RISE OF THE BLACK PANTHER
著:エヴァン・ナーシス(作)
タナハシ・コーツ(ストーリー監修)
ポール・ルノー、ハビエル・ピナ(画)
訳:秋友克也
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録:RISE OF THE BLACK PANTHER #1-6(2018)
☆☆★
これはブラックパンサーの
「継承」の物語――
アズーリ、ティチャカ、スヤン……ワカンダの王は、何世代にもわたりブラックパンサーとして、この神秘の国を守護してきた。アズーリ王とキャプテン・アメリカの出会いと友情、ティチャカ王の波乱に満ちた治世、そして世界に衝撃を与えたワカンダの先進科学技術……。王位を継承した若きティチャラは、王国の未来と自身の宿命にいかにして向き合うのか?あなたの知らないブラックパンサーの物語が今明かされる!
2018年に発表された全6号のリミテッドシリーズ。これまでのコミックで語られてきた物語を改めて捉え直し、一つの歴史、ブラックパンサー史としてまとめあげた形。ライターのエヴァン・ナーシスさん、コミック脚本家ではなくサブカル系&黒人史のジャーナリスト兼評論家。こういう、違う分野から人材をひっぱってきたりするのもまたある意味アメコミらしい気もします。
まあ、評論家が作った映画だのゲームだの、大概はあまり良い結果には繋がらなかったりした印象も強いですが、通好みの独特の視点とかはあったりもするわけで、一概に非難すれば良いものでもない気はします。どんなものでも視点や角度を変えれば、何かしらあるものですし。
で、今回の話はどうだったかと言えば、正直私はブラックパンサーよく知らないので、(邦訳本なんて片手に余るくらいしか無いし)へぇ~こんな歴史か、ぐらいで面白かったかと言えばまあ微妙かもしれない。
これまでのコミックでは、ワカンダという国が何時の間に世界の表舞台に出たのか明確にコミック上では語られたことが無いという事で、その辺も新しい解釈で描いてたりします。
ただこれ、新しい国が突然出て来ましたってリアリティあるのかな?まあ戦争で分裂したりとかすればそんな事もあるんでしょうか?ソ連とか、崩壊後にいきなり色々な国に地図上は別れたみたいな感じだったのかな?その辺りは全然記憶にない。
ここは、先に映画で触れたのもあってか、あくまで昔からワカンダと言う国事態は認知されていたけど、あくまでアフリカの奥地にある農業小国程度で、表向きはそんなだったけど、実は・・・みたいなまさしく映画の最後みたいな形の方がしっくり来た気がしないでも無い。
ネイモア、ドゥーム、ストーム辺りは前回読んだ「黒豹を継ぐ者」にも出てましたが、邦訳では初かな?ようやく映画のヴィランだったキルモンガーとコミックで出会えました。あと映画ではバッキーがホワイトウルフって呼ばれてましたけど、本家のホワイトウルフさんちゃんとコミックにも居たんですね。ウィンターソルジャーも古い時代に暗殺者として出て来ますが、とくにホワイトウルフとの絡みは無し。
そしてワカンダと言えばのビブラニウム。衝撃を吸収してエネルギーに変換出来る金属ですが、いわゆるアーマー的な使い方だけでなく、音も吸収するので、ビブラニウム製のブーツは足音も消せるとかいうのがあって、ああなるほどと今更ながらに思った。ただの強固な金属というだけでなく、ステルス方面とかにも生かせるわけか。なるほどこれは各国各勢力が狙うわなと確かに思えました。
初登場号が収録されていた「暁の黒豹」なんかと共に、歴史を知るには良い1冊。
さて後は「ワカンダフォーエバー」見て来ます。
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