僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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映画 トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!

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監督:志水淳児
脚本:成田良美
日本映画 2021年
☆☆☆★

 

プリキュア映画30作目。
TVシリーズ18作目「トロピカル~ジュ!プリキュア」の秋映画でありつつ今回はTVシリーズ7作目「ハートキャッチプリキュア」も登場。

 

前年からのコロナ禍で枠が変則的になってきている近年のプリキュア映画。前年の春のクロスオーバー映画が秋に移動。通年で言えば秋の単独映画が今年の春にずれこんだ為、トロプリに関しては前年・前々年とのクロスオーバー春映画無しで、一応は5分くらいのトロプリ映画が短編でついてくる、という形になりました。よって「トロプリ」がメインの長編映画作品は今回が初、という形。

 

次回作については色々と書く事もあるので最後の方に触れます。

 

前作「映画 ヒーリングっど♥プリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!」がシリーズ4&5作目「YES!プリキュア5(GOGO)」のゲスト出演と言う事で話題になりましたが、今回もそういった流れを引き継ぐような形。

 

ただ前回のプリキュア5、あくまでやっぱりゲスト扱いなくらいの出番でしたが、今回のハトプリ、予想以上に出番が多い。流石にクライマックスとかは現行のトロプリに見せ場は譲りますが、「トロプリ」の映画でありつつ、「ハトプリ」の映画と言っても過言では無いくらいにハトプリ成分は強い。

 

現行作品見て無いけど、ハトプリ好きだったから今回足を運んでみたよ!っていう人でも割と満足度は高いのでは?懐かしかったけどちょっとしか出番無かったね、という感じはしないと思われます。

 

ただそれも、良くも悪くもっていう部分は多少なりともあって、ハートキャッチ=キュアマリンだけが目立ちすぎるっていうのは、しょうがない半面、いつきとかゆりさんが好きな人には、う~んもうちょっと出番あげても良いのでは?という感も無きにしも非ず。

 

ただね、NHKのプリキュア大投票でもマリンは2位とか3位とかでしたっけか?春映画「オールスターズ」時代も必ずマリンはコメディリリーフ的に目立つ場面は作られてきたし、やっぱりそこを求められてるっていう部分はあるのかな?しかもただのギャグ要因じゃなく、ちゃんとえりかのキャラを上手く掘り下げてある作りでしたし、そこがダメだったとは私も言わない。

 

でも、私もマリンは好きですが、それ以上につぼみとゆりさんが好きなので、もうちょっと出番とか見せ場が欲しかったかなぁというのも本音です。今回は監督が志水淳児で脚本が成田良美と、過去にプリキュアのTVシリーズと映画にはさんざん関わってきた人なので、ハトプリの使い方生かし方は心得てるよ、っていう感じではあったかな。心の花とその花言葉とかをきちんと作品に組み込んである辺りは素直に称賛したい所です。

 

ハトに関してはそんな感じで、やっぱりあくまでトロプリの映画作品。夏のイメージのトロプリが雪の国にやってくる、というのは特別感があります。


ただどうしても場所がそこのみに限定されちゃうので、スケール感に乏しいのはほとんどのプリキュア映画に共通する部分でもあったりします。尺が短いのとキャラが多いのもあって、プリキュア映画ってどの映画も狭さを感じたり。

 

オープニングでいつものまなつ達を描きつつ、そこから雪の国へっていう移動のシーンをちゃんと入れてる辺りは頑張って工夫してる感じはあるし、いつもと違うファッションとかは凄く良いのですけれど。

 

で、いつものトロプリと今回違うのは、あくまで観終わってからの印象なのですけど、えらくシリアス。え?こんな終わり方なの?ってちょっとビックリしてしまいました。そこはある意味差別化でもあるのかな?

