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機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で

機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で(2) (角川コミックス・エース)

RISE FROM THE ASHES
漫画:才谷ウメタロウ
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全4巻 2018-20年(連載2017-)
☆☆☆★

 

「コロニーの落ちた地で」ガンダムエースコミカライズ版です。
まあガンダム好きな人は知ってると思うけど一応作品の概要を。

大元はセガの家庭用ゲーム機ドリームキャストで1999年に発売された「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で・・・」が初出。
それに合わせて林譲治の手による小説版が描かれ、ストーリーやキャラクターを大幅に補強。後のGジェネとかで再現される時は基本この小説版がベースになってる。
同時期にマガジンZにてコミカライズ版も短期間連載されたものの、そちらは単行本としては未発売ですので、詳細は不明。私もどうせ単行本で買えばいいやと思ってたので、連載追って無くて凄く後悔してます。今からでも良いのでまとめてほしい。

 

ゲームの方はガンダム20周年記念プロジェクトみたいな奴でしたので、そこからさらに20近く経ってから再コミカライズ化という、これはガンダム以外ではなかなか出来ない流れです。小説版をベースに、更に一部キャラとかが追加されて、最新版という感じになってるのが今回のコミカライズです。

 

元の原作ゲーム、リアルタイムで経験していて、死ぬほど好きな作品です。勿論、当時以来再プレーとかはしてないので、思い出補正とかが大きいとは思いますが、好きなガンダムゲームベスト3は「ブルー」「コロ落ち」「ギレンの野望」になると思います。うん、今はゲームやってませんけど、当時は凄くゲーマーでしたし、思いっきりセガ派でしたので、そこは相当にやりこみました。

 

ブルーもコロ落ちも、シミュレーションでアムロのRX-78と戦えるモードとかあって、難しい難しい言われてたんですけど、え?こんなの簡単じゃん?って思えるくらいまでやりこんでAランクとか普通にやってた記憶が。今やれつったって無理でしょうけど、確かあれ、意外とパターンに持ち込めれば難なく勝てたように記憶してます。

 

そしてここ、凄く重要なのですが、もし自分がガンダムの世界に入ったらどのMSに乗りたい?みたいな妄想あるじゃないですか。


はい。私はジムに乗りたい人です。もう圧倒的にジム一択。


いやだってさ、私はアムロでもシャアでもないですし、物語の主人公やヒーローにはなれませんよ。そんな立派な人間じゃないですし。だから名もなき一兵士で良いですし、そんな人が乗れるMSはジムしか無いでしょう。(ついでに言えばジオンは嫌いなので、ザクでもないのです)「ガンダムVS」シリーズとかも初期のしかやってませんが、やっぱりジムとか量産機しか使ってませんでした。

 

いや単純に好きなMSとかならガンダム好きなんですよ。でもそれはキャラクターとか込みで好きなだけであって、自分が乗るMSという認識とかじゃあないのです。

 

そういう考えの人ですから、「ブルー」と「コロ落ち」はゲームだとユウもレイヤーも一切喋りませんし、=プレイヤーですから、まさに自分が主人公気分になってガンダム世界を体験できるという、ツボもツボな作品だったのです。しかも搭乗機はジムっていうね。

 

その後に同じ「ガンダム外伝」っていう枠で「宇宙、閃光の果てに」も作られましたが、主人公フォルドがやっすいキャラ付けされたたのと、主役機体がガンダムだったので、死ぬほど萎えた。(その辺まではプレイはしてます)ゲームのプロデュサーもジムじゃなくガンダムが出ないと売れないからみたいな事を言っててガッカリ。う~ん、ジムなのが良いんじゃあないか。

 


そんな「コロニーの落ちた地で・・・」への思い入れ話でした。
ここからは今回の漫画版の話。

 

流石に元から20年近く経って、ユウもレイヤーも他の媒体での露出で普通にキャラ付けもされて喋るようになりましたが、そこは仕方ないし、私も、こんなのレイヤーじゃ無い!とか勝手な自分の思い入れを押しつけるような感覚は流石にもう無いです。

 

かつてのガンプラブームの最中、プラモの設定にしか存在しないジョニー・ライデンとかを自分なりに自由に解釈していたものが今は普通にキャラクターとして認知されるようになったのと、同じような道をユウもレイヤーも歩んでいるんだな、みたいな感じで、そこは逆に面白いポイント。

