僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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X-MEN:フューチャー&パスト

X-MEN:フューチャー&パスト [Blu-ray]

原題:X-MEN:DAYS OF FUTURE PAST
監督:ブライアン・シンガー
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2014年
☆☆☆★

 

X-MENシリーズ7作目。
シリーズ1~3作目の旧シリーズのキャストと、5作目リブート作「ファーストジェネレーション」のキャストが共演するという一風変わったタイムトラベル物。勿論、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンも健在なので、一つ前の「SAMURAI」の続きとも言えなくもない。

 

まずは個人的な感情としては、「ファーストジェネレーション」が私にとっては好みのド直球な作風でしたので、当初はそこからの続きと言う企画でしたし、この路線でまた3部作とか見れると思ってたので、まさかのブライアン・シンガーが復帰というのは正直がっかりでした。

 

なんだよ、3作目蹴ってDCでスーパーマン作った癖に、あっちが上手く行かなかったからってほいほい戻ってきやがって。いや、コミックの方でも作家がマーベルとDCと行き帰したりするのはよくある話ですよ。ブライアン・シンガーも1・2作目の立役者だし、そこは大変に評価はしてます。でも、抜けた穴を必死になって埋めて、ようやく良い雰囲気になってきたのに、それをまた壊す?自分が抜けた3作目をメチャメチャ似されたからってさぁ、それはあなたが抜けなければ良かったって話じゃん?

 

とまあ私が関わってるわけでもない、ただの一介のファンでありながら、ものすごく複雑な感情で当時は劇場に足を運びました。

 

でもそういうメタな部分があるからこそ、特異な面白さのある作品であるのもまた事実。過去を無くして新しい未来を作りたいというテーマを作品そのもので表現してるんだから、これをメタ構造と言わずして何をメタというのか、って感じですね。

 

勿論、決して突飛なアイデアというわけでもなく、原題タイトル
「デイス・オブ・フューチャーパスト」編というのが元の原作でも人気の1編としてある(日本語版も映画に合わせてちゃんと出してくれました)ので、そこを使ったというわけです。
センチネルに支配された未来を変えるタイムトラベル物というだけで、細部は全然違うものの、そのシリーズの人気があったおかげで、X-MENはその後ビショップ(今回の映画の未来編にも登場)やら、ケーブルやらタイムトラベラーが日常茶飯事に居るという独特の世界観になっていたりもする。

 

一応原作とかマーベルコミックス自体は、「エンドゲーム」とかと同じで、基本的には過去を改変しても、その時間軸が新たに生まれるだけで、未来は変わらない、という設定にはなっているものの、いわゆる「バックトゥザフューチャー」的に過去を変えれば現在や未来も変わってしまう的な描写をしてる作品も普通にあるし、そこら辺の考え方や描き方は作家次第、というのが実情。映画の描写的には後者の方ですよね。

 

そういう意味では「エンドゲーム」との比較、或いはエンドゲームが作られる前の前哨戦やプロトタイプ的なものと考えても面白いかもしれません。スタッフが同じとかでは無いけれども。過去の自分に合うとかも共通する部分ありますし。

 

精神を過去に飛ばす、というタイムトラベルのロジックはさっぱりわかりません。何故かプロフェッサーじゃなく、キティがそれやってます。映画ではそういう能力って事らしいですが、これがモイラだったら後々面白い事になったりしたかもしれません。

 

いやエンドゲームだって量子世界うんぬんはあったけど、トニーが一晩で「出来た!」ってそれはそれでギャグですし、エンドゲームでもタイトルが挙げられてた私の好きなタイムトラベル物「ある日どこかで」もクリストファーリーブが気合だけでタイムトラベルしてたので、そもそも不可能なタイムトラベルを理論的かどうかなんて考えるのも無粋あのかもしれません。

 

アベンジャーズ繋がりで言えば、あっちではニダベリアのドワーフのエイトリを演じていた、ピーター・ディンクレイジさんがこちらではセンチネル開発者のボリバー・トラスクを演じてます。原作シリーズでもセンチネルは作品の大きなウェイトを占める部分の一つ。ただ原作だと、ボリバーは普通の人間なんですけど、ピーター・ディンクレイジさんは見ての通り小人症の俳優です。彼をミュータントだとか言ってしまうと、もしかしたら差別ととられる可能性もありますが、彼を人間を守る側に置くというのが絶妙に面白いキャスティングです。

 

博士としての能力が高いからこそ、あの地位に居られるんでしょうけど、彼だって容姿に関しては絶対に差別されて生きて来たはずですよね。それなのに、自分もミュータントと同類だって理解を示すのではなく、逆に恨みをぶつける方に立つ。
そこは自分は頭脳で成りあがるという意地なのか、自分はあくまで人間だと言う意思表紙なのか、はたまたミュータントに対する優越感的なものを感じたいのか、そこははっきりとは描かれて無い。が!そこが良い。

 

私がこの作品で一番評価する所はそこです。JFK暗殺とか、ファースト世代の演技やキャラ造形が相変わらず良いなとか、色々と良い所はあるんですけど、敵ながらボリバーのしたたかさみたいな所が一番好きでした。

 

ああ、あとはやっぱりクイックシルバーの描き方というかスピード能力のあの演出はやっぱり面白いですよね。ぶっちゃけ私、昔からあんまり好きなキャラじゃないんですけど、MCU版とかDCのフラッシュと比べてもこの映画の描き方はインパクトありましたし、(映画版の「ソニック」は明らかにこれの影響もありました)この後のシリーズでも、やっぱり見せ場として楽しみな場面の一つになってるのは確かです。

 

そんなくらいかなぁ?やっぱり感情的には、う~んマシュー・ボーンの2部が見たかったのになぁというのが本音ですが、旧キャスト新キャストを並べるとか、作品内で歴史にリブートをかけるとか、とんでもない力技を見せつけられるという部分では、ちょっと他の映画ではそうそうありえない変な一本という印象なのは今も昔も変わらないですかね。

 

ただ、歴史っていう意味ではここ1カ月くらいでMCU作品また見返してたりしたのですが(感想書かずにただ見るだけって楽で良い)あっちもよくこれは映画じゃないとか批判も受けるわけじゃないですか。ただそこって作ってる方も批判を覚悟の上で今までにやっていない事をやってるわけで、既存の枠にとらわれない新しいコンテンツを生みだしてる。「X-MEN」もスタジオやシリーズこそ違えど、そこに並走してる感じもあるわけじゃないですか、同じマーベル映画、或いはアメコミヒーロー映画として。

 

MCUも決して順風満帆ではないんだけど、なんかそれ以上に右往左往しながらこっちはこっちで何とかフランチャイズ化、シリーズの継続とか苦労してやってんな~っていうのも、ある意味の面白さだなと思ったり。

 

次はようやく「デッドプール」1作目です。

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