僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アメイジング・スパイダーマン2

アメイジング・スパイダーマン2

原題:THE AMAZING SPIDER-MAN 2
監督:マーク・ウェブ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2014年
☆☆☆☆

 

というわけでスパイダーマンラソンのラスト、マーク・ウェブ版「アメイジングスパイダーマン」の2です。
あ、今回は「ノー・ウェイ・ホーム」の為の復習なので、「スパイダーバース」はパス。そっちはそっちで今年に「スパイダーバース2」があるのでその時に。なんでも前後編になるとか?

 

なんか久し振りに見たのもあってか、ラスト以外はあんまり覚えて無かった。劇場で見て以来の2回目っぽい。他のは劇場で見た後にソフト買って最低2度以上は見てるはずだけど、こっちもソフトは買ったものの多分家で2回目は見て無かった。

 

エレクトロがヴィランなのは憶えてましたけど、え?今回ハリー出るんだっけ?次回への布石のまま終わっちゃったんだっけかな?これ?と思ったら、いやいやちゃんと今回でゴブリン化してるし、なんならグウェンの顛末も、ぇぇぇぇええ~っ!でした。

 

一応ネタバレですって言っておきますが、リアルタイムで続いてる作品じゃないし、そもそも原作的にはスパイダーマンというか、マーベルユニバースの歴史を代表するようなエピソードですので、今更な話ではある。

 

そうか、サム・ライミ版の1とごっちゃになってたな、私。グウェン・ステーシーの死って、クラシックスパイダーマン史における最重要エピソードなんですよね。マーベルユニバースの歴史を一人の写真家の視点で俯瞰する名著「マーベルズ(旧版は「マーヴルズ」)」でも取り上げられてたエピソードですし、オリジナルも「ステイシーの悲劇」という邦訳本で読む事が出来ます。(更に言えば大昔の光文社版もそこのエピソードが邦訳されてました)

 

ゴブリンにマンハッタンの橋の上から突き落とされて、スパイダーマンのウェブはかろうじて間に合うんですけど、それでもグウェンは絶命してしまった、っていう今回の映画の元ネタです。ライミ版の1もそのビジュアルを再現してたんですけど、そっちはMJで、命は救えたんですよね。だからあれは、原作でのグウェンは救えなかったけど、映画と言う形で、今度は救われるエピソードにアレンジしたっていう作りになってたわけです。原作ファンは、今度は救えたんだって涙するっていうシーンでした。

 

それが頭にあったから、私は今回のグウェンも間に合うとばかり。原作では救えなかったけど、映画では救ってくれるんだ!っていう感覚だったので、え?嘘だろ?マジか!?ってなっちゃった。2回目のくせに。

 

いやオタクってMJみたいなタイプより、絶対グウェンの方が好きじゃないですか。原作刊行されてた時もそうだったらしくて、みんなそこで衝撃を受けたっていう。スタン・リー本人も話を盛る人なので、信憑性は疑問視されたりもしてますけど、スタンが出張だか何かで当時のスパイダーマン誌のストーリーを一時他の人にまかせてた時期で、あれは自分の指示で描かせた話じゃなくて、離れてる時期に勝手に話を書かれたみたいな事を言って、それはそれで賛否があったとか。

 

ベンおじさんの死、ステイシー警部の死、そしてグウェンの死と、陽のヒーローでありながら、常にそういう悲劇をスパイダーマンは背負ってるわけです。そういう所もスパイダーマンが頭一つ抜けた人気を背負ってる部分でもあったりするので、そこをあえて描いたのでしょう。

 

マーク・ウェブ版も当時はもう次の作品も制作は予定されてたはずで、そこからグウェンとの出会いを描く予定だったんでしょうか。(原作では学生時代にどちらも出てるので、普通にMJとグウェンは互いに顔合わせたりしてるんですけど)


ウェブ版もヒットはしたものの、ソニーが期待する程の成功はおさめられなかった、という事で次がキャンセルされてしまい、そこからケヴィン・ファイギに相談した所、権利はそっち持ちでいいから制作はウチにまかせてくれって事でMCUに合流する形になったわけですけども、これはこれで面白かったし、それでいて2部作として意外と完結してるなという印象も、今見返すとありました。

 

って、グウェンの話ばっかしちゃったけど、今回のメインヴィランはあくまでエレクトロ。アース616のちょっと恥ずかしいコスチュームの方じゃ無く、アルティメット版がベースに描かれてるので、私は当時あんまり「アルティメット・スパイダーマン」が好きでは無かったので、そこで不満持っちゃったかな?という気もしますが、単純に映画単体で見ると、なかなかインパクトもあって今思えば良かったんじゃないかと。

 

なんかこれ強すぎなんじゃ?っていうのと、電気の精みたいになったエレクトロにスパイダーマンが対等に戦えてるのはちょっとご都合主義っぽいかも?という感は今回もちょっとありました。ただ、アクションシーンは抜群にカッコ良くなってて、おしゃべり具合が更に磨きがかかったし、そこは2本目という事で、作る方も手慣れてきた感があって、メチャメチャ面白かった。

 

ラストのみですが、ライノのシーンもあの序盤で助けた眼鏡の子供がね、自分がスパイダーマンの変わりなんだって経ちあがる所は最高にグッと来る場面でした。ライミ版3みたいに「3人のヴィラン」っていうより、ライノはあくまでおまけですしね。

 

シニスターシックスとか、フェリシア・ハーディとか、次回作以降への布石が今となっては幻になってしまいましたが、2部作として今見ても、思ったほどは悪くないな、という印象。
MCU版も最高に面白いけど、そこでも足りないものはあるし、ライミ版、ウェブ版、どれもそれぞれの作品に魅力はあるなと改めて感じさせてくれました。いやどれも面白かった。

 

と、盛り上がった所で「ノー・ウェイ・ホーム」に挑みます。

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