僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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岸辺露伴は動かない

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監督・脚本:加藤敏幸
原作:荒木飛呂彦
OVA 全4話 2017-20
☆☆☆★

 

昨年末に放送された全3話の実写ドラマから、今年は続きで4~6話が年末に放送予定。それだけでも楽しみなのですが、なんとOVAとして制作されたアニメ4話分もNHKで放送という、非常にありがたい感じになってます。

 

いやNHK良いですね。最近はやたらとアニメに力を入れてる印象もありますし、他にも「トクサツガガガ」とか「ガンディーン」とか、あったので、ホントにありがたい。

 

ジョジョのアニメシリーズは5部までは全部見てますが、ネトフリは入って無いので岸辺露伴の方はまだ見て無かった。
「懺悔室」「六壁坂」「富豪村」「ザ・ラン」の4エピソードをアニメ化。

 

原作漫画は2巻とも読んでたはずですが、結構前なので記憶が曖昧。むしろ「富豪村」とかは1年前の実写ドラマがまだ記憶に残ってるので、そことの比較みたいな感じで見れたかな?

 

アニメの方はおそらくなるべく原作に忠実にっていう感じで、アレンジ要素は少ないと思われますが、個人的にはアレンジとか改変とかは大いにしてほしい派。媒体が違うんだから、同じで良いはずないじゃん!って思う方ですけど、世間的には多分少数派なんですよね。漫画と映像では見せ方が違うんだから、その媒体に合った物にアレンジするの当たり前だと思うんだけど、なんでそれがわからない人が多いんだろう?不思議です。

 

今回のエピソードの中では「懺悔室」と「六壁坂」が面白かったかな。アニメとしてではなく、元々の話からなんですけど、ストーリーの中でヘブンズドアーでその人の中身を読むくらいならいいんですけど、書き込みして行動を制限するって実はそんなに好きじゃないんですよね。

 

ジョジョ本編の中なら良かったんだけど、オムニバス短編の中だと、敵がスタンド使いとかじゃないので、え~それちょっとずるくない?って思えてしまうのが要因。

 

「懺悔室」って原作でも一番最初に描かれたエピソードですけど、露伴はホントに聴き役なだけで何もしないんですよね。だから「岸辺露伴は『動かない』」っていうタイトルなんだっていう事を荒木は言ってたような気がします。

 

それでも、働かざる者食うべからず、みたいな哲学とかそれが結果的に恨みに繋がっちゃうとか、ポップコーンに火をつけるとかの荒木らしい意外な展開もあれば、オチもちゃんと用意されてるという、凄く考えられている一本でした。


とまあ最初は読み切り短編だったものが、シリーズ化するにあたって、逆にもっと自由な発想で良いんじゃないの?その方が岸辺露伴っぽいし、みたいになっていったのかなぁと。

 

「ザ・ラン」とか結構酷い終わり方な気もするんですけど、そこはね、荒木先生ですから、キングを始めとしたミステリーホラー小説とかも沢山読んでるし、ホラー映画の愛好者でB級物まで含めて大好きな人ですので、え?こんな終わり方でいいの?みたいなものも多分沢山知ってます。

丁寧なオチとか伏線回収とかにあんまりこだわらないのは、どう考えてもそういうのの影響ですよね。

 

多分、荒木先生もそういうの見て、「え?こんなんでいいの?」とは思うはずなんです。でも奇妙で惹きつけられるものはあったし、面白かったからこれでいいのだ!っていう考え方をしてるはず。だからそれが自分の作品にも出ちゃってる、っていう事だと思います。

 

漫画の本質はサスペンスだって言う人ですので、そこが面白ければOK。全部の要素を上手く纏めるみたいな、綺麗にカチっとパズルのピースが上手く収まるみたいなのにはあんまり興味が無いはず。逆に言えばこのシリーズにもそこを求めてもあんまり意味が無くて、むしろそこが魅力とも言える、って感じでしょうか。

 

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