僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

テン・ゴーカイジャー

www.youtube.comKAIZOKU SENTAI テン・ゴーカイジャー
監督:中澤祥次郎
脚本:荒川稔久
日本映画(Vシネマ) 2021年
☆☆☆☆

今もまだ、この星に守るべき価値はあるのか――

 

発表から心待ちしておりましたので、早速初日に観て来ました。
スーパー戦隊35作品目記念「海賊戦隊ゴーカイジャー」から10年、再びゴーカイジャーが再集結という特別作品。Vシネとして制作した奴の特別上映という形なので、時間は60分尺です。

 

2時間とまでは言いませんが、90分尺ぐらいの普通の映画として見たかったな、というのが正直な所。「199ヒーロー」とか尺もあって面白かったですし、ああいうのがまた見たい。まあそういうのは現行作品に期待すべきか。

 

庵野秀明風の「シン」シリーズに見せかけて、シンじゃなく「テン」という、あからさまに狙った感じのタイトルですが、まあ流れとしては、戦隊シリーズの10年後のメモリアル再集結物の「10イヤーズアフター」です。

 

これまで「ハリケンジャー」「デカレンジャー」「ゴーオンジャー」と作られてきた10イヤーズ作品。どのシリーズにも必ずあるわけではなく、東映側からの企画というより、役者側からのアプローチが無ければ作られる事は無いと言われている企画。
10年も経てば、引退してる人も居れば、スケジュールの都合もある。戦隊ですから、やっぱりメンバー全員が揃わなければ、らしさというものがどうしても失われてしまうわけで、そうそう簡単には実現しないというのが実情。好きなシリーズだったんだけど、実現しなかったって悔しい思いをしている人は多いのでは。

 

逆に「ゴーカイジャー」TV本編では、その前までの34作品から、誰かしら一人くらいは全員ゲスト出演したという奇跡の作品でした。メンバー全員は難しくとも、一人か二人くらいなら、という所で可能だったのと、ゴーカイジャーが奇跡だったのは、本来の予定では近い作品から数人程度のレジェンド出演の予定でいたものが、東日本大震災の年だったというのもあり、苦しんでいる人達に少しでも勇気や活力を与える事が出来たなら、という事で古い作品の場合でもレジェンドが力を貸してくれたという現実の背景があったからこそでした。

 

そこ考えるとね、震災から10年経ったのか、という気持ちと、今度は今までまた経験したことのなかったコロナ禍という災厄が今の時代にはあると。そんな中での復活というのも、なんだか色々と考えてしまいますね。

 

ゴーカイジャー」私も超超超大好きな作品です。つーかリアルタイムでは無いけど、ゴーカイから私は戦隊にハマった口です。

それが復活というんだから、嬉しく無いわけがない。そして何より、当時と全く変わらない彼ら彼女らと再会出来たというだけでもこの上ない嬉しさでいっぱいになりました。

10年も経ちましたが、見た目もあんまり変わって無いです。勿論、いくらかは歳をとった感じはありますし、全く同じかと言えば流石にそうではないですが、ゴーカイジャーって別に若さとかのフレッシュさが売りになってる作品でも無かったので、逆に貫禄がついて、より海賊らしい荒波に揉まれた猛者どもっていう感じで、こっからまた1年シリーズをやってほしいと思えたくらいでした。

 

本編の感想の時にも書いてると思うけど、特にマーベラスなんて、どっしり構えた頼りがいのあるボスだったわけで(若さも勿論あったけれど)、20そこそこの若者が役としてやるより、30とか超えてた方がそれはそれでハマる役柄かなとは思いますし。

 

逆に言えばゴーカイシルバーの凱君、当時は一番下の若さ爆発って感じのキャラでしたけど、今もそんなキャラなんかい!と突っ込んでも良いくらいでした。まあそこは学生時代の旧友とかに会うと、一気に気持ちが当時の感覚になるって感じと好意的に解釈しても良いかもしれませんが。

 

その変わらなさが嬉しい半面、同じである事こそが逆に私は不満点でもありました。戦隊の10イヤーズアフターってね、10年前とはちょっと違うわな、っていう違和感も多少あった方が作品としては面白い部分だったりもします。

 

ジャスミンが所帯持ちだったり、早輝が他の皆とは違う道を歩いてたりとか。そこって現実の役者さんも同じで、そういうメタな所が見え隠れする辺りもまた面白味だったりするんですよ。そこが今回のゴーカイジャーはほとんど変わってなかった、そのままの延長っていう感じが、嬉しい半面、逆にちょっと不満点にも感じるというか。

