僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ゾンビの中心で、愛をさけぶ

ゾンビの中心で、愛をさけぶ [DVD]

原題:Zoo
監督・脚本・音楽・編集:アントニオ・トゥーブレン
デンマークスウェーデン映画
2018年
☆☆☆

 

<ストーリー>
カレンとジョンの夫婦は倦怠期で、結婚生活は崩壊寸前に陥っていた。そんなある日、人間がソンビ化する伝染病が蔓延し、街はゾンビだらけになってしまう。カレンとジョンは感染を避けるためマンションの部屋に閉じこもり、救助を待つことに。しかし状況は悪化する一方で、ゾンビのみならず強盗や怪しい生存者たちが夫婦に襲いかかる。突如として訪れたサバイバル生活に刺激され、冷え切っていた2人の愛は再燃しはじめ……。

 

低予算ゾンビ映画。ちゃんとした俳優が出てるのでインディーズ映画では無いっぽいですが、アイデア重視の密室劇。窓の外から見える景色くらいは見えますが、基本最初から最後まで部屋を出ません。

 

突如ゾンビが発生したポストアポカリプス世界で、終わりかけていた愛を再び取り戻していく、という展開。

 

制作が2018年ですし意図したものではないですが、コロナ禍の素ごもり生活を余儀なくされる現代だと、なんとなくですが重ねて見てしまいます。ゾンビの発生を、製薬会社の陰謀だ!ワクチンで大儲けするんだろ!みたいな陰謀論をチョロっと言ったりもしてましたし。
私も陰謀論とか好きな方だけど、それを本気で信じて良いのは中学二年生までだって事も覚えておいた方が良いです。実際私の周りでもコロナ陰謀説を語る大人も何人か実際に見て、ああ~こういう残念な人だったんだってガッカリしたので。

 

密室劇と言ってもサスペンス的な要素は薄く、一応中盤に生存者の夫婦を保護して、彼らの言い分を信じるべきか的な要素はあるものの、個人的にはあのパート無かった方が良かったかも?という感じでした。

 

かと言って会話劇として面白いのかと言えば、そこまででもない。追い込まれた状況の中で、一度は醒めてしまっていた関係が、内心を打ち明けたり、互いの良い所悪い所なんかが見えてくる事によって、パートナーとして悪くは無いな、と。

陰謀論とかもそうですけど、また別の話で昔ね、仕事の年上の同僚(と言っても役職的には私の部下になるのですが)が居たんですけど、会社の前で一台の車が脱輪しちゃって困ってた事があって、仕事とは何の関係は無いものの、目の前だし私は助けに行ったのですが、その人は来なかった。後で話をしたら、面倒事に巻き込まれるのは御免だから、って言ってて、ああこいつクズだなって思いました。ふとした時に垣間見えるその人の本質ってあったりするものです。

 

私、ゾンビ映画大好きです。ハンドルネームのキュアZのZはゾンビからとりました。あまりにテキトーにその場でつけただけなので今は後悔してます。、それはさておき、ゾンビ映画の何が好きかって、そのシチュエーションなんです。

 

ゾンビのオリジンとでも言うべき、ロメロゾンビの時代から、ああこの世界に入りたい、こんな世界を体験してみたい、自分だったらどんな行動をとるだろうか?みたいなワクワクがとまりません。いやホントにこうなったら嫌だろうとも思うのですが、だからこそ映画として見ているゾンビ世界に心惹かれるのかもしれません。

 

今回の映画も、映画として面白いというよりは、そんな「このシチュエーションでもし自分だったらどうするだろうか?」みたいな所を楽しんだ面は大きい。

 

低予算ゾンビ映画と言っても、安いCGとか特殊メイクでゾンビとバカスカ戦うとかよりも、こういうタイプの映画の方がずっと好きです。
「コリン LOVE OF THE DEAD」「マギー」「ウォーム・ボディーズ」とかね、ゾンビ映画でありながら、ゾンビと戦うとかでは無く、アイデア重視の作品、割と好きなんです。

今回も、ゾンビにかこつけて、一度死んだ愛が蘇るとか、流れ的にはそうなのかもしれないけど、そこまでネタっぽくなく、シチュエーションがゾンビなだけで、話としては普通に倦怠期を乗り越える恋愛物として割と真面目に作ってあるのが良いです。

 

大絶賛とかではないし、面白いからオススメ、とかはしないんですけど、個人的にはこういうの好き、という一本に今回の「ゾンビの中心で、愛をさけぶ」も十分に入る出来でした。

あ、割と同列で語られる事の多い「ゾンビーノ」は、私にとってはあれ正統派ロメロゾンビ作品に十分に加わる作品です。ゾンビーノはストレートに社会風刺としてのゾンビ映画ですので。

 

因みに今回の映画、原題が「Zoo」で、スウェーデン語でも「動物園」で良いのかな?出られない織の中に閉じこめられている的なシチュエーションからのタイトルでしょうか?愛を下さいな感じで意外とこのアホみたいな邦題も悪くないかも。

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