GRENDIZER GIGA
著:永井豪&ダイナミックプロ
秋田書店刊 チャンピオンREDコミックス 全2巻
2015年(連載2014-15)
☆☆★
読む前はスパロボとかだと「マジンガーZ」から「マジンカイザー」へ、「ゲッターロボ」から「真ゲッター」へ乗り換えパワーアップ的なものがあるので、グレンダイザーはそれがないなぁという発想から「グレンダイザーギガ」とかとりあえず今風にアッパーバージョンを作ってしまえ、という所から生まれた企画なのかな?と思ったのですが、ちょっと違った感じ。
続編とかじゃなく、リメイク企画だったようです。「マジンカイザー」というより「Zマジンガー」とか「マジンサーガ」みたいなものか。割と有名な話ですが、アニメのグレンダイザーはフランスとかだっけかな?ヨーロッパで高視聴率作品としてメチャメチャ有名。イベントとかで今でもグレンダイザーの話をよくされるので、じゃあリメイクしてみようかな?みたいな企画のようです。
豪ちゃんファンには大変申し訳ないですが、ハッキリ言って永井豪のセンスはいくら今風にやろうと思っても、あまりにも古臭い。デザインのセンスも話も、絵も古い。
ただ、ちゃんと「永井豪&ダイナミックプロ」って表記があるように、おそらく永井豪がちゃんと自分で描いてるであろう部分が半分か3分の1くらい。ぶっちゃけモブの方が絵が上手いという不思議な作品。多分これ、モブ書いてるのは「マジンガーZERO」の人ですよね。タッチが凄く似てる。怪獣も線のディティールがどちらかと言えば永井豪より石川賢の方に寄せてある。
でもね、それが「おいおい永井豪手抜きしてんじゃねーよ」ではなく、合作っぽい感じが、よりクオリティを上げていて、これ意外と悪くないんじゃないの?という感じでした。「ゴルゴ13」のさいとうたかをプロダクションみたいに、ほぼスタッフってわけじゃなく、割と永井豪って自分で描くことにこだわるタイプですので、似せてるだけで別人が描いてるってのではないと思うのですが、逆に私はね、全部まかせちゃっても良いんじゃないの?と思ったり。
永井豪はおおまかなラフとかプロットだけ出して、あとはダイナミックプロとしての作品ですよ、っていう形で出した方が、ビジュアル的にも話的にも面白くなるような気がする。突飛なアイデアをよりブラッシュアップして、今ならこういう描き方の方がより現代的になりますよ、ってしてくれた方が作品としては生きる気がするんですよね。
先日、何十年前の永井豪漫画版「グレンダイザー」を読んで、続けてこれ読んだものですから、そこの差が以外と面白かったというか、言葉は悪いですが、どうせまた永井豪なんでしょ?と思って読んだので、意外と面白いぞこれ?っていう感じでした。
兜光児の変わりに別キャラを出してサポートメカで援護させたりしてるものの、キャラ的にはさっぱり生かせてなかったり、例によって尻切れトンボで投げっぱなしエンドだし、果てはキューティーハニーまで味方として出してきたり、ダイザーの他にスペイザーの中にフロリアンビートとかいう女型ロボットを出してきたりしつつも、さっぱり活躍出来ないとか、いかにもガッカリな永井豪っぽい。
ああでもキューティーハニーは小型メカの等身大戦で同時に活躍出来たりと、意外と面白い使い方だったかも。おっぴろげ変身でうひゃ~とかは死ぬほど古臭いけど。
これがアニメ化するとは思えないけど、もしそんな企画があるとしたら、これをベースにあとは若い人たちが面白く作ってね、って投げるのも、それはそれでアリな気がする。スパロボ出演とか、何かしらの機会が無ければ多分これ単純に埋もれた作品になると思いますけど、ただの駄作と切り捨てるにはちょっと勿体無い部分も垣間見える作品でした。
PVなんてあるのねこれ
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