僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ハートキャッチプリキュア! 41~49話(完)

ハートキャッチプリキュア! 16 [レンタル落ち]

HEARTCATCH PRECURE!
シリーズディレクター:長峯達也
TVアニメ 全49話 2010-11
☆☆☆☆☆

 

10話ごと無料配信5週目。今回でラストです。
3話ほど単発の話があって、次のクリスマス回からラスト6話は一気にクライマックスに突入。


■41話 妖精が変身!? プリキュア劇団はじめました!!

バケツの水が先生の心情を表すとかの映画的演出が光る。
あとアクションが以外と凄いです。

保育園の話なんですけど、実はそこってプリキュアのメインユーザーである年齢層ですよね。子供の視点として自分を重ねて見れるのかな?という気もしますし、興味深い部分なんですけど、ただ毎回幼稚園児で話を作るのはちょっと難しいんでしょうね。


■42話 とまどいのゆりさん! ラブレター見ちゃいました…

OPがここから最終バージョン。コッペ様大暴れのインパクトが大きいのか、このバージョンの印象が強かったですけど、意外と遅かったんですね。
あと、えりかの「きちゃったかな、あたしの時代」はこの話か

ゆりさんにあこがれるハヤト君の話。
早く大人になりたいっていう気持ち。こういうのってどちらかと言えば男の子よりも女の子の方が強いと思うんだけど(だから昔の魔女っ子ものは大人の女性に変身するのが多かったわけですし)その辺はどうなんでしょう。ああ、男の子は大人に対抗できる力がほしいって方向か。(そこがロボアニメに繋がる)

そしてダークプリキュア復活。
ゆりさんの小学生時代中学生時代がちょろっと見れるのは貴重なシーン。


■43話 あたらしい家族! 私、お姉さんになります!!

最後の通常回。ブロッサムの一人バンクもあり、丁寧につぼみの成長が描かれてます。お父さんも良い人ですよね。

ふたばちゃん、エピローグへの布石という形にはなってるものの、こうやってゲストキャラとプリキュア側の話を重ねるのが映画演出というもの。


■44話 クリスマスの奇跡! キュアフラワーに会えました!

クリスマス特別回。キュアフラワーの一夜限りの復活。

皆に一目置かれたくて、つい嘘をついてしまうっていうゲストのまゆかちゃんの話も、視聴者である子供にはグサっと刺さる子も居るんじゃないかなぁ?


そんな子供たちへの目線と共に、デザトリアンを生みだすのはクリスマスに一人寂しくケーキ売りのバイトをしているプリキュアファンっていうのがプリオタ的には泣かせる部分。

今回はそんな特別編と思わせといて・・・からのデューンが地球に到達してプリキュア達の前へ、という驚愕のラストが素晴らしい。


■45話 もうダメです… 世界が砂漠になりました…

帰還したデューンの前に成すすべも無く全滅するプリキュアキュアフラワーも捉えられ、かつて封印されていた力もデューンは取り戻し。心の大樹までもを枯れさせてしまう。砂漠の種で地球全土が砂漠化してしまった・・・。

私はハートキャッチがプリキュアの入り口だったので、リアルタイムで初めて観てた時はなんだこの展開って度肝を抜かれたなぁ。え?女児向けアニメでこんなハードな展開になっちゃうのか?って。

まあプリキュア見慣れてしまうと、プリキュアは割と終盤に一度地球壊滅とか結構あったりするんだよな、と思えるのだけれど。

で、大切な人達まで全て失ってしまったと思いきや、一部の人達は生き残っていた。これまでデザトリアンにされてプリキュアに救ってもらった人達。彼ら彼女らは、プリキュアに負けない心を教わったから、というベタな展開ながら、最高に盛り上がる瞬間。自分の弱さを受け入れ、もう一度プリキュアが咲かせてきた花は絶対に折れない、いやもう最高じゃないですか。OPの「思いやりで育ったその笑顔は枯れない(絶対!)」もここで生きてくる。そして皆を失ったと思っていたプリキュアも、また彼ら彼女らに救われるという。涙無くして見れないエピソードです。

で、プリキュアは玩具の販促番組なので、クリスマスで玩具を売り切った後はそういう販促番組からの枷が外れて、後は作り手の思うように話が展開できるという、大人にして見ればプリキュアが一番面白くなる時期。

でもそこ考えるとお正月の落とし玉需要とか狙わないんだろうか?と昔は思ってたのですが、プリキュアは未就学児までしか見ないもので小学校に入る頃には卒業。小学生中学生くらいならまだ落とし玉で自分の欲しい物を買うっていうのあるかもしれませんが、流石に未就学児が自分のお金で買うってのはちょっと考えにくいわな。

そしてデューンを追って最終決戦の場へ!


