僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 特別編

MOBILE SUIT GUNDAM IRON-BLOODED ORPHANS
監督:長井龍雪
TVアニメ総集編 全9回 2022年
☆☆☆

 

アプリゲームのプロモーションとして、TVシリーズを全9話に再編集した特別編。今年の4月にTV放送したっぽいですが、地元じゃ放送されず見れなかったのですが、youtubeガンダムチャンネルでも配信されたのでようやく見れました。

 

種やOOの時にあったスペシャルエディション的な位置付けかなと思ってたのですが、1期だけで6話まで消費。2期は3話でまとめちゃうの?まあ作品としてのカラーやイメージとしては1期目の方が強いし、仕方ないかと思ってたら・・・ハシュマル撃破で終了。最後までやらんのかーい!っていう感じでした。

 

まあ、ゲームの方でもTVシリーズのストーリーも追体験できるようですので、終盤はそっちで振り返ってね、的な感じでしょうか。あくまでプロモーションとしての作りで、スペシャルエディションでもなければ、UCやオリジンのTV版的なものでもない、別バージョンの作品と呼ぶにはちょっと厳しい感じかも。

 

ただ、短く凝縮するんだから、何を切って何を残すのかな?みたいな所では注目してましたし、TV放送以降はコミカライズ版を読んだりドラマCDを聴いたりしたくらいで特にアニメを見返したりはしてなかったので、久々に見てると、ダイジェスト版なりに楽しかったりはしたかな。元々、アナザーガンダム系では割と好きな方ではあるので。

 

今回、見返してても思いましたが、オリジナルのガンダムを現代的に再構成するとか、ガンダムの持っているテーマ的な物を改めて考えてみるとか、基本的にはそういう形ではオルフェンズは作られて無いので、単純に新鮮に楽しめるというのは大きい。

 

確か企画自体はAGEより先にスタートしてたんでしたっけ?そろそろ「Gガンダム」的なものが欲しい的な所から始まった企画なので(Gガンの続きとかじゃなく、既存の枠組にとらわれない作品て意味です、一応)、割と変なものでも許されたというのは大きいです。

 

で、これは私の考えた話じゃ無くマクガイヤーチャンネルでやってて、なるほど確かにそうだなって思えた部分もあって、富野以降のガンダムは艦に小さい子供を乗せなかったけど、オルフェンズはそこを富野ガンダムから引き継いでるのはセンスがあるって話は、なかなか面白い部分。

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ファーストガンダムで、アムロら少年と同世代の他にも、カツレツキッカの小さい子供もホワイトベースに乗ってて、そこはガンダムの企画の始まりである、宇宙版「十五少年漂流記」というのが影響してるんでしょうけど(後にそれは「バイファム」にも繋がる)アムロやカイが不平不満を言った所で、自分よりももっと小さい子の面倒も見なくちゃならない、そこで子供だけど責任感も生まれるっていう形になってます。


これはZやZZ、Vガンもそうですし、ブレンパワードなんかもそういう形。ここは意図的なものもあれば、そもそもの兄弟も多くベビーブームで大家族が基本だった時代背景なんかもあったりはするんでしょうけど、そこがいない事になると、色々と印象や作り方も変わってくるものです。

 

ティーン以下の小さい子供が居ない事で、ティーンの主人公が、僕にやさしくしてよ、僕を認めてよって言うだけになるとね、とたんに自分だけが主導の狭い世界になる。逆にそれはとても現代的だなとも思えて面白い部分ではあるし、そこの差って結構大きい。
ガンダムって、基本的には主人公の子供が社会と向き合うっていうのが基本として描かれるのが大半なので、そういう目線で見た時の富野ガンダムとアナザーガンダムの違い、或いはそのアナザーガンダムとオルフェンズの違いなんかが見えてきて、面白い部分なんですよね。

 

そんな基礎の部分も面白いのですが、今回「特別編」として短くしてる中で、何を残すのかっていう部分に関してですけど、序盤のオルガとメリビットさんの出会いのシーンとか何故か残してある。普通に見てるとね、そこって当初はオルガとメリビットさんってくっつく予定だったものが変更になったのかなと勝手に思ってましたし、わざわざ尺の無い特別編でそこ入れる?と思ったんですけど、何気にメリビットさん、作品に置いては重要なポジションではあるのかなと。

 

単純にストーリーを上手く編集するだけなら、それこそ序盤のアインを最初からライバル的な存在として編集で目立たせてあげければいいのに、そこはあえてやらない。でも、メリビットさんもそうですし、ビスケットの兄貴の話とか、あえて残してある。そして2期はタカキの話はきっちり入れてあるんですよね。

 

「オルフェンズ」=任侠映画、ヤクザ映画のオマージュ作品という印象ですけど、私はぶっちゃけヤクザ映画とかそんなには見てないし、決して好きなジャンルではないです。なので、ヤクザ映画の基礎とかしってるわけでもないのですが、一般人視点、いわゆるヤクザの思想で無い普通の人の考え方や感覚みたいなのって、こんなに入るのが普通なんですかね?多分、おそらくはそうではないはず。「仁義なき戦い」とかじゃ普通の人視点なんてほとんどなかった気が。

 

単純に、ヤクザやヤンキーがカッコいいみたいな世界だったら私はそこに面白味は感じ無いし、むしろ嫌いになりそうですが、そうじゃない人の視点も沢山入ってるのが何気にオルフェンズの面白さなのかなと。ただの世間知らずな理想主義のお嬢様のクーデリア、あなたたちはおかしいって露骨に言ってしまうメリビットさん。鉄華団の中に置いても、穏健派的なビスケットやタカキも丁寧に描写するとか、そういう視点も多く入ってるのは何気に大きい気がします。
孤狼の血」の1作目が面白いのはヤクザ映画オマージュでありつつ、警察映画でもあったから。そこ考えると今回のオルフェンズ特別編もギャラルホルン視点はほぼカットしてあるので、そこはまだ見やすい部分もあったのかなと。あれはあれでね、物語として別軸の面白さはあるんだけれども。

 

とまあ今回は、編集に当たっての視点みたいな所に注目して見た感じでした。男臭い作風をブロマンス物としても捉えても面白いし、それこそミカヅキとオルガでも良いし、オルガと名瀬とかも面白いし、それこそそんな中でヤマギとシノみたいなものもあれば、今回の特別編ではヴィダールの存在すら描かれてませんでしたがマクギリスとガエリオも面白いわけじゃないですか。

 

ヤクザ映画、任侠映画を現代的なブロマンスと言いかえるとか、他にもジャンルミックスなんて、エンタメの最前線であるMCUとかでも特徴としている作風。それをどこまで意図してやったのか、たまたまそうなっただけなのかはわかりませんが、種~AGEまでの過去作に縛られた作風から、一歩踏み出せた作品として、「水星の魔女」と共に、オルフェンズ辺りから今の時代の作品になったのかなと思わなくもない。

 

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