僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

スーペリア・スパイダーマン:ネセサリー・イービル/スーペリア・ヴェノム

f:id:curez:20210913221605j:plain

SUPERIOR SPIDER-MAN: NECESSARY EVIL/SUPERIOR VENOM
著:ダン・スロット、クリストス・ゲイジ(ライター)
 ライアン・ステグマン、ジュゼッペ・カムンコリ、
 ウンベルト・ラモス(アーティスト)
訳:秋友克也
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2021年
収録:SUPERIOR SPIDER-MAN #17-25(2013-14)
☆☆☆☆

 

宿敵ピーター・パーカーを亡き者としたオットー・オクタビアスは、
自らの優越性を示すべく、スーペリア・スパイダーマンとなった。

オットーはその頭脳と財力で犯罪との戦いを優位に進める一方、
素顔の“ピーター”としては心を寄せるアナ・マリアとの絆を深めていく。

公私ともに順調な日々を送るオットーだったが、
その裏では、大敵グリーンゴブリンの陰謀が着々と進みつつあった。

そして今……。

スパイダーマン2099、エージェント・ヴェノムなど、
多彩なゲストも登場するシリーズ第4弾!


という事で通販限定で発売されました「スーペリアスパイダーマン」4巻です。
今回は原書で言う所の4巻と5巻のTPB2冊分を一挙収録。前半はスパイダーマン2099編で、後半がヴェノム化するという、ある意味通過儀礼みたいなもんです。

 

まずはスパイダーマン2099の方から。90年代からのファンとしては懐かしい感じですね。邦訳版とかは出ませんでしたが、90年代に新しいファンの獲得を目指して、100年後のマーベルユニバースという触れ込みで、いくつかの既存タイトルの「2099」シリーズがスタート。

原作版「スパイダーバース」は当然としてアニメ映画版「スパイダーバース」にもおまけ部分で出てましたが、スパイダーマン2099ことミゲル・オハラはシリーズの中では比較的知名度は高い方です。

でも2099シリーズって5年くらいで終了してたんですね。当時のマーヴルクロス誌とかで紹介されてたのでその存在は知ってたのですが、まあ読みたいかと言えば微妙な所でしたし。結局はオリジナルと何かしら関連性のある部分以外はそんなに興味は湧きにくい題材でした。

ただ、設定としてはマーベルの未来世界として、伏線とか関連性とかを持たせて、あれこれが未来に繋がるのかな?みたいに使う分には今となっては面白い題材なのかも?今回も未来に出てきてたアルケマックス社というのがここで設立されたんだよ、的な設定の面白さを使ってるかなという感じ。

 

それ以上に現行作品としては、ついにピーター(オットーだけど)が自分の会社を立ち上げる、というのが変化としては面白い部分。そして新しい恋人としてアナ・マリアと上手く行きつつ(毎回スパイダーマンの任務入っちゃうけど)、今度はオットーの過去の恋人であるスタナーこと、アンジェリーナ・ブランケールが登場。

実体を持つホログラムという何それなヴィランで、筋骨隆々な大女というビジュアルがなかなかにインパクト強し。本体はぽっちゃりオデブさんという、アナ・マリアを含めてルッキズムに色々と突っ込んでくるなぁという感じです。

 

アナ・マリアと言えば、メイおばさんに紹介する流れで、将来子供を授かる時に障害を受け継がないのか?と心配になってついそれが言葉に出てしまい、メイおばさんに対して本気で怒るピーター(オットー)という、これまた色々と突っ込んだ複雑な描写も。こういうのを普通に描けるのがアメコミの先進的な部分だなぁと感じます。メイおばさんもやっぱり高齢ですし、年配の人はそういうのつい口に出してしまうって、上手い描き方だなぁと思います。

 

そこ考えると、後編の「スーペリア・ヴェノム」編もそうで、フラッシュ・トンプソンは戦争で両足無くしてますしね、そう言う所もアメコミならではって気がします。

 

で、ヴェノムですよ。フラッシュに融合していたヴェノムを無理矢理引きはがし、自分の精神の強さならヴェノムをコントロール出来ると、スーペリア・ヴェノム化してしまう。この辺は流石にオットーの傲慢さが出てますよね。

 

結局暴走したスーペリア・ヴェノムに対してアベンジャーズ・アッセンブルです。

さらに、実はまだ残っていた(何で?)あの人の意識も協力し、なんとかアベンジャーズはその場を収める。実はヴェノムに操られてたからここ最近の自分の様子が変だったんだよ、とそれをも利用する流石のオットーです。ただ、前回精密検査をした時には不在だった、アイアンマンのみがその異変に気づいた様子です。流石は天才。

 

そして続くゴブリン軍団の暗躍、という辺りで最終巻の次巻「ゴブリン・ネイション」へ続く。
いや安定して面白いですこのシリーズ。次も楽しみです。

 

関連記事

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com