 

映画冒頭でヌメリーさんが出てきてちょっと嬉しかったのですが、TVシリーズのトロプリ、シリアスで重い方向には行かないって作り手もコメントしてるんですよね。敵幹部も消滅退場とかはしない方向で、って言ってます。

 

そこ考えると、今回も良い話で纏めてはあるんですが、シャロンのラストが非常に切ない。ちゃんと受け継がれてるものがあるよ、っていう希望のある終わり方ではあるものの、ん~やっぱりこうなっちゃうのか、という感じはしました。設定上、みんなで末永く暮らしましたとさ、とは行かないよなぁ、っていう。

 

え~っと、TVシリーズの方の話ですが、ローラは当然人魚姫がモチーフになってるわけです。人魚が人間になる代わりに声を失うとかそういう悲劇はやらないよってプロデューサーの村瀬さんが「何かを得るためには何かを失う」とかそういうシリアスで大人な現実もあるかもしれないけど、そこじゃなく何かを得るために猪突猛進するパワフルさの方を描きたい的な事を言ってます。プリキュア的な、子供達に(そして大人にも)向けた、何でも出来る、何でもなれる!みたいな事をストレートに伝えるって事なのでしょう。

 

そういう意味では、ちょっと今回の映画は若干TVシリーズの方向とは違うような気もしますが、そこをあえて差別化ととるかどうかは難しい所。TVシリーズの監督の土田さんがかつて「プリアラ」の映画でやったように、ギャグに全振りするハチャメチャな作品も見てみたかったかな?なんて風にも思いつつ、まあ今回の映画は今回の映画で、決して悪くは無かった。大絶賛まではしないけれど、どちらかと言えば私は肯定したいかな。

 

そして今回、クライマックスが歌なんですけど、そこがとても良かったと思いつつ、スタプリ映画の影響もどうしても考えちゃいますね。

 

今回、まだコロナ禍が開けて居ないというのもあってか、ミラクルライト無し。前作に合ったペンダントみたいなものも無いので、光り物が無いんですよね。(おもちゃ連動のスノーハートクルリングは子供達はもらえたんですけど)


スタプリのあのミラクルライトの使い方は、発想の転換だったわけです。今まで通り、プリキュアに力を!って応援するだけじゃなくて、いわゆるコンサートライト、サイリウムみたいな使い方もあるのでは?っていう新しい使い方をやってみたわけです(監督のタナカリオンも、今回こういう使い方をしてみたいんだけど大丈夫?ってちゃんとプロデュサーに許可とってやった様子)

 

ちゃんとスノーハートクルリングで劇場版限定フォームにパワーアップもしますが、(しかもあの女神様降臨という凄い使い方でした)バトルでは無い方向に本当のクライマックスを持ってくるというのも、18年続いてるプリキュアの変化の一つの方向だなぁと感じました。(この辺はまほプリ、プリアラからの文脈もある)

 

その辺関連でもう一つ、今回、変身シーンがフルバンクなんですね。集合バージョンじゃなく、ソロの変身バンクを全員分(ハトも含めて9人分です!)繋げるという、結構ビックリな部分もありました。

 

ただの尺稼ぎでは?と一蹴してしまうとそこに何も生まれませんが、フルの変身バンクを劇場のスクリーンで全員分見られるっていうある意味の嬉しさもあるし、正直見ている子供達は話をきちんと理解して見てるわけでも無いので、逆にそういう所こそが見所とも言えるわけで、ぶっちゃけなげーよ!嬉しいけどやっぱり映画としてのテンポは悪いよなぁ、なんて事は思いつつ、そう言う所がまたプリキュアだよな、とかも思ったりはする。

そんな感じの感想でした。

 

で、ここから次の映画の話をします。

 

プリキュア映画は毎回、次の映画の特報が入る。秋映画なら春映画のタイトルくらい。春映画なら、はやくも現行シリーズがこの秋映画化決定!みたいな感じ。


今回、上映後の特報は来年の秋映画でした。(次のシリーズなので勿論タイトルは無し)

はい。次の春映画はありません。トロプリは前後の引き継ぎクロスオーバー作品がどっちも無いという状況っぽいです。これはちょっと悲しい。

 

プリキュアの春映画ってね、単純に映画としてはちょっとイマイチなものになりやすいんだけど、シリーズの引き継ぎ、前作の最終回からのロスを軽減するのと、次の新しいシリーズもよろしくね!っていう、そこにちゃんとした作品としての価値があるからずっと続いてきたものです。

 