 

ゴーカイの役者の中ではブルー/ジョー役の山田裕貴君が一番の売れっ子で、今も映画やドラマで凄く出てたりしますし、そういう所もちゃんと作品に反映してた方が絶対に面白くなったと思います。
かつてはマーベラスの右腕、或いは背中を任せられる相棒的な立場だったのが、今やマーベラスよりも賞金が高くなってるとかでも良かったと思うんですよね。マーベラスが面倒くさがる事でも、お人よしのジョーはついつい首を突っ込んじゃって、余計なトラブルを抱えて賞金が高くなっちゃってるとか、上手く元の世界観を壊さない中で工夫とかあっても良かったと思う。


ルカが美人海賊として何故か宇宙中のオタクからアイドル視されてたりとか、そんなんを私は観たかったです。私の中ではそういうのも含めての10イヤーズ物の面白さだったりするので。

 

ただね、役者さんもインタビューとかで結構コメントしてるけど、ゴーカイジャーは人気なのと、設定的に使いやすいのもあってか、まるっきり10年後の再会とかじゃないんですよね。

 

本編後も「スーパーヒーロー大戦」があって、鎧君だけでしたけど、その次の「スーパーヒーロー大戦Z」でもメインキャラでしたし、定番のVS物で「ゴーバスターズVS」があって、「ジュウオウジャー」にも帰ってきた海賊戦隊の話があって、更にその後に「スーパー戦隊最強バトル」もありました。ちょこっとだけですが「キュウレンジャーVS」にもルカがカメオ出演したりもあったししますしね。バスコとか含めればもっとある。

 

なんかそういうのでちょこちょこ続いていた印象もあるので、10年後の同窓会的な感じがあんまりしない。だからこそ、今回もゴーカイジャーの普通に続きっぽさが良い部分でもあり悪い部分でもあり、という感じになっちゃってたのは否めず。

 

いや嬉しいんですよ。最高なんですよ。でも、ちょっとだけ違和感のある、時代の変化と共に変わった10イヤーズなりのゴーカイジャーも見てみたかったかな、という気持ちもやっぱり正直な所です。

 

そういう部分では、あのTV2話でのマーベラスからモバイレーツを奪った少年なのは凄く良かった。最初の時点で、あれ?もしかしてって気付きましたけど、やっぱり「この星に守る価値はあるのか?」「海賊なんだからそんなの自分でみつけろ」のやり取りはTV本編でも、今回でも物凄く良かった部分です。

 

あとは小ネタの部分も良かったし、アナウンサーの益子さんがサルのぬいぐるみを抱えてるとか、ジュウオウ・キュウレン・ルパパト・リュウソウ・キラメイへのゴーカイチェンジとそれっぽいセリフとかは凄く楽しかったし、関智一とかワンダー人とか、敵側も仮面ライダーブラーボだったりアギトの北条さんだったり、仮面ライダー部のクイーンだったりと、色々な所でワクワクさせてくれました。

 

ロボ戦はどうするのかな?と思ってたら、ガレオンキーという形で、直接のロボ戦では無いけど、その魂はちゃんと生きてますよ、というのも悪くは無かった。(カッコいいかと言われるとちょっと微妙ですが)つーかガレオンって一度壊れた後に修理したんでしたっけか?

 

あ!あと残念なのはジェラシットの出番が無かった。今回の作風とはちょっと合わなかったかな?ギャグオチ的なラストでしたし、出せなくも無かった気が。

 

変わらないみんなと再会出来たという点では100点。でも10イヤーズのちょっと捻った展開ではなかった事に80点という所でしょうか。スーパー戦隊ギャンブルとか捻った部分はあるけど、いや違う、そうじゃない。そういう事じゃあ無いんだ、という感じ。

 

某ディケイドさんと同じで、なんかまた今後もちょこっとくらいは出番ありそうな気がするのがゴーカイジャーです。また会えると嬉しい。


そして次は「ゴーバスターズ」あるといいなぁ。トークイベントとかではやりたいねっていう話はしてるとの事でしたので、期待して待ちます。ニック役の藤原さんにもちょっとだけでも捧げる部分があればなお良し。ヨーコちゃんはアイドルやってるぞきっと。(ウサダは・・・まあ代役しかないか)

f:id:curez:20211113010708j:plain

 

関連記事

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com