそが今も続くスーパーヒーロー映画の原点なのは間違いありません。それはDCのみならず、マーベル映画にとってもです(つーかケビン・ファイギってドナーの弟子だったのね。今回の報道があるまで知らなかった)

 

私もねぇ、ドナー版「スーパーマン」は大好きな映画で、今見るとなんだこのオチは?と突っ込み所は大いにある映画なんですけど、そんな部分まで含めてね、愛すべき映画なのです。どちらかと言えば、監督のリチャード・ドナーよりも、スーパーマンを演じたクリストファー・リーブの方が私にとっては特別な存在で、自伝とかも読みましたし、彼に影響を受けた部分もあったりする。でもリチャード・ドナーもね「オーメン」とか「グーニーズ」とか、その辺はやっぱり好きな映画ですし、映画「スーパーマン」を生みだした功績は、本当に計り知れないほど特別な功績なのは間違いありません。

 

追悼として近い内に「スーパーマン」見返そうかと思います。クリストファー・リーブは大分前に亡くなられましたが、ヒロインのロイス役のマーゴット・キダーも数年前に亡くなられてて、映画スーパーマンを愛するライムスター宇多丸も、自分が思っていた以上にショックを受けたってラジオで語ってました。リチャード・ドナー、91歳だったそうで、年齢的には十分に生きたかなとは思える歳ですが、やはり自分にとって特別な作品を手掛けた人が亡くなるというのは、色々と思う所があります。

 

で、こちらのアメコミなのですが、そんなリチャード・ドナーがコミックの方の脚本を手掛けた作品です。今回、追悼として読んだわけではなくて、本当にたまたま数日前に私はこれ読んでたんですね。それがまあこんな偶然もあるのかと。

 

映画版の続きをコミックでやった、とかではなく、レギュラーシリーズの一編としてドナーが参加したシリーズです。勿論、突如ファントムゾーンから抜け出したゾッド将軍との戦いが描かれると言う事で、映画、特に「スーパーマンII冒険編」を意識した作品ではありますが、このストーリーのみのミニシリーズというわけではなく、コミックの設定に合わせたストーリーになってます。

 

ラストサン=クリプトン最後の生き残りのスーパーマンではなく、実はもう一人、クリプトンの子供が生き残っていた、という話。

 

どこからともなく突如現れたスーパーパワーを持つ子供がクリプトン人だと確信したスーパーマンは、自分の子供として彼を迎え入れようとする。クラークが彼につけた名前はクリス。(勿論、クリストファー・リーブのオマージュ!)

 

ロイスは最初は戸惑うものの、政府に管理されようとする彼を知り、やがては母親になる事を受け入れようとしていた矢先、ゾッド将軍らが襲来。彼はゾッドの息子だったのだ。

 

しかし、自らの子供を道具としてしか扱わない姿を見たスーパーマンは、血の繋がりでは無く、何を成すかで、例え悪の血が流れていようと、何者にでもなれるのだと、ゾッド将軍からクリスを奪い返そうとするも、ファントムゾーンからゾッドの部下の多くも復活していた。

 

スーパーマンの危機に、ジャスティスリーグも応援に駆け付けるが、クリプトン人の
強大な力に敗北し、全滅してしまう。仲間を失ったスーパーマンだったが、辛くも一時を逃げのび、次の一手を打つべく、レックス・ルーサーに助力を求める。長年戦ってきた相手だが、そんなルーサーだからこそクリプトン人への対抗手段をいくつも持っている事をスーパーマンは知っていたのだ。

 

レックス・ルーサーの軍団「スーパーマン・リベンジ・スクワッド」と共にゾッド軍団へ最後の抵抗を試みるスーパーマンだったが・・・。

 

と、なかなかに熱いストーリーになっております。

 

この時点ではクラークとロイスはもう結婚してる時期のストーリーなんだけど、孤独の要塞で亡き父と話をする中で、地球人とクリプトン人の間で子供を作る事は不可能だって断言されてたりする。

 

映画とかだとね、ロイスとかラナとかとのロマンスとか描かれますが、その先の結婚まですでに描かれてるコミックだと、ロイスとの間に子供は持てないみたいな所まで描いて、よりスーパーマンの孤独な部分とかをテーマとして描いてる辺りが、コミックならではの部分だなぁと思います。

 

まあぶっちゃけて言えばコミックの方が映画以上に何でもアリの世界ですし、そんなのどうとでも出来るでしょって感じではありますが。超人も宇宙人も別にスーパーマン一人じゃ無く山ほど居る世界だしね。

 

ただね、クリプトン人のジョー=エルの息子カル=エルとしてでなく、地球人のケント夫妻に育てられたからこそスーパーマンという道に至った、クリプトン人ではなく地球人のクラーク・ケントこそがスーパーマンの本質なんだ的な事は、これまで山ほど描かれてきた、ある意味スーパーマンの一番面白い部分ではあるので(だからみんなこの部分をテーマにリメイク作を描くのよね)、じゃあ彼が今度は親の立場になったら?というちょっとひとひねり加えた設定で話を作るっていうのがなかなか面白い部分でした。

 

ロイスは最初ちょっと怖気づいちゃうのね、という辺りがまた人間くさくて面白いです。

 

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