僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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フレンドリー・ネイバーフッド・スパイダーマン:シビル・ウォー

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FRIENDLY NEIGHBORHOOD SPIDER-MAN: CIVIL WAR
著:ピーター・デビッド(ライター)
  トッド・ノック、スコット・イートン(アーティスト)
訳:御代しおり
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2017年
収録:FRIENDLY NEIGHBORHOOD SPIDER-MAN #11-16(2006-7)
☆☆★

 

歩く大量破壊兵器とも言うべきメタヒューマンを規制する
超人登録法を支持するスパイダーマンは、
生放送のカメラの前で自らマスクを脱いだ。

その衝撃は、家族はもちろん、
友人や周囲の人々、さらには宿敵である
スーパービランの生活までを揺り動かす。

あのピーター・パーカーがスパイダーマンだったとは――

その驚きは、彼に関わってきた人々に
思いもよらない反応を引き出して行く。

そして、数々の重圧に晒された
スパイダーマン自身にも……。

衝撃の“マスクオフ”がもたらしたドラマを描く、
スパイダーマン主演の
シビル・ウォー・クロスオーバー第3弾!

君はどちらに付く?


という事でスパイダーマンシビルウォー関連3冊目。
今回はミステリオ編、バルチャー編という趣でありつつ、フラッシュ・トンプソン、ベティ・ブラント、デボラ・ホイットマンと言ったピーター周りの一般人がドラマの軸にもなってる。

 

特にデブ(デボラ)は20年ぶりの登場だとか。かつてのピーターの恋人だった人で、ピーターが正体を明かした事で、今回新たに暴露本を出版。半ばデイリービューグルに唆されて、自分の意図せぬ方向の本になってしまったものの、今は私生活で苦労しているのでどうしてもお金が欲しいとそのまま出版されてしまう。

 

解説書にも突っ込まれてるけど、本編の時間軸でこんな展開入らないだろうとは言われつつも、なんかこういう妙に現実的な部分こそが私にとっては凄くアメコミらしいと感じる部分でもあったりする。

 

私がアメコミ初心者の頃に特に面白いなと思ったのって、スーパーヒーローが裁判に出席したりとか、国会で演説したりとか、そういう日本のヒーローでは描かれない部分だったりして、アメコミって、「もし現実にスーパーヒーローが居たら現実的にこんな問題も発生するはず」みたいな所を曖昧にせずにちゃんと描いてあるのが面白い部分だなと感じたりしましたので、なんか今回みたいな暴露本展開とか、実際こんな展開もありそう、って意味では決して嫌いじゃないです。

決して敵にカッコ良く必殺技を決める!みたいなのが見たくてアメコミ読んでるわけじゃないし。

 

フラッシュとベティは映画でも出てましたけど、そういう脇役の人達にも彼ら彼女らなりの人生がある、っていうのは面白い部分。

 

高校時代はピーターをいじめる側だったフラッシュですが、後に和解。が!事故の影響で、この時点では和解してた時の記憶が無くて、共に母校の教師になったものの、またピーターをいじめる存在になってる、っていう設定遍歴はいかにも悪い部分のアメコミ臭さですが。

 

でも、そんなフラッシュは昔からのスパイダーマンの大ファンというのはずっとキャラ付けとしてあった部分。その憧れのスパイダーマンの正体が、大嫌いなピーターだった、というのはそりゃあ複雑な心情でしょう。

あ、この時点ではまだエージェントヴェノムとかになるずっと前の話。

 

そしてベティ・ブラントはデイリービューグルでJJJの秘書としてピーターには優しく接してくれてたあの人。ピーターの憧れの人、みたいな位置付けながら、そんなベティも人生山あり谷ありという感じで、その辺りはまあ面白い部分です。

 

ヴィラン側としてはミステリオなんですけど、2代目と3代目がいざこざをおこしてる間に、自殺したはずの初代ミステリオのクウェンティン・ベックが復活。ここは者の話の流れを知って無いと、もうわけわかめです。(勿論私もその辺は知りません)でもそんな人をけむに巻く感じもまたミステリオっぽいかも。

 

バルチャーも、これまで語られてこなかった自身の家族の事なんかも新たに描かれたりしてますが、偏屈ジジイなのは相変わらず。一度は投獄されていたものの、反対派に回ったスパイダーマンを捉えようと、シールドがバルチャーを利用する。これまでとはヒーローと犯罪者と言う立場が逆転してしまう、というのが面白味なのですが、スパイダーマンの対応が結構エグイ。

 

え?本当にこれがあのスパイダーマンなの?という結構冷たい行動をとるのですが、陽気で明るいスパイダーマンも、毛嫌いしてるヴェノムとかデッドプールとかに対しては結構な塩対応したりするんですよね。なんかそういうのに近いのかも。

 

反対派陣営として仲間でもあるピーターの高校に密かに護衛に付くウルヴァリンパニッシャー、立場的にX-MENとしては中立を貫かなければならないとは言いつつ、それでも力を貸すビーストとか、シビル・ウォーという舞台背景ありきの描写もありつつ、ストーリー全体としてはそんなにイベント感は強くない1冊でした。

 

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