 

元がそういう性質でキャラ配置されてたのもあって、主人公は基本無個性で脇に個性が振ってあるんですよね。なので実はレイヤーよりも、マイクってこんなキャラだったっけ?とちょっと違和感がありました。いや、お調子者なのは相変わらずなのですが、なんか童顔で「ブルー」の方のサマナっぽいし、今回は結構重要な役割を担っていて、優秀な射撃種・スナイパーという部分が追加されてます。なんと最終決戦のジムスナイパー2のビームライフルはマイク機にのみ装備されてるという破格の待遇。・・・でもちゃんとオチはつく。

 

元のゲームの面白さを再現しようと言う試みなのか、割とこの手のガンダム漫画には珍しく、戦略・戦術の描写が重視され、オアシスからの情報を元にホワイトディンゴ3機の連携みたいな所で敵を撃破していくのが面白味。レイヤー無双としては描かれない。

 

ベースが小説版というのもあって、ジオン側の描写も多め。ヴィッシュ・ドナヒューも宿命のライバル的な存在というより、もう一人の主人公とまでは言わないものの、ジオン側にもジオン側の事情がある、っていうのを体現するキャラクターになってました。

 

連邦側はスタンリー大佐、ジオン側はウォルター・カーティスと、元のゲームの時から設定されていた、それぞれの陣営のオーストラリア方面軍司令官もちゃんと描かれますし、特にジオン側は小説版から追加されたユライア・ヒープ、マヤ・コイズミ、ジョコンダ辺りの描写も多いだけに、ヴィッシュを単純なライバルとしてではなく、一人の人物像を掘り下げるという形になったのは面白いと思います。その分、いわゆる強キャラ感はあまりないけれども。

 

逆に連邦側は小説版には無かった民間人の学者で、オリヴィアとピオという女性キャラがアスタロス絡みで追加されてて、コミック版のみのタイトルの「グランドゼロ」という部分を体現するキャラクターになってる。まあ言ってしまえば二人ともオーストラリア出身で、地元をメチャメチャにされて戦争を憎んでるぞっていうキャラクター。

 

決して大きい出番があるわけでもないんだけど、元々ミリタリーテイストの強かった「コロ落ち」に対して、ある意味でのカウンターというか、20年近く経った今だからこその視点みたいなものを入れたかったんだろうなというのはわかる話です。

 

ヴィッシュもそうですし、レイヤーもそうなんですけど、決して彼らをスーパーヒーロー的というか、歴戦の勇士、最強クラスの名パイロットとしては描いていない辺りに今回のコミカライズ版の主張を感じられて、そこは面白い部分でした。

 

後はちょっとメカ的な所を。
序盤にいきなり陸戦型ガンキャノンとか、オリジナルの形状のガンタンクとか出てくるのですが、これが結構カッコいい。陸戦型ガンキャノンは胴体部分だけ陸戦型ジムで後は全部普通のガンキャノンなので、プラモとかトイでもミキシングで簡単に作れそうな割にカッコいいです。

 

あとはWD仕様のジムが、フンドシ部分3分割なのが最初はあれ~っ?って思ったのですが(ゲームに思い入れがあるとそこは1枚板の方が良い)各機ヘッドギアとかヴェブラルアーマー(ジムストライカーとかがつけてる追加装甲ね)でそれぞれ別にカスタマイズされてる形状なので、そこは単純に出撃す時によってオプション装備的なものかなとも思えるし、これはこれでカッコいい。ジムスナイパー2も同様のアレンジが加えられてます。ジムスナ2、初出の「0080」では全く活躍が描かれなかったので、ホワイトディンゴ仕様の白いカラーリングのこれが圧倒的にカッコ良いですよね。

 

そしてヴィッシュのゲルググ、当時は地上でゲルググって珍しかったので、後に陸戦型(G型)ゲルググだったとか後付けで設定が付け加えられてた記憶がしますが、今回は更にカスタマイズ。余分な装甲をとりはらって、軽装型に。4巻のカバー外すとゲルググだけ載ってますが、この辺は設定画がほしいとこです。

 

短いながらも、割と丁寧に描かれてて読み応えのあるなかなかの良作でした。

機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で(4) (角川コミックス・エース)

 

www.youtube.comいやぁ~、BGMだけでトキメクなこれ。

 

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