■46話 クモジャキー! コブラージャ!あなたたちを忘れません!!

マリンVSクモジャキー、コブラージャVSサンシャインの最終決戦。
ここは自分にまかせて先に行け展開で、本当の強さ、本当の美しさとか、いわゆるテンプレで決して目新しい物があるわけじゃないんだけど、そこはここまで積み上げてきた物があるからこそ、王道展開でもグッと来る。見慣れたバンク技でもそれが最高にカッコよく見えるのが最高。

ここでようやく(というか唯一)サンシャインのテーマ曲「パワー・オブ・サンシャイン」が使われる。

やっぱり私はヒーローとしてのプリキュアが好きで、可愛いとか楽しいも勿論好きだけど、大切な人達を守る為にどこまででも強くなれるっていうヒーロー要素が死ぬほど好きだ


■47話 嘘だと言ってください! サバーク博士の正体!!

ムーンライトVSダークプリキュアの最終決戦。
そしてサバーク博士もここで明かされる。

えりからのスナッキーとのコメディシーンでバランスをとりつつ、月の光と闇の対決という最高にハードな戦いが繰り広げられる。ダークプリキュア役の高山みなみの声がちょっとかすれてるというか、逆に綺麗な音程での喋り方じゃなく、本気の叫びっていう感じが凄くグッと来る。ビジュアルも演技も最高、そして2度目のムーンライトの挿入歌。最高に盛り上がる部分です。


■48話 地球のため! 夢のため! プリキュア最後の変身です!

月影博士がサバーク博士化した理由、ダークプリキュアの出生が明らかに。
そこからの悲劇とデューン戦開始で最終決戦へ。

ここのね、
「お願いです、憎しみのまま戦えばきっと負けてしまいます。
 悲しみや憎しみは誰かが歯を食いしばって断ち切らなくちゃダメなんです!
 私達が頑張ってプリキュアしてきたのは何の為なんですか!?
 コロンやお父さんがゆりさんに託したものは何なんですか!?」
「私が憧れたキュアムーンライト。あなたが何をしたいのか!? 
 何をするべきなのか、そして何のために戦うのか!?
 自分で考えて下さい!」
がね、私はハトで一番好きなシーン。

史上最弱のプリキュアと呼ばれ、かつてはゆりさんからつぼみが「自分で考えなさい」って言われてきて、そこから1年通してきてね、逆につぼみの方からゆりさんに自分で考えろと。

しかも今回見返して「悲しみや憎しみは誰かが歯を食いしばって断ち切る」って最終試練でゆりさん自身が言ってるんですよね。

ラス2話って演出長峯、作監馬越でやってて、細かい表情芝居とかも死ぬほど素晴らしい。ダークプリキュアの最後の表情もね、結構ファンの間では色々な解釈で語られる事が多くて、父親に抱き締められて、最後に「勝ったぞ」的な表情という解釈もあるんだけど、今回私は「お姉ちゃん」って言ってるように見えたなぁ。


■49話 みんなの心をひとつに! 私は最強のプリキュア!!

ついに最終回。

初見の時はね、デューンの根源である憎しみって何だろう?そしてそれを超えるプリキュアの愛って何だ?そこら辺を描き切れないのが子供向けアニメの限界なのかな?って最初は思った部分があって、若干モヤモヤも残ったのですが、後にデューンの過去は小説版で描かれてて、ああこれは説明しない方が良かったんだな、あえて描かない方が良い部分ってあるのかと、考えを改める切っ掛けにもなったのでした。

その後プリオタになって、最後のふたばのシーンなんかも、彼女がプリキュアを引き継ぐっていうシーンなのかな?ではなく、今度は観ている子供達に向けて、今度はあなたがプリキュアになるんだよっていうメッセージなんだなと理解できるようになりました。

 

当然ながら、その時その時に観る視点って毎回違ってくるので、映画の感想を書いた時もそうでしたが、実はハトってシリーズとしては私がプリキュアに入るきっかけになった思い入れはあったんだけど、特別好きなシリーズかと言えばそうでもなかった。

 

それは外的要因としてハートキャッチという作品、あるいはキュアマリンって特別な人気があって、なんかそこばかり特別視されてて、他のシリーズも同じように面白いのになぁという感情が無かったとは言いません。

 

でもこうして改めて全話また見返すと、やっぱりこれは凄い作品だなと言わざるを得ないものがちゃんとありました。

 

これまでの感想の途中でもチョロっと触れたけど、各話の基本フォーマットがハートキャッチって独特でユニークな構造をしていて、これは他のプリキュアシリーズ、あるいはアニメ作品全般と言っても良いと思うんだけど、あまり例を見ない作りになってる。

 

基本的には毎回のゲストのお悩み相談を解決する話なんだけど、ゲストがデザトリアン化する事で、その心情を言葉で吐露しちゃうわけですよ。感情を言葉で説明してしまうっていうのは映像表現においては、程度が低いと見なされるやり方です。

