僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

グウェンプール・ストライクス・バック!

グウェンプール・ストライクス・バック! (MARVEL)

GWENPOOL STRIKES BACK
著:レア・ウィリアムス、クリストファー・ヘイスティング(ライター)
 デビッド・バルデオン(アーティスト)
訳:石川裕人、御代しおり
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2021年
収録:GWENPOOL STRIKES BACK! #1-5(2019)
☆☆☆★

 

生き残りを懸けたグウェンプールの逆襲が始まる!
グウェンプール戦隊誕生!(全員ピンク)
なりふり構わなくなったグウェンプールはコワイ!

 

マーベルユニバースにやってきて、もう6年。自前のシリーズも終了し、ヨソのシリーズへの出演もボチボチなグウェンプールは、このままではイケナイと、大胆な生存戦略打って出る…てなワケで、まずは銀行強盗から!真の“スーパーヒーロー”を目指すグウェンプールが、マーベルユニバースに過去最大級の騒動を引き起こす!

 

という事で、映画じゃ無い久々のアメコミ原作。昨年の末に日本語版が出た新刊です。2019年に刊行されたミニシリーズのようです。

 

作中でもきっちりいじられますが、今回はグリヒルがアート担当じゃ無いのですが(表紙のみ)、他のシリーズに出てグリヒル以外の人が描いてたものと比べたら、今回のはまだ可愛いく見える方です。

 

というか、グウェンプールさん、いわゆる現実世界の出身で、マーベルユニバースがコミックの中の世界だと知っているキャラクターとして、メタネタを駆使してマーベル世界を生き抜いていくというキャラクター。

 

日本語版も全5巻で最初のシリーズ完訳済みですけど、ぶっちゃけ面白いのは最初の方だけで、基本的には出オチ的なキャラクターという印象もなきにしもあらずでした。ただそれでもメタ要素をメチャメチャに生かした他の作品ではまず読めないストーリーラインになっていて、こういうラストに持ってきたか!という感じで何だかんだ最初のシリーズは最後まで楽しめました。

 

個人シリーズが終わったその後、ゲストとして「チャンピオンズ」の方に出たり、「ウェストコーストアベンジャーズ」にチームのレギュラーキャラとして参加。が!まあ特殊な設定のキャラなので、ギャグ的な部分としては使われつつも、描く方も扱いが難しいキャラなんだなぁというのは、読んでるこっちまで伝わるくらいでした。そんなWCアベンジャーズもあまり人気が出ずに終了。

 

扱いにくいキャラのままフェードアウトしちゃったら、この後すぐにもう忘れられたキャラになってしまう!と今回のシリーズに繋がる感じです。

 

日本じゃ人気あるから!映画にもアニメにもゲームにも出てないけど日本ではフィギュアにまでなってるし!というのが可笑しいですよね。それもひとえにグリヒルさんのアートの可愛さだと思うけれど。

 

スパイダーマンにちょっかい出して、マスクをはぎ取っちゃうとか、相棒にデッドプールを雇ってF4の本部に侵入。リード・リチャーズに無理矢理キスを迫るとかやらかしつつ、「アベンジャーズアリーナ」に習ってか、アベンジャーズの主要キャラを集めて、バトルロワイヤルよろしく、皆さんにはこれから殺し合いをしてもらいます!とか始めてしまうという。

 

しかも「スイムスーツスペシャル」仕様ってのが笑えます。今はもう基本は無いのかな?私がアメコミを読み始めた90年代の「マーヴルクロス」でも紹介されてましたが、夏になるとヒーロー達の水着姿(男も女も)のピンナップ形式の特別増刊が出るとか書いてあって、へぇ~こういうのもあるのか、とか思ったものです。

 

何でそんなんをやってるかと言えば、そりゃあ当然売り上げを伸ばす為。コミックだって、結局は売れた奴が勝ちなんだよっていう真理をデッドプールもアドバイスしてくれます。

 

召喚されたチームが面白くって、
「マーベル代表チーム」
アイアンマン、キャプテンアメリカ(+バッキー)キャプテンマーベル、ソー、ブラックパンサー

「目の保養に創造されたけど、後になってもっとマシなキャラにしてもらえたチーム」
シーハルク、タイグラ、スパイダーウーマン、ブラックウィドウジェシカ・ジョーンズ、アトラス、ブラックキャット

「長年の読者には微妙な連中」
Ms.マーベル、ナディア・ピム、マイルス・モラレス、ムーンガール&デビル・ダイナソー、スクイレルガール

 

という面子が面白い。チャンピオンズ系の新世代ヒーローは若い読者には人気だけど、昔から読んでる古参のファンにはやっぱり少し受け入れがたいっていうの、本国のファンでもある感じなんでしょうかね。その辺は今後のMCUとかで上手く人気をこれから築き上げて行くっていうとこでしょうか。

 

いやでもさ、MCUのおかげで、アメコミスーパーヒーロー物に女性層を引き込んだっていうだけでも相当に大きいですよね。今は女性ヒーローが多すぎるくらいになってるのも、そこは大きく影響してるし、次のネクストヒーローは次世代っていうのも、そういう現実の影響を考えながらやっているわけで、伝統のBIG3に引けをとらないくらいの人気キャラに育てていかなきゃならない。そこは上手く行くのかなって古参ファンとしてもちょっとドキドキしながら見てたりします。まあそこにグウェンプールが入るとは思いにくいですが。

 

で、最後に残ったカマラちゃんがとことん優しい。誰からも頭のおかしいヤバい奴以上の扱いは受けないグウェンドリンに対して、カマラちゃんだけ真剣に向き合ってくれるんですよ。彼女もヒーローオタクでファンフィクを書くタイプの子ですから、あなたは実はミュータントなんじゃないの?これこれこういう設定ならつじつまが合うよね、ってグウェンプールの新しい設定を作ってくれる。

メタネタを軸に描かれるグウェンプールの物語に、こういう話を重ねてくるのは凄い考えてあって良かった。

 

そんなこんなでX-MENカテゴリーになったのかな?そこだと一応の恋人のキッドオメガも居ますしね。ここからの新設定で、今後上手く生かされる事があるなら、今後の映画とかに出れるチャンスもあるのかなぁ?サージ(芦田法子)とかアーマー(市来久子)とか、この手のキャラはあんまり生かし切れて無い印象もありますが・・・。

 

とりあえずの居場所を見つけた感じだとは思うので、今後X-MENの邦訳が出れば画面端くらいにちょろっと居たりするんでしょうか。いつかまた再会出来る事を願ってます。

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com