僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

エイリアン

エイリアン (吹替版)

原題:ALIEN
監督:リドリー・スコット
アメリカ映画 1979
☆☆☆☆★

 

プレデター」のついでというわけではないけれど、「エイリアン」を見返す。
初見じゃないです。映画を沢山見るようになった時に一度見たのと、何年か前にDVDを確保した時にも見てるので、今回で多分3回目。ディズニープラスで何の映画あるかな?って探してたら、流れでつい見てしまった。配信されてるのは完全版じゃなく劇場公開版っぽかったかな?

 

シリーズとしては「コベナント」まで全部見てますが、シリーズで人気ある奴はやっぱり多分「2」ですよね。数年前に見返した時も1と2はセットで見たので、やっぱ2は物凄く面白い。

 

・・・が!私はエイリアンは「1」派の人です。いや、2は実際面白いんですよ。単純にどっちが面白いかと言ったら、私もつい2の方が面白いとが言いたくなる。でも、どっちが素晴らしい映画なのか?どっちが価値のある映画なのか?って考えた時に、そこはやっぱり1でしょ?っていうのが私の意見。映画は「面白さ」だけが価値基準じゃないんだよ、という主張をしたがるめんどくさいタイプのオタクなので、そういった面で私は昔から1押し。

 

私はこの映画、物凄く好きなシーンがあって、フェイスハガーをはがそうとして酸の血が噴き出すシーンがメチャメチャ好きなんですよ。
ブシャーってなって地面を溶かして突きぬけてしまう。おいこれ下手したら宇宙船に穴が開くんじゃないのか?って下の階に行って、更に下の階まで壁(地面)を溶かしてしまっている。(ノストロモ号の人工重力発生装置がどういう仕組みなのかはよくわかりませんが、多分一番外まで重力はあるんでしょう)

 

ここがサスペンスであり、どこまで行くのか?という緊張感と、ああそうかここは宇宙船内だから壁に穴があけばそこは真空という、逃げ場の無い密閉空間なんだよな、何でも溶けるようなものをどうやって止められるのか?(雨漏りみたいに下にバケツ置けば良いってものじゃないですしね。それもきっと溶けちゃうし)という部分もあれば、そんな酸の血を持ってる生物をどうやって倒すのか?安易に切ったり撃ったりできないって事だよな?そもそもこんな生物ってどういうこと?っていう色々な要素を一つのシーンで見せてるわけで、そのアイデアやセンスが非常に面白いなと思う。

 

私は映画に限らず漫画とかアニメとかもそうですが、物語の中だけに入り込むんじゃなく、これは作っている人がどういう感覚や意図で作ってるんだろう?というメタ視点も同時に見てるタイプの人なので、ああこれ作ってる人は頭良いんだな、って感じるシーンとかがとても好き。そういうのを感じる代表的な例ですよね。そういうとこも含めたのが「面白さ」なんだなと。

 

血の一滴でそれを表現してしまう面白さと、何十何百ものエイリアンとドンパチやる2とでは、単純な見た目や興奮度では後者の方が凄いけど、実際に凄いのは前者の方じゃね?っていう考え方ですよね。

 

ちょっと話はずれますが、RPGとかでレベル99まで上げました。もうこれで最強だぜ!っていうよりも、いかに低レベルでボスまで撃破できるかとか、技術や頭を徹底的に駆使して、時にシステムの隙間まで利用してやる方が私はずっと素晴らしいと思うし、やっぱり私は後者の方にこそ価値を感じるタイプ。私は自分が頭悪いからこそのコンプレックスなのか、頭の良い人に物凄く惹かれる。

 

だから映画も単純な感情よりも、センスやアイデアの面白さに惹かれる部分があって、そういう所が「エイリアンは2より1派」たる所以なのです。たった1匹のエイリアンでこれを表現するのすげぇ!っていうね。

 

レンタル店とかに置いてあれば、エイリアンは「SF」の棚にありますよね。でも実質ホラーっていうのも面白い部分。今だとSFホラーみたいなの、他にもいくつかありそうですが、多分これの公開時期はあまり無かったと思うし、そもそもがこの時代、SFがようやく1977年の「スターウォーズ」のヒットで市民権を得たばかりで、それまでマニアしか注目して無かったSFも客が入るらしいぞ、あれに続けって感じで企画が立ちあがった中の一つです。これの一つ後になる「ブレードランナー」もそうですけど、所謂王道的なものじゃない事をあえてやるリドリー・スコットのセンスってちょっと面白いです。

 

リドリー・スコット、今も現役で結構なペースで新作作り続けてますけど、弟のトニー・スコット(「トップガン」監督)と共にCM畑出身なのはよく知られた話。弟はビジュアル重視っぽい作風が多かったですが、リドリーの方はビジュアル重視でありつつ、そこだけに留まらないのがやはり頭一つ抜けた名匠と呼ばれる存在かなと思う。監督としての腕は確かなので、リドスコ作品なら見て損は無いだろうと昔は結構見てましたが、最近は私はあんま見て無い。基本重いのでつい躊躇うっていう。

 

それはともかくエイリアンに話を戻して、宇宙SFなのに実質はホラーっていうのがやっぱり見ていて異質さもあって面白いし、エイリアンの姿も最後まで全身はあまり見せないっていうのが逆に面白味。
最後のシーンの、何かの間に挟まってるエイリアンのあの怖さ。襲ってくる怖さじゃなく、え?何こいつ?何考えてるんだ?っていうのが凄く良い。2のパワーローダーで戦うとことは全く別方向の面白さですよね。

 

今回見返して思ったんですけど、リプリーも意外と2以降のいかにもなタフガール的なイメージともちょっと違ってて、精神的には男勝りでタフなんだけど、結構普通な感じもあってちょっと新鮮でした。

 

リプリー、あるいはそれを演じたシガニー・ウィーバーとかもそうだし、性器をモチーフにしたエイリアンのデザインとかも含めて、フェミニズム的な文脈で語られる事も多いですが、私はそこはあんまり意識せず、やっぱり飛び抜けたアイデアとセンスの面白さの部分を評価したいかな。

 

モニターの表示とか古いので、これが未来の話ってなると、今の感覚だとちょっと変に見えるかも?というのも奇妙な感覚でしたし(しかもプロメテウスとか続編も今やあるわけで、そこの整合性とかも色々気になる)この時点ではただの「ロボット」なのかな?アンドロイドのアッシュの内部構造とかもそれはどうなの?マザーとかもあれ必要だった?とか、気になる点はいくつかあるのですが、そんなのは些細な問題と思える斬新なアイデア溢れる名作映画として楽しんだというのが正直な所。

 

いやぁ、「プレデター」もそうだけど、この辺の慣れ親しんだ一昔前の映画もやっぱり楽しいんだよなぁ、と改めて。あれも見返したい、これも見返したいとキリが無いですわ。新作映画を見ずにこうやってノスタルジーに浸りまくってるのも、それはそれで良くないなと思いつつ、この気持ちよさもまた心地良くて抜け出せなくなる。旧作ばっか見てると前に進めなくなる感じがして怖くなるけど、自分はこの映画についてこう思ってるぜ、っていうのを改めて書くのも楽しいんですよね。


今後も新旧織り交ぜてバランス良く色々見てブログ書いていければと思います。

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