 

映画オタク、シネフィルがTVドラマを下に見がちなのはその部分なんですよね。セリフで言わせるんじゃなくて、画で表現しろよ、そこを読みとって自分の頭の中で組み立てるからこそ解釈の幅が生まれて、より深さになるんだっていう。

 

そこはメディアの違いもあって、TVは老若男女誰でもリモコンのスイッチ一つで無料で見られるから、誰でもわかる表現というのを重視する、という特性からそういう流れが生まれていて、映画は自分の足とお金と時間を自ら費やす分、リテラシーの高さをある程度は要求出来る。そこには娯楽性だけでなく芸術性までも表現できる、という進化で続いているメディアです。セリフで言わなくてもわかるよね、とこちらはTVと違って視聴者を信用した作りも出来る、という事です。

 

「映画的」というのは予算からくるスケールの大きさとか派手さの事では無く、そんな表現方法の違いだったりします。映画好きな人はその辺理解してるはずですが、そうでない人には意外とわからない部分だからこそ、ファスト映画みたいな考え方が生まれたりもする。

 

まあ、それはともかく、それとプリキュアの何が関係してくるかと言えば、プリキュアは対象年齢が低いので、割と言葉に頼りがちな面はある作品です。

 

そこをデザトリアンシステムという構造にしちゃって、堂々とセリフで言わせる。しかも尺の関係もあって、基本的にはプリキュアに変身してそれを倒すと、結果問題も解決するという、他にあまり例を見ない面白い作りになってる。

 

で、基本的に映像作家というのは映画志向のある人達が大半ですから、そんな子供向け作品のプリキュアにおいても、映画的表現っていうのは随所に入っていて、それは初代の頃からずっとそうです。子供向けになるべくわかりやすくしよう、という部分がありつつ、映像表現として映画的に上質なものにしようっていう二律背反的な葛藤こそが、ある意味ではプリキュアの一番の見所と言っても過言では無いかもしれません。今回見返してて特に感じたけど、映画的カットってハートキャッチは凄く多いです。

 

で、決して全話では無いのですが、そのメインプロットであるゲストのお悩み解決と、その話におけるサブプロットでつぼみらメインキャラクターのドラマを重ねてきたりするんですね。

 

例えばわかりやすい所で17話。和菓子屋の息子が、先代に自分が作ったものを認めてもらいたいっていうのがゲストの話で、先代プリキュアであるゆりさんに自分達を認めてもらいたいっていうのがつぼみ達の話で、そこを重ねて横軸と縦軸を重ねて表現してたりする。他にもこういう事をやってる話が結構ありました。

 

いや凄い事やってるなぁと。これ、ゲスト話を中心にやってるハートキャッチならではで、他のプリキュアシリーズではあまり無い形だと思います。面白いし、凄い事をやってるなと、改めてハートキャッチの面白さに気付かされました。

 

元々好きだったムーンライトもそうですが、やっぱりえりかも面白いですし、今回見返してて、つぼみが可愛いなと改めてその魅力に惹かれました。いつきも別に悪くは無いですが、良くも悪くも変身バンク以外はあまり語られにくいキャラですし、そこはスタッフも言ってましたがやや割を食ってしまった感はあるかなと。(これ、後のハピネスチャージでも同じ事繰り返しちゃってるんですよね)

 

他にも、キャラデザをシンプルにしてアクションを動かしやすくするっていうのが功を奏して、結構凄いアクションが随所に見られますし、(これ同じ事を「聖闘士星矢Ω」でやろうとしたのですが、そっちは見事に失敗してて悲惨でした)コロコロ表情の変わるマンガちっくな表現も凄く魅力的で、この部分に関しては子供にも一番受ける部分だよな、と納得させられます。

 

その上、私が初見の時に感じたハードな世界観とヒーロー物のカッコよさもやはり大きい魅力である事は確かですし、これが受けないはずがないと改めて思わせられる面白さでした。

 

私の中ではハートキャッチってプリキュアシリーズの中でも割と特殊な例で、ある種の特異点的な印象が強くて、初心者向け入門作とかではないかな、って思ってる所がありました。ここを基準にしちゃうと、他のシリーズを見た時、あれ?何か違うぞって思ってしまうんじゃないかと。でも改めて見返すと、まず一つの作品として間違いなく面白いんだから、ここから入るのも悪くは無いかな、と今回思えたかな。今までだとバランスの良さで「フレッシュ」が入門作としては最適かなぁとか思ってたんですけど。

 

そこはともかく、「ハートキャッチプリキュア」改めて、メチャメチャ面白かった。1週間に10話ペースはなかなかにキツイものがありましたが、完走できて満足です。

 

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