新シリーズが2月開始、春映画が3月公開ですから、作る方は相当にしんどいのは想像出来ますよね。TVシリーズの1話とかと並行してまた違うスタッフで作ってるので、新シリーズのキャラもまだよく掴めていない状態だったりして、そういうとこが単純に1本の映画としては微妙なものになりがちな原因。

 

でも同時にシリーズの引き継ぎが行われるので、それはそれでとても価値がある。話題性という点でも単独よりは2作品3作品が重なる分、興行成績も作品の出来はさておき春映画の方が多少数字的には上になったりします。

 

今回、同じ東映でスタッフも結構かぶってたりする「おしり探偵」が春に長編映画化するという事で、単純に興行面ではそこがプリキュアの穴埋めという感じではあるのでしょう。プリキュア映画は10億行くかどうかぐらいが基本なので、大ヒットとまでは行かないまでも、毎回手堅くそれなりの成績を残してはいますし、そこを東映だって、安易に切るつもりは無いと思われます。

 

こっからは私の想像です。インタビューとかでスタッフが言ってたとかの話じゃあありませんのでご注意を。

 

多分、とある仕掛けの為に次の春映画は断腸の思いで飛ばす事に決めたんだと思います。コロナ禍のおかげで色々とずれこんでしまったっていう面も勿論あるでしょうが。

 

プリキュアは今回のトロプリで18作目。予告されたのは来年の新シリーズの19作目の秋映画です。少なくとも来年もプリキュアはあるよって事はこれで保障されたわけですよね。

 

で、その次の20作目も確実にあります。これは東映アニメーションの統括プロデュサーである鷲尾さんが1~2年前から言ってますが、プリキュアは20周年を目指して、そこからはスーパー戦隊仮面ライダーみたいな親子コンテンツにしていきたい、って事を言ってるんですね。その為の仕掛けは今から考えているって。

 

今もプリキュアでも少しは大人向けの商品もちょこちょことは出てますけど、「セーラームーン」みたいに大人向けの展開とかは露骨にはやってませんよね。そういうのが20周年からは出来るようになるし、子供達には現行のプリキュアを楽しんでもらって、親の世代には自分が子供の頃に見てたプリキュアのグッズとかを楽しんでもらおうっていう形で幅を出して行くんだろうなというのは予想がつきます。

 

で、話は戻りますが、次の春映画をすっとばしたのは、おそらくそこが理由。


次の春映画は1回お休みして、翌々年度の20周年で、多分大きな記念作品映画を作ってるんじゃないかと。

 

あのね、年に2回もプリキュア映画を見れるって実はちょっと異常なのです。そこが東映らしいっちゃあらしいけど、理屈的には半年で映画1本作ってる形ですが、実質の準備も含めれば半年以上はかかってるのが普通。そして、プリキュア関係無しで考えてまともなアニメ映画を作ろうと思ったら、いくら頑張っても2年くらいかかるものかと思います。

 

何度も言うけど、これはあくまで私の勝手な想像ですよ。


次の春映画が無いのは、プリキュアのまともな映画を20周年記念で作ろうとしてるから、だと思います。

いつも通りの70分尺とかでなく、90分かあるいは2時間作品か。


おそらくは15周年記念作品の「オールスターズメモリーズ」の20周年版みたいなものだと思います(確かオールスターズメモリーズも作るのに1年近くかかったんじゃなかったっけ?)

 

プリキュアで難しいのは1年でシリーズ入れ替わりなので、新シリーズ2年分のキャラを熟知してないままの状態で作り始めなければならないと。キャラの特徴的なアクションとかは後から付け加えるとして、あんまりキャラに依存しない形のストーリーを組み上げて、ある程度の形にまで持って行き作り始めるという、なかなか難度の高い仕事かと思います。でも実際それに近い形で「オールスターズメモリーズ」はメチャメチャ出来が良かったですしね。

 

そんなメモリアル作品がこの先にあるんだと信じて、次の春映画ロスをしのぐしかない。


いや~あと2年は何としても生き延びないと。どんなにつらくても死ぬのは避けたい。まるで「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」から「エンドゲーム」を待ってるみたいなものですよ。

 

来年じゃなく再来年の春映画(再来年の秋の可能性もあるけど)、楽しみに待とうではありませんか。

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